世界一ありふれた答え の商品レビュー
うつと診断され、自分の考え方から抜け出せずにいる2人。現状のままでいいと思う一方で、ここから抜け出さないとと日々もがくことは、きっと本人たちからすると凄くしんどくて辛い日々なんだろう。 それでも前の日常に戻れるように、いや前とは別の日常生活が送れるように必死に前を向く姿が良かった...
うつと診断され、自分の考え方から抜け出せずにいる2人。現状のままでいいと思う一方で、ここから抜け出さないとと日々もがくことは、きっと本人たちからすると凄くしんどくて辛い日々なんだろう。 それでも前の日常に戻れるように、いや前とは別の日常生活が送れるように必死に前を向く姿が良かった。現実はこんなふうにうまくいくことばかりではないと思う。本人にしか分からない不安や絶望がある。でも、毎日人は嫌なことがあったり不安なことを抱えながら日々過ごしていると思わせてくれる。
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もしかしたら、読んだことあるかもしれないなーって思いながら最後まで読んだ。 ハッピーエンドである。 まあ、良かったね。 誰も死なない誰も死んでない小説はつまらないな。
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「みんな同じなのよ。特別じゃなくていいの。それを感じることができればあなたは自由になれる。」(157ページ) 怒りと失望で、己の価値を見失った主人公。 人と自分に真剣に向き合うことで、 前進しようと足掻く物語り。
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議員の夫のために生きてきたのに、離婚することになって裏切られた気持ちの元妻、ジストニアという病でピアノが弾けなくなった天才ピアニスト。ともにうつ病と診断され、苦しい日々の中に答えを見つけようともがいている。自分がカウンセリングを受けているような気持ちになりながら、答えは自分の中に...
議員の夫のために生きてきたのに、離婚することになって裏切られた気持ちの元妻、ジストニアという病でピアノが弾けなくなった天才ピアニスト。ともにうつ病と診断され、苦しい日々の中に答えを見つけようともがいている。自分がカウンセリングを受けているような気持ちになりながら、答えは自分の中にあるんだと改めて感じた。 終盤の母子の登場から物語が一気に加速して、とても温かい気持ちで読み終えた。
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ジャケ買いだったし どうしても読みたいわけでもなかった。 でも読み始めたら最後まで読み終えるのに 時間はかからなかった。 心の中のもやもやは 病名がつく、つかないに関係なく いつも自分を支配し続ける。 傷を舐めあいたいわけじゃない。 知った気になんかなってほしくない。 誰か...
ジャケ買いだったし どうしても読みたいわけでもなかった。 でも読み始めたら最後まで読み終えるのに 時間はかからなかった。 心の中のもやもやは 病名がつく、つかないに関係なく いつも自分を支配し続ける。 傷を舐めあいたいわけじゃない。 知った気になんかなってほしくない。 誰かのしあわせを願う気持ちの なんと尊いことか。 自分以外の誰かのための時間。祈り。 生きようとするとき、そのエネルギーの源は 『誰かへの想い』なのかもしれない。
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「世界一ありふれた答え」 谷川直子 ★★★☆☆ 日の出前と日の入り後に発生する空が濃い青色に染まる時間帯を「ブルーアワー」という。 太陽と月が入れ替わる時間だ。本作はブルーアワーのような作品だった。凄い出来事があるわけではないが整然と美しいのだ。 主人公たちは、病気になる前は太...
「世界一ありふれた答え」 谷川直子 ★★★☆☆ 日の出前と日の入り後に発生する空が濃い青色に染まる時間帯を「ブルーアワー」という。 太陽と月が入れ替わる時間だ。本作はブルーアワーのような作品だった。凄い出来事があるわけではないが整然と美しいのだ。 主人公たちは、病気になる前は太陽だった。多くの人に認められ、世界の中心にいた。 しかし、今は月だ。自ら輝くことはできない。 太陽として生きてきたのに突然月だと言われ未来を見失った。 でもね、世界にとっては月だろうが太陽だろうが同じなんだよ。そんなの関係なく回り続ける。自分に価値があると判断するのは他人ではなく自分自身。価値があるとかないとか考えることも無意味なのだ。 #引用 ・同じだからこそ、人は違いにこだわるのだ。すべての人の共通点は生きているということ。 ・世界は私を必要としていない。世界は誰も必要としていないのだ。なんという大きくてあたたかな拒絶。 ・同じ骨を持ってみんなが生きている。あるいは死んでいく。それだけでじゅうぶんに価値があることなの。みんな取るに足りない存在で、(中略)、でも生きていてそれだけでじゅうぶんなの ・ある意味、私は他者であり、他者は私なのだ。だからこそ愛しく思えて共感できる。
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同じ病の苦しみを持った二人のお話なんだけど、とても静かな、色でいうと水色の時間がずっと流れていた。 まゆこのアラベスクの曲のイメージだからかな。 読みながら、頭にアラベスクが流れていた。 ピアノを練習し、少しずつ氷が溶けていくように変わっていくさまが良い。ずっと平坦に進む感じが、...
同じ病の苦しみを持った二人のお話なんだけど、とても静かな、色でいうと水色の時間がずっと流れていた。 まゆこのアラベスクの曲のイメージだからかな。 読みながら、頭にアラベスクが流れていた。 ピアノを練習し、少しずつ氷が溶けていくように変わっていくさまが良い。ずっと平坦に進む感じが、親娘との出会いで流れが速くなる。 最後のセリナのアラベスクは良かったな。 ずっと重い小説を読んだ後だけに、少し気持ちが軽くなれた。
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2冊目の谷川直子さん。 人が「治る」ってこういうことなんだなぁと。 世界が外に開く瞬間みたいなものが丁寧に描かれている。 この人の書く文章はなんだか独特。 何が独特なのかわからないけど。 なんだろうぁ、この感覚。
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2017.2.11 自分の身に何が起ころうと世界は毎日動いている。それは分かっていても、実際に自分の身に辛いことが起きたときにそれを事実として受け入れるのはなかなか難しいもの。それでも、他人から見ればわからない辛さなんかを人はそれぞれ抱えていて、そうやってみんな毎日を生きてるんだ...
2017.2.11 自分の身に何が起ころうと世界は毎日動いている。それは分かっていても、実際に自分の身に辛いことが起きたときにそれを事実として受け入れるのはなかなか難しいもの。それでも、他人から見ればわからない辛さなんかを人はそれぞれ抱えていて、そうやってみんな毎日を生きてるんだと思う。タイトル通り答えはきっとシンプルで、でもそれに気付いて認めるのはなかなか大変なことなんだろうな。読み進めるのが苦しいような、でも登場人物の気持ちがわかる場面もあって。切なくてちょっと苦しい、でも人に優しくしたくなるそんな本だった。
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うつ病になってしまった政治家の元妻とピアノが弾けなくなったピアニストが世界一ありふれた答えを見つけるまでの話。『四月は少しつめたくて』よりは、こちらの方が読み易く思う。
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