廃墟遺産 の商品レビュー

アレッサンドロ・ビアモンティ(著者),高沢亜砂代(訳者)

2021/03/28

建築の特殊な失敗例を集めた事例集とある。著者はアレッサンドロ・ピアモンティという建築家でミラノ工科大学デザイン学部教授。彼の見解。24箇所。

表紙写真は山梨県・上九一色村の「富士ガリバー王国」1997年開園、2001年閉鎖。オウム真理教のサリン製造施設が暴かれたのが1995年3月22日。村ではサリンでついた負のイメージを払しょくできるかと期待したがわずか4年で閉鎖とは・・　施設の建物とガリバーのいる全体の写真もあるのだが、人物が映っていないためガリバーの大きさがよくわからない。施設がミニチュアみたいに見える。

・もっと来てくれると思ったのに
・大金持ちになれると思っていたのに
・誰も気づかないと思っていたのに
・いっぱい楽しもうと思っていたのに
　との切り口でそれぞれ6箇所ずつ。

　　ナミビアのコールマンスコップ。写真集でみるのは3回目くらいか。おなじみのドアから入り込んだ砂のほかに全体の航空写真もあった。広域のものは初めてかも。ドアの写真だけみると華やかなかつても時代も連想するのだが、航空写真は広大な砂漠に点在する20戸位の小さな住宅とちょっとした商店と思われる細長い建物。これは・・・　当時も相当厳しそう。

　ブルガリアの共産党本部ビルも廃墟写真ではおなじみ。ここでは上空からの全体像が出ている。山の上に立っていたのだった。

2017.3.17初版第1刷　図書館

2019/09/02

2019/06/02読了

美しくもはかない廃墟
しかし、計画とん挫のものが思ったより存在していたのが意外だった。
そして、海外からの視点なので、日本の廃墟の紹介も
美　だけではない影の部分もしっかりと記されていた。
日本の記録はそういうところがどうも少ないので、好印象だ。
とにかく写真が美しい。読み応えのある一冊でした。