「原因と結果」の経済学 の商品レビュー
相関と因果関係を混同せず正しい因果関係を確かめる方法について、おかしがちな誤り例とともに説明がされている。原因と結果以外の変数が存在する場合の傾向スコアについて、わかりやすく定義と方法が述べられていた。
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2時間弱で読めるライトな内容。 数式や難しい用語は出てこず、全くの素人でも理解しやすい。 章毎に「キーワード」として要旨が簡潔にかいてあるのもよい。
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オーディブルにて。 統計的に有意かどうか、相関ではなく因果かどうか、この観点はいつでも大事。 偏差値が高い大学に行ったからと言って収入が高いわけではない、というけど、ふに落ちないなー。
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因果関係と相関関係の違い、そして因果関係を検証するための様々な手法について書かれる。内容的には統計経済学の初級的なもので、もう少し掘り下げた内容を期待していたため、少しものたりない。 入門書的な扱いであれば、読みやすく良書だと言える。
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因果推論(因果関係か相関関係かを見分ける方法論)がSNSで玉石混交の論が飛び交う世の中で自身の意見を事実に裏打ちされたものにするために必須の教養であると感じた。本書の事例がまさに「目から鱗」のものばかりで、平易な言葉遣いと相俟って、滞ることなく読み通せた。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
相関関係と因果関係は、別ものであり、それを正しく見分けるための方法論を「因果推論」という。 本書は、因果推論を学ぶ「入門の入門」のための本であり、数式が出てくるわけではないため、統計学や数学に苦手意識を持っている人でも楽に読み進めることができる内容。 相関関係があるからと言って必ずしもそこに原因と結果の関係があるわけではない。では、どうすれば相関関係と因果関係を見分けられるのか。その具体的な手法を本書ではジュエリーショップの広告と売上の関係やタバコと疾患、学歴と収入などの実例をもとに紹介している。 まず相関か因果かを見分ける基本的な考え方は ・全くの偶然ではないか (ジブリ作品がTV放映されると米国株価下落?ジブリの呪いは単なる偶然?) ・第三の変数(交絡因子)は存在していないか (体力がある子供は学力高い?それって単なる教育熱心な親の影響?) ・逆の因果関係は存在していないか (警察官の人数が多いところは犯罪が多い?それって逆じゃない?) という3つの視点を持ち、「仮にしなかったらどうなっていたか」の反事実を示すこと。 ただし、時計の針を巻き戻せない以上、反事実を観察することは不可能である。 (ドナルド・ルービン「因果推論における根本問題」) そのため、反事実をもっともらしいデータで補完し比較可能にしていく手法が必要となる。 それらの手法が以下である。 ・ランダムに介入群と対照群に分けて2群を比較するランダム化比較試験 ・外生的なショックによって介入群と対照群に図らずとも自然に分かれた2群を比較する自然実験 ・介入群と対照群で介入前後の結果の差をとって2群を比較する差の差分析 ・原因のみに影響を与える第三の変数を用いて2群を比較する操作変数法 ・カットオフ値(50人以上など)の前後で2群を比較する回帰不連続デザイン ・共変量(店長の年齢など)を用いて似た者同士の比較するマッチング法 それぞれの手法が成立するための前提条件はあるが、2群に分けて比較することで、因果を推論をしていくというのが紹介されている。 *** 因果推論の解説の中で、興味深かったのは実際の時事問題を扱った「認可保育所を増やせば母親の就業が増えるのか」という話。 「日本死ね」という待機児童の社会問題を思い浮かべると、解決策として一見もっともらしく思える。しかし正しく施策効果を評価するためには保育所を増やすことが母親就業の解決策になるのか、因果なのか相関なのか以下の見極めが必要。 ・認可保育所があるから母親が就業する(因果関係) ・就業する母親が多い地域ほど認可保育所が多い(相関関係) 因果関係を分析する手法の一つである「差の差分析」によって行われた調査によると、なんと「因果関係を見出すことができない」という分析結果になったという。 その理由は、就業意欲の高い母親は認可ではない私営の保育所に子供を預けることで既に就業をしており、認可保育所が増えたとしても、それらの層が私営⇒認可へ流れるだけであって、未就業の母親の就業を促したわけではなかったためという。むしろ最も代替関係があったのは、祖父母の育児であったと推測されている。 では、認可保育所を増やすことには何も効果がなかったのだろうか?本書では次のように結論付けられていた。 "認可保育所の整備が母親の就業に因果効果を持っていなかったとしても、保育所が保育士のような専門的な知識や技能を持つプロフェッショナル集団であることを考えれば、子供の発達や健康にはプラスの影響がある可能性があることを指摘、、(略)。認可保育所の整備は母親の就業のためというよりは、子供のよりよい将来のためと位置付けるほうが適当なのかもしれない" この理由の部分が分析の肝であり、手法を用いて得られた分析結果に対して「なぜ?」「だから何なの?」byちきりん)を問うことで、合理的な結論を導く力も、因果推論の考え方と同様に必要なものだと感じた。 *** 統計学の教科書(SAS)に面白い記述。 相関係数は求めたにしてもそこから因果関係が導けなければ意味がない。結局そこには何らかの合理性が存在しなければ使い物にならないからだ。 仮に何らかの合理性が存在していたとしても、その合理性を裏付けるだけの理由を説明できなければ、これもまた同様に使い物にならない。
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因果関係と相関関係を分かりやすく学べた。 この本を読み、良い意味で物事を批判的に考えるクセがついた。 具体例を用い、読みやすかった。 ランダム化比較試験は、実験でよく出てくる。
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相関関係と因果関係の違いについて分かりやすく解説されて良かった。 また因果関係を知るための因果推論として4つの手法についても具体例を交えて説明されていたのが分かりやすく理解できた。 1.差の差分析(DID) 2.操作変数法 3.回帰不連続デザイン 4.マッチング法 相関関係と...
相関関係と因果関係の違いについて分かりやすく解説されて良かった。 また因果関係を知るための因果推論として4つの手法についても具体例を交えて説明されていたのが分かりやすく理解できた。 1.差の差分析(DID) 2.操作変数法 3.回帰不連続デザイン 4.マッチング法 相関関係と因果関係の違いを知る事はデータを見る上では必須の能力だと思いますし、ビジネスマンであればちゃんと理解しておくと役に立つ事は多いと思うのでその意味で一度読んでおくと良いなと思います。
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夜型さんの紹介 2021.2.16 入手しました。少し読みました。当たり前のことを、文章にされている、という印象を受けました。我慢して読んでいきます。 「軽薄な人間は運勢を信じ、 強者は因果関係を信じる」 19世紀を代表するアメリカの思想家・作家であるラルフ・エマーソンの言葉...
夜型さんの紹介 2021.2.16 入手しました。少し読みました。当たり前のことを、文章にされている、という印象を受けました。我慢して読んでいきます。 「軽薄な人間は運勢を信じ、 強者は因果関係を信じる」 19世紀を代表するアメリカの思想家・作家であるラルフ・エマーソンの言葉。…そうですか。我慢して読む。50ページまでは、印象変わらず。51ページ、チョコレートの消費量が増えると、ノーベル賞受賞者が増える?のコラムから、面白くなってくる。 第2章読み終わる。知らなかった言葉がでてきた。 自分の都合のいい論文の結論だけを正しいとする。このような行動のことを、英語ではチェリー・ピッキング(サクランボ狩り)と呼び、特に研究では厳に慎むべきだと考えられている。残念なことに、昨今の日本のインターネットのまとめサイトでは、このチェリー・ピッキングが散見され、間違った情報が広められていることも少なくない。 こんなときに用いるのが「メタアナリシス」である。「メタ」とは「高次の」、「アナリシス」とは「解析」という意味で、複数の研究結果を1つにまとめて、全体としてどのような関係があるのかを明らかにする研究手法のことである。 、、、なるほど。覚えておくことにする。 半分ほど読む。1600円+税の分の、情報を得ようと、懸命によむ。ほとんど頭の体操である。 、、、とにかく読み終えた。ああ、ロマンスのかけらも無い文章を読んでしまった。これ、何かりまのの役に立つのだろうか。悔しいので、何度も読むことにする。 、、、夜型さんは、この本、面白いと思われたのでしようか。この先、面白さが分かるまで、読み込んでいこうと思います。のちに。普段絶対読まない本を、紹介していただきありがとうございました。 りまの
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gacco「統計の入門」(京都大学国際高等教育院附属データ科学イノベーション教育研究センター)第1章イントロダクション紹介文献 https://lms.gacco.org/courses/course-v1:gacco+ga150+2021_01/about
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