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罪と罰の彼岸 新版 の商品レビュー

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2024/06/07

1人の人間のリアルな感情が書かれてあった。 自分がいつ当事者になるか分からない恐怖を感じた。 加害者の立場にも、被害者の立場にもなり得る可能性。足下が揺れる感覚。 一度は読んでほしい作品。

Posted byブクログ

2017/12/13

ユダヤ人であることは私にとって、そもそもの初めから、執行猶予中の死者であった。殺される人間であって、偶然まだしかるべき執行を受けていないだけだった。様々な猶予の形があり、人間であって、偶然まだしかるべき執行を受けていないだけだった。様々な猶予の形があり、程度の違いがあるに過ぎなか...

ユダヤ人であることは私にとって、そもそもの初めから、執行猶予中の死者であった。殺される人間であって、偶然まだしかるべき執行を受けていないだけだった。様々な猶予の形があり、人間であって、偶然まだしかるべき執行を受けていないだけだった。様々な猶予の形があり、程度の違いがあるに過ぎなかった。ニュルンベルグ法をみて初めてはっきりと感じ取った死の威嚇には、ナチスによるユダヤ人への組織的な侮蔑もまた含まれていた。人間的な尊厳の抹殺が死の威嚇を表していたと言い換えてもよい。何円にもわたって毎日のように声や活字が降り落ちてきた。ユダヤ人は怠け者で、悪辣で、醜悪で、平然として冷酷無惨をやってのけ、頭のいいやつは人の上前をはべることばかり考えている。ユダヤ人は国家を作る能力を持たず、経済に携わっても唯我独尊で協調を知らない。ユダヤ人は毛深く、太っちょで、足が彎曲している。ユダヤ人が現れるだけで公衆浴場が汚れる。公園のベンチにしてもそうだ。ユダヤ人の面はどうだ、耳は尖っており、鼻は垂れ下がっている。昨日の良き市民と良き民衆にとって私たちの顔は、おぞましい限りのものだった。私たちは愛に値せず、だからして生きるに値しない。自らさっさとこの世から姿を消すことこそ、私たちの唯一の権利、私たちの唯一の義務だった。

Posted byブクログ