最良の嘘の最後のひと言 の商品レビュー
読んでいて「ブレイクスルー・トライアル」を思い出した。 優勝者には高額な報酬。 嘘と嘘との騙し合い。 そこに1つ足される特徴は、参加者が超能力者だということ。 超能力者を採用します。 その採用試験の最終試験に勝ち上がったのは7人だった。 大学生の市倉は、自分が...
読んでいて「ブレイクスルー・トライアル」を思い出した。 優勝者には高額な報酬。 嘘と嘘との騙し合い。 そこに1つ足される特徴は、参加者が超能力者だということ。 超能力者を採用します。 その採用試験の最終試験に勝ち上がったのは7人だった。 大学生の市倉は、自分が超能力者だと思っていない。 能力が高い順に割り振られた番号は、最後の7番目だ。 採用の条件は、1番が持っている合格通知書を制限時間内に奪い、制限時間1時間前に明かされる場所に持っていくこと。 最終試験は地方の新幹線駅を中心とした半径5kmの範囲内で行われる。 昨晩泊まったホテルのロビーで開始時間を待っていると、高校生くらいの女子から声をかけられた。 彼女も参加者で、市倉と共闘しようと持ち掛けてきた。 そして開始時間と同時に、ロビーには上から男が落ちてきた。 ナンバー1のその男が手にしていた合格通知書を手にして走り出す。 さて、能力者バトルといいながら、語り手の視点はコロコロ変わり、しかも全員が嘘をつく。 すっげ、わかりにくい。 さらに、一つのものを二つにコピーしたり、物体を移動させたりする超能力のせいで誰が何持ってんだかよくわからなくなる。 延々とリピートする"ジ・エンターテイナー"。騙されないでね、と注意されたところで最初から騙されているから話を追いづらい。
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河野裕の最新作。 新潮文庫nexのシリーズとは全く違う印象を受ける1冊だった。ユニークな設定とスピード感溢れる展開で殆ど一気読み。また、8000万というちょっとしたプロ野球選手並の年俸を提示しながら、超能力を駆使して奪い合うのが『採用通知』というのが妙な現実味を帯びていて面白い。
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「年収8000万、採用者1名、応募資格は超能力者」という設定が既に秀逸。 いわゆるコンゲーム(信用詐欺)ものだが、そこに超能力という要素が加わると、これは複雑怪奇。騙し騙される登場人物たちと、騙され続ける読者という構図の出来上がりだ。 かなり入り組んだそれぞれの思惑と行動に、...
「年収8000万、採用者1名、応募資格は超能力者」という設定が既に秀逸。 いわゆるコンゲーム(信用詐欺)ものだが、そこに超能力という要素が加わると、これは複雑怪奇。騙し騙される登場人物たちと、騙され続ける読者という構図の出来上がりだ。 かなり入り組んだそれぞれの思惑と行動に、ワシは序盤から推理推測を諦めて物語を追う形にしたが、個人的にはその読み方で正解だった。よくこれだけの展開を管理できるなぁ、とゲーム「428」をやった時のような感心。 著者にしては修飾が控えめで、ハードボイルド感があったのも印象的。
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