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モテる構造 の商品レビュー

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19件のお客様レビュー

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2024/05/27

難しくなりがちなジェンダー論を、「モテ」という取っ付きやすい切り口から分析しているため理解しやすい。 本書の大意として下記のような印象。 男と女の大変さは別、という結論。 ・男らしさ女らしさは文化的アイデンティティなので、「らしさ」のガイドラインに沿っていると居場所が確保できた...

難しくなりがちなジェンダー論を、「モテ」という取っ付きやすい切り口から分析しているため理解しやすい。 本書の大意として下記のような印象。 男と女の大変さは別、という結論。 ・男らしさ女らしさは文化的アイデンティティなので、「らしさ」のガイドラインに沿っていると居場所が確保できた感覚になる。 ・男は「仕事」と「モテ」が比例するが、女は「仕事」と「モテ」が分離した個別の価値基準となっている。そのため、男は仕事に集中すればモテるが、女は「仕事」と「モテ」の両軸を追わなければならない。だからキャリア女性は大変に見える。 ・男の評価軸は一つしかないため、仕事ができなければ終了となるが、女は仕事ができなくても「モテ」があるため、複数の価値基準を選択できるし逃げられる。 <アンダーライン> ★★★ 社会学の役割は、見えなかった枠を明らかにすること ★★★ 性別は、アイデンティティの基準を構成する ★★★★★ アイデンティティ・クライシスの典型的症状は、「自分は何者か分からない、どもにも居場所がない」と感じること ★★★★★ 「役に立つこと」「人に好かれること」はアイデンティティの大きな確認手段である ★★★★ 男らしさ女らしさの規範が存在することによって、社会的に逸脱という概念が作り出され、一部の男性や女性に不利益をもたらすことがある。しかし、多くの人はその性差に自らを合わせることで、自分が「男である」「女である」という確信を得る。 ★★★★★ 近代社会は、自分で自分のアイデンティティを作り上げることが人生の課題となる社会である。 ★★★★★ 男性は、自分より「できる」女性を性的対象から排除する傾向がある。それは、できる女性が、男性が男性であるというアイデンティティを不安にさせるからである。 ★★★★★ 「当たり前のことをまるで不思議なことのように考える」ことが社会学の本質

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2024/05/27

内容には膝を打つものが多く、納得性が高い。私が思っていた漠然とした疑問かつ意見として露にしてはいけないと思っていた、男女での違いが分かった。 惜しむらくは、タイトルが悪い。このタイトルでは、記述内容の良さが伝わらない。

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2021/05/22

男は女から認められないと生きていけないが女は同性からの関係性だけでも自尊心を損なわず生きていける事が本書での1番の気づきである。 男は仕事ができる事でしか周囲から認められずそこを損なうと社会的な存在価値がなくなってしまう。女性はキャリアでも家庭でも居場所を見つけることができ、男よ...

男は女から認められないと生きていけないが女は同性からの関係性だけでも自尊心を損なわず生きていける事が本書での1番の気づきである。 男は仕事ができる事でしか周囲から認められずそこを損なうと社会的な存在価値がなくなってしまう。女性はキャリアでも家庭でも居場所を見つけることができ、男よりも生きる術があるように感じた。これからは男性らしい女性らしいという概念は崩れていくだろう。だが根源的に残っている男女の性は自認して前向きに生きていきたい。 女性は同性から養育を受ける為に性的な欲求は低い。男は母親以外からの異性の承認が必要であるから性的にも血気盛んである。これもなるほどなぁと思わされた。

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2021/01/02

「モテる」とは何を元に成り立っているのかを書いた本 タイトルから考えたイメージよりも面白い、性別にアイデンティティを掘り下げていて良い 人は何によって自分の価値を感じ取るか、それが男女によってどう違うかが書かれている。 男男:力の上下関係、男女:美による序列、女男:気は優しくて...

「モテる」とは何を元に成り立っているのかを書いた本 タイトルから考えたイメージよりも面白い、性別にアイデンティティを掘り下げていて良い 人は何によって自分の価値を感じ取るか、それが男女によってどう違うかが書かれている。 男男:力の上下関係、男女:美による序列、女男:気は優しくて力持ち、女女:謎 性転換手術を受けた元男性はより女性らしくなる。 男性は女性的に振る舞うと男性であるという確信がゆらぎやすい 女性らしい男性は社会的に認められにくい 市場労働:社会から評価され競争にさらされる=従事している人が男性的とみなされる。家事労働:家族に評価され競争がない=女性的 男性であると確信するために、家事労働よりも市場労働を好む アイデンティティ、自分の居場所があり貢献が評価されている感覚:①職業:仕事世界②結婚相手:性的魅力(③居住) 男性:①と②が直結、オール・オア・ナッシング 女性:①と②が別々、ダブルバインド 男性がほぼ全て定職につき格差が小さい場合に性別役割分業の社会が持続可能となる イギリスでは結婚相手に年収を聞くのは失礼という認識がある 男性:からかいのシステム、力を試す、女性:陰口のシステム、親密性を確認 男性:親密性と性的欲求の一致、女性:性的関係無しで親密性の充足が得られる 男性からのケアは忌避され、女性からのケアが望まれる

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2020/04/12

題名はかなり狙ってる感じだけど、内容はしっかりとジェンダー学、それに関する言説について説明されている。 男女の非対称性を理論的に正すことが困難だと納得させた上で、その不平等ともいえる非対称性が、現実味を持って解説されていて興味深かった。 性別の非対称性を語っているものの、不思議...

