出版禁止 の商品レビュー
再読しました。 ルポルタージュにてまさに本当にあった話のような 没入感で、ストーリーに引き込まれました。 伏線回収もラストの説明もよい。 逆転美人みたいな本が好きなら、こちらもオススメします。
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【一言感想】 他人の心の中は見えないが、無理に見ようとすると相手に呑み込まれてしまう ノンフィクション風のフィクション作品で、ルポルタージュ風の作品は読んでいて現実に起きた事件なのでは無いかと錯覚させられる 今作はいわゆる叙述トリックが踏んだんに散りばめられている作品で、最期まで読み切った後に最初から読むと、結末は変わらないが経過や行動を起こした動機が変わって見える ↓私見 作中で筆者が「変換ミス」であるが、これは「視覚の死角」つまり「刺客の刺客」であるとするならば、熊切を殺した"カミュの刺客"を殺すための刺客が筆者なのでは無いかと考えられる そう考えると、筆者の犯した二つの「大きな間違い」の一つ「私の役割」とは"刺客の刺客"つまり、"カミュの刺客"と思っていた人物を殺さなくてはいけないことを、思い知らされたことだろうと思う。 (もう一つの「見当違いの推察」とは"カミュの刺客"を送りつけた人物のことであるが、これは物語上で判明している) そうなると最後の「依頼者の願い通り責務は果たした」という言葉は、無事に"刺客の刺客"としての仕事を果たしたことを暗に示しているのでは無いかと思う そういえば本作の中で筆者のことを"⬜︎⬜︎さん"と表しているが、これは"刺客刺客さん"のことを示しているのだろうし、筆者仮名の"若葉呉成(わかはしくれなり)"はアナグラム(並び替え)すると、"我は刺客なり(われはしかくなり)"になるのが芸が細かく驚きがある ただ"刺客の刺客"の誤算が「いつしか私は堕ちてしまっていた」のであり、「生還することは、もはや不可能」となってしまったことなのだと思う。 これは"心中"をしたと見せかけて対象を殺し、生還しようと思っていたが自分も気付かぬうちに"狂おしい"ほどの愛情を感じてしまったことなのでは無いかと思う 相手に呑み込まれないようにするには、確固たる自分自身の考えが必要であるけれども、立場や現在の生活に苦労している環境では、相手の考えや思想に呑み込まれてしまうのでは無いか、本作を読んでそう感じた
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有名なモキュメンタリーである「放送禁止」シリーズで有名な長江俊和氏の作品です。 徐々に不穏になっていくと思ったら終盤の急展開、そして最後に明かされる真実にゾワっとさせられた。 伏線が張り巡らされているのだけれど、自分は全然気付かなかった... そして読後、考察サイトを見ると「こう...
有名なモキュメンタリーである「放送禁止」シリーズで有名な長江俊和氏の作品です。 徐々に不穏になっていくと思ったら終盤の急展開、そして最後に明かされる真実にゾワっとさせられた。 伏線が張り巡らされているのだけれど、自分は全然気付かなかった... そして読後、考察サイトを見ると「こういう解釈もあるのか!」と驚いた。この本に限らずだけど、こういう考察を上げる人ってホントに凄いと思う(自分はもう全く気付かないので...) 他にも何冊か出ているのでそれらも読むのが楽しみです!
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先にいやしの村滞在記を読んでいたのでイメージは把握していました! いやー、ちょっとグロい感じでしたが楽しめました! 最後の名前がひらがなになっていることや、途中漢字を変換ミスしていることなど、ヒントを与えていただきながら読めるので、他の方の考察で私の答え合わせもできました!
