2050年の技術 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
技術の進歩、社会、格差、観念など様々な側面から、2050年がどうなっているかを推測するもの。 基本的なスタンスとしては、訳者のコメントにもあるとおり非常に楽観的なものとなっている。特にエネルギー政策に関しては、エネルギーは潤沢になりかつ地球環境にも悪くないものである可能性がある、というもの。 一方で、テクノロジーによる「格差」の問題にも踏み込んでいる。政策立案者に適当に届かないものであれば、現状のとおり格差を広げ続けるものになる、というもの。 特に「教育」については重要で、労働生産性、賃金との兼ね合い、業務範囲の変化から、今後ますます重要になると思われた。加速する世界の中で、いかに取り残されず、かつ、あくせくせず。そうしたバランスを取っていくためには、やはり知恵が重要になる。
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特段目新しい技術や予測はない。 そもそも予測に対して詳細なソースや数字が提示されてるわけでもなく個人の希望的観測に基づいているのでその辺の個人のブログとそんなに変わらない気がする。 ある程度テクノロジー系に詳しい人やいろいろ情報を仕入れている人なら特に見る価値はないと思う。
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今後の世界を形作るうえで核となる力はなにか? 本書はそれを見出そうとしている。 本書は3部構成。第1部 制約と可能性、第2部 産業と生活、第3部 社会と経済。第1部では、テクノロジーの未来の大前提に関わる問題、変化、制約の要因を考察する。 第2部では、さまざまな基幹産業にテクノロ...
今後の世界を形作るうえで核となる力はなにか? 本書はそれを見出そうとしている。 本書は3部構成。第1部 制約と可能性、第2部 産業と生活、第3部 社会と経済。第1部では、テクノロジーの未来の大前提に関わる問題、変化、制約の要因を考察する。 第2部では、さまざまな基幹産業にテクノロジーがもたらす変化を考察する。特に農業が重要だと著者は語る。 第3部は、これからでてくるテクノロジーが、社会的、政策的に与える甚大な影響についての考察である。 テクノロジーがもたらす変化に、企業や経済全体はどのように対応していくべきか? 2050年まで我々が直面する最も重大な課題の一つである。 自動運転自動車が街を走り、人造ステーキなどによる食品の人造化により食糧難は起きず、医療は、学習機能を持ったAIが外科手術まで行う。全ゲノムから難病を診断。CTIやMRIなどの画像診断システムは分子イメージングが鍵を握る。 エネルギーは、再生可能エネルギーが増加。太陽電池と風力で全エネルギーの3割を占める。車はBMWのように編まれ、住宅は印刷される。 そしてAR(拡張現実)を眼球に組み込み、スマホは要らなくなる。 働き方は創意を必要とされる。 組織が生き残る鍵は「適応力」。 ミドルスキルは駆逐される。短期的には、スキルセットやキャリア開発。 優秀な人材は、正社員ではなく、フリーランスを選択する。
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未来はすでにここにある、均等に行き渡っていないだけだという引用が印象的。技術革新は今後も積み重ねを繰り返し直線的に進んでいく。だからこそ本書のような予測が成り立つのだろうか。
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各専門家による未来技術予測。テクノロジーに意思はない。人間の使い方が大事。未来を予測して課題を解決するためにも、もっとSFを読もう!
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2050年までに産業革命、インターネット出現以上の大きな社会的なインパクトが起こることは間違いない、と改めて感じた。AI、ビックデータ、クラウドがKey wordになるのだろうか。そして今以上にテクノロジーとどのように対峙していくのか、使っていくのか(使われるのではなく)考えられ...
