看護婦の歴史 の商品レビュー
日本における看護婦の研究といえば、女性専門職としての地位の高さや低さ、賃金の低さ、社会的な理解の推移などが中心だった。この著作は、資格職としての看護婦の多様性(病院看護だけでなく、従軍看護婦や派出看護婦、貧困層を支えた訪問看護婦、海外で活躍した公衆衛生看護婦、学校看護婦)に注目し...
日本における看護婦の研究といえば、女性専門職としての地位の高さや低さ、賃金の低さ、社会的な理解の推移などが中心だった。この著作は、資格職としての看護婦の多様性(病院看護だけでなく、従軍看護婦や派出看護婦、貧困層を支えた訪問看護婦、海外で活躍した公衆衛生看護婦、学校看護婦)に注目し、それぞれの労働状況や法的規定、社会における地位、グローバルな専門性について検討する。看護は、社会における女性の地位、女性に期待されている癒しに関わる役割、資格を持つことの可能性と規定性、そして働くこと・働き続けることが影響する女性らしさについて、様々な力が集まる結節点であることがわかる。
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日本における近代看護の草創期の動きを文献などから紹介するもの。著者は経済学の研究者で、その視点から看護の歴史を研究している。 訪問看護や学校に看護職を配置するといった、現代のメインストリームではないけれど、あらためてその重要性がいわれるようになってきている動きも、さかのぼれば派出...
日本における近代看護の草創期の動きを文献などから紹介するもの。著者は経済学の研究者で、その視点から看護の歴史を研究している。 訪問看護や学校に看護職を配置するといった、現代のメインストリームではないけれど、あらためてその重要性がいわれるようになってきている動きも、さかのぼれば派出看護婦や学校看護婦といったかたちで同様のものがあった……が、廃れたというか断絶が生じて現代に至っているというのは興味深い。 自動車も、草創期はガソリン自動車と電気自動車の開発が拮抗ししのぎを削っていた。その後、ガソリン優勢になったが今また電気自動車開発の動きが加速しているように、人間はわりと後先考えず、そのときの都合よさや楽なほうに流れては、遠回りして元の道に戻るようなことを繰り返すものだなあ……と思ったり。
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主に戦前と戦後あたりの看護職についての歴史を知ることができた。現代の准看護師と看護師と二つに分かれている歴史的経緯や看護師の医療への関わり方の歴史を詳細に知ることができた。
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