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クリニック税務調査読本 の商品レビュー

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2021/09/27

本書では医科、歯科に特化した税理士として、878件のクライアントの税務調査をサポートしてきた経験とノウハウが詳細に記載されていた。巷の税務調査対策本のような難解な理論や法律条文は極力省略され、その代わり興味深い実例やエピソードを紹介しながら、わかりやすく解説されているのは優れた構...

本書では医科、歯科に特化した税理士として、878件のクライアントの税務調査をサポートしてきた経験とノウハウが詳細に記載されていた。巷の税務調査対策本のような難解な理論や法律条文は極力省略され、その代わり興味深い実例やエピソードを紹介しながら、わかりやすく解説されているのは優れた構成だ。興味深い内容が多く、飽きることなく通読できた。税務本というより読み物としてお勧めだ。 P113 2台目も「使用実態」次第 個人医院の場合は、青色事業専従者(奥様)が使用している2台目の車両、医療法人の場合は、理事(分院長・事務長・奥様)が使用している2台目(2台以上の場合もあります)の車両がこれに該当します。医療法人の場合は、使用実態に問題がなければ100%損金算入OKです。しかしながら個人医院の2台目については、税務調査においてかなりシビアであるのが実態です。私の場合、たとえ当該車両を奥様が毎日通勤に使用していたとしても、自己否認割合を50%にしています。というのも2台目ということもあり、かなり家事的な色合いが強くなるからです。税務申告上、注意が必要な部分でしょう。なお居宅兼診療所というドクターの場合はさらに厳しく、1台目であっても自己否認割合は70%、2台目は経費化できないというのが通説です。 P145 以下の事例は、同業者である他の税理士や、税務調査での否認を契機に当事務所のクライアントとなられたドクターから聞いた否認事例です。 ●過大青色事業専従者給与 ①クリニックにはまったく顔を出すことなく、経理事務等を自宅で処理しているだけの奥様に対して、年間360万円の青色事業専従者給与を支給していたケース →自宅におけるデスクワークとしての適正額は、年間240万円であるとされ、120万円が経費否認となった。 ②3歳と5歳の幼児がいる歯科衛生士の奥様に対して、年間480万円の青色事業専従者給与を支給していたケース →子ども2人の年齢を考慮すると、育児に時間をとられていることは明らかであり、勤務実態がともなわないということで、適正額は年間300万円であるとされ、180万円が経費否認となった。 P172 クリニックによっては、院内が手狭になっているなどの理由から、近隣にスタッフルームを借りていたり、あるいは備品や医薬品等を保管する倉庫を借りているケースも見受けられ ます。 これらの家賃について経費計上している場合には、調査官から「そちらも案内してほし い」と言われる場合があります。 これはスタッフルームにスタッフではなく、院長自身もしくは、「特殊関係者(愛人)」が住んでいるようなケースがあるためです。もちろん、後ろめたいことがなければ、堂々と案内すればよいだけです。会計事務所も知 らないようなことがある場合については、さすがにフォローはできかねます。肝に銘じてお いてください。

Posted byブクログ