2050年までに産業革命、インターネット出現以上の大きな社会的なインパクトが起こることは間違いない、と改めて感じた。AI、ビックデータ、クラウドがKey wordになるのだろうか。そして今以上にテクノロジーとどのように対峙していくのか、使っていくのか(使われるのではなく)考えられる人材が求められるし、それは極めてヒューマンな部分を研く必要がある。 便利になるという片側で、人がテクノロジーに依存度を高めることの危機感も抱く。 つまり、使わない部分は長い年月と共に退化していくわけだが、AIへの依存度が高まり、考えることすら退化していくとしたら?AIの電源がストップしたら、人間は人間として生きていく力を備えていることができるのだろうか? 以下引用~ ・(働き方への影響について) 成功するのは本質的な適応力を備えた組織であると結論づける。創造的なキャリアパスを設計し、想像力をもって才能を育成し、柔軟に研修を実施し、コンピューターはパートナーという新たな視点を持つ組織のことである。 ・予想モデルによれば、自動運転タクシーの登場で典型的都市の車両数は90%減少するとされる。 ・(コンピューティング・テクノロジーの波) 第一の波:メインフレームとミニコンピュータ 第二の波:パソコンの波 第三の波:Web1.0(インターネット) 第四の波:Web2.0(クラウド、モバイル) 第五の波:ビックデータ 第六の波:IoT 第七の波:AI AIの波の勝者が決まるには、あと数十年かかる。そこに参入する企業にとって、ビックデータとIoTの可能性をどこまで引き出せるかが、勝負の鍵を握る。 (それら要素を勘案すると、グーグル、アマゾン、フェイスブックなどのテック企業が先導するのだろう) ・現代のテクノロージーそのものから生じる三つの故障モードに、私はことさら懸念を抱いている。核戦争、生態系の破壊、そして人工知能(AI)戦争である。 ・先進国の製造業の多くはコストの低い国々へと流出してきた。だが、2050年までには海外流出した製造業の多くが国内回帰しているだろう。こうした潮流変化をもたらす原因はいくつもある。まず、新たな材料や新たな製造技術の登場で、製造業の柔軟性が高まる。特に製品のカスタマイズ化が容易になったり、製品を少量でも効率的に造れるようになる。この結果、企業は製品を販売する市場に近くにいる方が有利になる。市場に合わせて製品を修正を加えたり、トレンドの変化に機敏に対応したりすることができるからだ。 ・農業革命の影響が完全に社会に及ぶまでには1000年、産業革命の場合は数百年かかったが、デジタル革命はわずか数十年である。 ・われわれは宇宙の中心ではなく(コペルニクス)、生物学的王国の主でもなく(ダーウイン)、合理性の極みにいるわけでもない(フロイト)。そしてAIの登場によって、さまざまな作業を上手にこなせる唯一の存在でもなくなった(自己認識における第四の波) ・(AIの登場によって)システムの背後にある因果関係を理解できなくなる。2050年の意思決定の大部分は、説明責任の重要な一要素である透明性を欠き、ブラックボックス化するだろう。 ・結果の平等と機会の平等を混同する政策立案者は、依然としてあまりにも多い。 ・(AIの時代に)高度な判断と意思決定を下す人間の能力の重要性や価値がますます高まっていることを示しているとも言える。 どうやらたいていの人は意思決定をする際、過去200万年にわたって進化してきた前頭前皮質を使って理性的かつ本能的に判断を下しているようだ。 ・優秀な人材が正社員でなくフリーランスを選択する。 (強力なプラットホームの登場と、小規模なネットビジネスを起業するコストの低下) ・金融資産の預け先として銀行があるように、企業や個人の情報資産を預かるデータ銀行という新たな経済セクターが誕生する。
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機械に意志は無い。 どれだけテクノロジーが発達して、AI, VR, AR 技術が発達したとしても、機械が出す答えの導き方は人間が付与している。 テクノロジーの発達で職を奪われる人がいるかもしれないが、テクノロジーの発達でより専門的な職に集中できる環境が生み出される例もあると思う。...