題名はかなり狙ってる感じだけど、内容はしっかりとジェンダー学、それに関する言説について説明されている。 男女の非対称性を理論的に正すことが困難だと納得させた上で、その不平等ともいえる非対称性が、現実味を持って解説されていて興味深かった。 性別の非対称性を語っているものの、不思議と前向きな気持ちで読み進められる。 男性は〜、女性は〜、という語り口に、今まで嫌悪感を持っていたけど、これを読んで社会構造的に仕方がないことと腑に落ちた所も多く、勉強になった。 フェミニズム、ジェンダーに関心がある人は、新しい視座を得られると思います。

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2019/09/15

らしさ規範を利用し、男/女に見られようとするのか。従うのではなく。男は「できる=モテる」だが女は「できる=モテるではない」という指摘はなるほどと思う。むしろできない方が女はモテる。マリリン・モンローが出ていた「紳士は金髪がお好き」を思い出す。あえてできないように振る舞うという処世...

らしさ規範を利用し、男/女に見られようとするのか。従うのではなく。男は「できる=モテる」だが女は「できる=モテるではない」という指摘はなるほどと思う。むしろできない方が女はモテる。マリリン・モンローが出ていた「紳士は金髪がお好き」を思い出す。あえてできないように振る舞うという処世術は確かに存在する。でも私は中性的なものが好きだ。だからか、過剰な女性性や男性性を感じてしまうものやそれにとらわれている人は苦手だ。 この本を読むことで改めてジェンダーについて考えることができた。

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2017/10/09

背が高くてスポーツに優れている男性は女性に好かれる一方、背が低くて運動おんちであっても男性に好かれないということはない。できる男性は女性にもてるが、できる女性が男性にもてるとは限らない。本書では男女に関わる非対称的な感情に焦点を当てながら男女それぞれの生き難さを考察する。たとえば...

背が高くてスポーツに優れている男性は女性に好かれる一方、背が低くて運動おんちであっても男性に好かれないということはない。できる男性は女性にもてるが、できる女性が男性にもてるとは限らない。本書では男女に関わる非対称的な感情に焦点を当てながら男女それぞれの生き難さを考察する。たとえば自殺率、ホームレス数、ひきこもり人数などは圧倒的に男性が多い。中高年の男性の自殺が多いのは、リストラや事業失敗などで、できると評価されていたその評価を失ったことが原因。近代社会における男性の生き難さは、彼らが「できなければモテない」という世界に生きることにある。常にできなければいけないというプレッシャー。女性より男性の方が生き難いというのは、このプレッシャーが大きな要因となっている。他方、女性には女性独自の生き難さがある。こちらの方もしっかり検証されている。男女それぞれのモテる構造を理解しがら自らの処世に活かしていきたい。

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2017/09/22

キャッチャーなタイトルの割に中身は重厚な社会学のテキスト。同僚の方から勧められた一冊。山田さんの本を読むのは3冊目になるが、日本における男女の恋愛、家族観に対してとてもわかりやすく説明してある良本が多い。 端的に言うと、モテる男性はできる男性である。男性にとってモテることとでき...

キャッチャーなタイトルの割に中身は重厚な社会学のテキスト。同僚の方から勧められた一冊。山田さんの本を読むのは3冊目になるが、日本における男女の恋愛、家族観に対してとてもわかりやすく説明してある良本が多い。 端的に言うと、モテる男性はできる男性である。男性にとってモテることとできることはリンクしている。一方で女性の場合はできることとモテることの関係性は薄い。日本社会はこのバランスを社会に積極的に取り込んできた。結果、未だに男性優位な社会が多く、女性の社会進出は進まないと筆者は述べる(筆者はこれを前近代的と言っている) 生物学的にも男性は競争の生き物であるけれど、それがどの局面でも如実に現れる。結果、一部の持てる人間と、持てない人間が生まれてしまう。現代日本では賃金の低下、非正規雇用の増加により後者の男性が増加傾向にある。 女性の場合はできる女性でもそれがモテることに直結せず他の方面でのスキルが必要とされる。具体的には家庭的な面が強調される。結果、多様な生き方は許容される(キャリアの道、専業主婦、女性同士の共同体)が、男性のように仕事だけで評価されないジレンマがうまれている。 第7章 ケアは女性の役割か?は興味深く、ケア労働(看護師や保健師、介護士)は女性の割合が圧倒的に多い。それを自分は今までは社会的なバイアスがさせているのかと思っていたが、実際は感情が関わっているようである。女性からのケアは男女共に気持ちよく受けられるが、男性からのケアは男女共に嫌悪感をいだくというものだ。 感情が関わるということは生物的な本能や生存に必要な要素が関わってくるということだし、性区分といかに社会が付き合っていくかは本当に難しい問題だと感じた。

Posted byブクログ

2017/06/05

日経で見て 夢をかなえるゾウ的な オモロそうなものを期待したらあからさまにタイトルにつられた感じでおもんなかった。。

Posted byブクログ

2017/05/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

男は「デキる」=「モテる」だからとにかく仕事に邁進すればいいが、仕事がデキない男はモテもしないしとことん悲惨になる。女は「デキる」=「モテる」は成り立たず、それぞれの象限にそれぞれの在り方がある。あと、女性の68%が400万円以上の年収を望むけど実際には未婚男性の25.1%しか400万以上の年収がないそうだ。

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