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閉じてゆく帝国と逆説の21世紀経済 の商品レビュー

4.3

24件のお客様レビュー

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2017/07/02

■成長が真であるへの疑問 ■モノで既に満たされている ■国家が恐怖を自作自演 ■過剰サービス・費用対効果 ■より近く、よりゆっくり、より寛容に ■主権国家システム ■地域帝国化

Posted byブクログ

2017/07/01

面白い。筆者の圧倒的な説得力はバックあるデータに裏打ちされているのだろう。しかし新書ではその全てを論理的に説明する分量がないために、一部論理が飛躍している部分があるように思えた。しかしこれは新書の限界であろう、続きはハードカバーで落ち着いて読み解くべき内容だろう。 気になった点...

面白い。筆者の圧倒的な説得力はバックあるデータに裏打ちされているのだろう。しかし新書ではその全てを論理的に説明する分量がないために、一部論理が飛躍している部分があるように思えた。しかしこれは新書の限界であろう、続きはハードカバーで落ち着いて読み解くべき内容だろう。 気になった点、感じた事。 考察では日本の輸出について話をしているが現状の日本企業では輸出だけではなく海外に生産拠点を置くことでそこからの配当受け取ると言うことを本書では考慮していないのではないか。 実質賃金が下がり続けている中で、企業利益は高まり内部留保は最高となっている。ネット上ではいわゆるウヨクと呼ばれる連中が日本企業のモノを買うべきと説いているが、現在の日本企業に儲けさせたところで技術の発展は望めず、国民を安く買い叩いている状況は変わらないだろう。国民は日本に根ざした労働環境の改善に声を挙げるべきだと強く認識した。 金融資産を持たない世帯が急増。 1987年は3.3%だったのが2016年には30.9%になったとの事。これはいくらなんでも信じられない。社会には昔から一定層は貧困層がいるがそこまで低かったはずがないと思う。 本書によれば私は技術発展信者?なので、コンビニの利潤がこれ以上高まらないという話には懐疑的だ。そもそも小売業界の人間でもない筆者にビジネスモデルの細かい点にまで突っ込むのは悪手だと思われる。業界のことを知らない一般人が見通せている未来などしれているのだから。今現在の技術水準で上り詰めたと思っているのが間違い、iPhoneが出るまで(出てからも)現在のスマホの普及状況を読み通せていたのならば億万長者だろう。 同様にその他の点においても筆者には伝えたい内容を分かりやすくする為に一般的なコンビニ、軽自動車等を用いているが、その際の書き方は精神世界を説いているようなもので読者には伝わらない。もしくはミスリードしていると感じる。

Posted byブクログ

2017/06/11

次々に著書を著していく水野和夫の近著。「より遠く、より速く、より合理的に」という近代の理念と「より多く」という資本主義の時代は終わったという前著に続いて、「より近く、よりゆっくり、より寛容に」というスローガンを掲げてポスト近代を手探りでも俯瞰しようとする意欲作。

Posted byブクログ

2017/06/02

凄い本であると絶賛するしかない。かつて著者の「100年デフレ」や「君はグローバリーゼーションの真実を見たか」「人々はなぜグローバル経済の本質を見誤るのか」を読んだ時にはあまりの壮大な視座に頭が追いつかなかった。 しかし本書でやっと著者の言いたいことが理解できた。背筋に戦慄が走る思...

凄い本であると絶賛するしかない。かつて著者の「100年デフレ」や「君はグローバリーゼーションの真実を見たか」「人々はなぜグローバル経済の本質を見誤るのか」を読んだ時にはあまりの壮大な視座に頭が追いつかなかった。 しかし本書でやっと著者の言いたいことが理解できた。背筋に戦慄が走る思いを持ったが、しかし「そうなのだろうか?」。 ここまで本書に引き込まれる理由ははっきりしている。リアルな世界では物価が上がらない、実質賃金も上がらない、潜在成長率も上がらない、どうやらアベノミクスは失敗に終わりそう。しかし経済学者やエコノミストの主張はバラバラである。 その点本書の主張は明快である「資本主義は終わった」のだと。確かに著者の主張を受け入れれば現状を矛盾なく説明できる。しかし証明できるのは相当未来になりそうである。 折しも今朝トランプ大統領がパリ協定離脱を表明した。「閉じてゆく帝国」である。やはり本書の視座は正しいのか! 2017年6月読了。

Posted byブクログ