機械に意志は無い。 どれだけテクノロジーが発達して、AI, VR, AR 技術が発達したとしても、機械が出す答えの導き方は人間が付与している。 テクノロジーの発達で職を奪われる人がいるかもしれないが、テクノロジーの発達でより専門的な職に集中できる環境が生み出される例もあると思う。 いずれにせよ、これからの世界の変化は、テクノロジーの発達と歩みを共にするはずなので、今後も注視していきたい。
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自動運転タクシーの登場によってほとんどの人は自家用車を持つ必要がなくなり、典型的都市の車両数は90%減少する。駐車場に使われているスペースが住宅や公園に転用される。 太陽光発電装置の設置は、2000年から2014年まで年間44%のペースで増加した。世界の総発電量のうち、太陽光発...
自動運転タクシーの登場によってほとんどの人は自家用車を持つ必要がなくなり、典型的都市の車両数は90%減少する。駐車場に使われているスペースが住宅や公園に転用される。 太陽光発電装置の設置は、2000年から2014年まで年間44%のペースで増加した。世界の総発電量のうち、太陽光発電は1%、風力発電は4%を占める。 AとHが結婚すると、Aは家事のほとんどを担うようになるが、融通がきかず頑固で、その性格が変わることは期待できない。Hは次第に怠惰になり、Aに依存するようになっていく。その結果、Aが関係を支配してHの行動を歪めていく。 ロボットがきちんと機能できる境界を定めた空間であるエンベロープは、住宅やオフィス、街中に浸透し、世界全体をエンベロープ化してきた。それにより、我々の物理的環境が決まり、その環境に適用せざるを得なくなる。 チューリングモデルとは、数学的論理をもとにコンピュータの能力の限界を示すモデル。
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スマートフォンがVRの中核になる。 自動運転で90%の車両が減る。 宇宙旅行が可能になる。 遺伝子編集が本格化する。 アッチェレランド=だんだん早くなる。 IOT=あらゆるものにCPチップが埋め込まれる 第1の波=IBM 第2の波=パソコン、マイクロソフト 第3の波=web...
スマートフォンがVRの中核になる。 自動運転で90%の車両が減る。 宇宙旅行が可能になる。 遺伝子編集が本格化する。 アッチェレランド=だんだん早くなる。 IOT=あらゆるものにCPチップが埋め込まれる 第1の波=IBM 第2の波=パソコン、マイクロソフト 第3の波=webとインターネット 第4の波=web2.0、アップル、グーグル、アマゾン 第5の波=ビッグデータ 第6の波=IOT、 第7の波=AI、 現在の経済指標はテクノロジーの変化に追いついていない 電気も自動車も成長率を押し上げるには、発明からは時間が必要だった。 人件費の低減がデジタル化を遅らせる可能性。 核戦争、生態系の崩壊、人工知能戦争は負の局面。 映画「博士の異常な愛情」 人造ステーキ、 遺伝子操作による医療、 核融合発電(ITER)、太陽光、風力が全エネルギーの3割。 車は炭素繊維で編まれる。住宅は3Dプリンターで印刷される。BMWi3 ARが目に埋め込まれる。 人工知能=イエスかノーかを常に正確に判断するアルコリズムは構築不可能であると証明されている。 雇用の破壊は社会全体で受け止める。 プライバシーはなくなる。富裕層の贅沢品になる。
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未来予測では定評のある英「エコノミスト」誌。テクノロジー分野で、2050年の未来を予測する。テクノロジーの世界は来年のことさえ予想するのは難しいのに、30年以上先のことがどれだけ語られるのだろうか。確かに本書は現在に存在する技術をベースに構成されている。人工知能やバイオテクノロジ...
未来予測では定評のある英「エコノミスト」誌。テクノロジー分野で、2050年の未来を予測する。テクノロジーの世界は来年のことさえ予想するのは難しいのに、30年以上先のことがどれだけ語られるのだろうか。確かに本書は現在に存在する技術をベースに構成されている。人工知能やバイオテクノロジー、エネルギーといったところが深く解説される。どの予測も“ありえる”と納得すると同時に、現実となった世界を想像すると、それはそれで恐怖も感じる。未知に対する恐怖だ。全体的には、未来は明るいし、恐れることもないという主張。ただし、その未来を実現するための制約条件も書かれている。一筋縄ではないということだ。
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