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ルポを読んだルポを書いた、という体の小説。そのような形式の小説は初めて読むので面白く感じた。確か読書系YouTuberがお勧めしてたので選んだ本だったと思う。 ルポを読んでいる人を見てる感じ(客観視してる人を客観視)で読み始めるのだけど、やっぱりどうしても当事者(若橋)目線になってしまっていたので、ずっと心中に至る気持ちのことばかり考えていて、どうも気持ち悪かった。どんな立場のどんな人を好きになっても、私は死のうなどと思わないと思うから。まぁそれが健常というものなのだろう。 終盤は、かなりホラーみがあって後味悪くて(これはきっと好みによるもので、この感じに惹かれる読者はいるんだろう)、嫌な夢見そう。 そして、ある程度、オチに予想もついていたけど、最後の一文だけ、ん??となってる。ルポには書いてないけど、若橋は刺客だったんだろうか?神湯の信者に雇われた刺客??そういう想像をしたというだけの描写??考察してるコンテンツを探してみよう。 視覚、死角、資格...書いてみて気づいたけど、なるほど、そのあたりは意識して描かれていそう。 それから、登場人物の名前がなんとなく特殊な気がする。気にすべき人は変わった名前で、そうでない人はよくある名前(伊藤とか)をつけて分けている気がする。カミュって何を書いた作家だっけ??ペストの話だったけ? などと諸々感想や引っ掛かりを持つ新鮮な体験ではあったけど、好き嫌いでいうと、好きな小説ではなかった。またこの人の本を読もう、とは思えない。心中について深く考えたいと思わない、という感覚と一緒かも。
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構成がうまい。 よく考えられているなー。 意外な犯人像とその動機。 展開が緻密に計算されていて、ほぼ完璧。 オチがそう来るとは思わなかった。
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ある事件を追った記者から届いた、一時は出版禁止になったという原稿が題材のリアルドキュメンタリー風モキュメンタリー小説。斬新な設定に取材を通して出てくる謎、そして衝撃のラスト。自分的には好みなミステリー小説でした。
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出版禁止って何冊もあるんかぁ、シリーズ物でした。読みたいやつと違ったァ。 面白かったけど、思ってた事件いつまで経っても出てこないまま終わって、アレ?感が、違う状態で純粋に読みたかった。
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出版されなかったノンフィクションルポタージュを、著者長江氏が出版社から紹介され、それを出版する・・・という構成のホラー風味のミステリ小説。 ルポタージュのタイトルは「カミュの刺客」。 数年前に愛人と心中し死亡した映像作家の心中について真実を知ろうとする「若橋」なるルポライターが...
出版されなかったノンフィクションルポタージュを、著者長江氏が出版社から紹介され、それを出版する・・・という構成のホラー風味のミステリ小説。 ルポタージュのタイトルは「カミュの刺客」。 数年前に愛人と心中し死亡した映像作家の心中について真実を知ろうとする「若橋」なるルポライターが書いたものだ。 「心中」という言葉の語源から深掘りしながら、映像作家の心中の真相を知ろうとする。 結構冷静に多くの人に取材していたものの、取材対象の生き残った愛人女性(七緒)に入れ込んでしまいおかしくなる・・・。その過程が不合理に感じてしまったというか、霊的なものを理由にしないと私は納得できなかった・・・。 若橋が七緒を殺してしまった理由はなんだったのか? 七緒は生きようとしてたのだし、七緒に殺害を依頼されたというのは若橋の妄想だと思うんだけど・・・。「心中」という事象に深入りするあまり、若橋が少しずつ霊的なものに取り込まれておかしくなってしまったということなのかな。 ミステリーとしては「うーん・・・」と思うこともあったけど、ホラーと思えばそういうもんか?という気もする。 説明不能な不合理なものを霊的なものや狂気で説明するのは、ミステリーとしてはどうなんだろう。 長江氏による種明かしの最終章は、「雨穴」(ホラー作家)のドラマ(なにかがおかしい)のような構成だなーとも思った。 人間の狂気にせまるホラーという意味でも、雨穴と相通じるものを感じた。
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うーん、まあおもしろかったとは思う。ただ、個人的にどんでん返し系が好きでよく読んでいることもあってか、途中で読めてしまった。正直よくあるパターンのどんでん返しだとは思います。それほど衝撃もなく読み終えてしまいました。
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