神様のケーキを頬ばるまで の商品レビュー
どの編の主人公も決して華やかでも綺麗でもなく、非常に人間的で面白い。どの主人公も最後は悩みとかモヤモヤが少し晴れた感じでスッキリする。視野が広がった感じがする。
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等身大の悩みやひとの立ち直りを描いた短編小説。 これから立ち直っていきたいひと、希望の光がほしいと思ったひとにおすすめ。 自分自身がいまは落ち込んではなかったので感情移入しきれなかったために★を一つ減らしました。
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適度に人間くさい。誰もが心の中に抱えるエゴのようなものをしっかりと描き、そこから脱することを試みる主人公たちの姿に、心がギュッとなると同時に勇気ももらえる。
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「塔は崩れ、食事は止まず」がお気に入り。 主人公の暗くてひねくれた部分が私に似ている気がして、葛藤や付いた悪態一つ一つに共感してしまう。 ハッピーエンドです!とは言い難いけれど、澱んで沈みきった思考の持ち主だった大野が、日常の中の小さな幸福を見付け始めた事が嬉しかった。 それに...
「塔は崩れ、食事は止まず」がお気に入り。 主人公の暗くてひねくれた部分が私に似ている気がして、葛藤や付いた悪態一つ一つに共感してしまう。 ハッピーエンドです!とは言い難いけれど、澱んで沈みきった思考の持ち主だった大野が、日常の中の小さな幸福を見付け始めた事が嬉しかった。 それにしても、パンケーキ食べたくなっちゃったな。
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彩瀬まるさんの書く物語は 苦しい。 それは、目を逸らしたくなるような悲劇が描かれている訳ではない。家族、仕事、恋人…生きていれば誰もが1度は悩み苦しんだことがあるであろうこと。日々の生活の中でぶち当たる壁。5篇の短編の主人公の誰かには共感してしまうんじゃないだろうか。ただ、この主...
彩瀬まるさんの書く物語は 苦しい。 それは、目を逸らしたくなるような悲劇が描かれている訳ではない。家族、仕事、恋人…生きていれば誰もが1度は悩み苦しんだことがあるであろうこと。日々の生活の中でぶち当たる壁。5篇の短編の主人公の誰かには共感してしまうんじゃないだろうか。ただ、この主人公たちには共通していることがあると思う。それは みんな「真面目」だということ。きっとみんな生きることに不器用で几帳面で、自分の中にある「正しさ」があって他人も自分も許せない。自分で自分をがんじがらめにしている感じ。 今日のわたしは 生理痛と低気圧頭痛のダブルパンチでメンタルが弱くなっているんだ。「生きていると、一つ一つ、いとおしんできた夢が醒めていく。二人の子供はけして幸せそうではない。娘も、息子と同じくいつか私を嫌うのだろうか。」なんて一文に急に涙が込み上げてきそうになった。いや、うちの子 誰も反抗期なかっただろ。心の不調と体の不調って繋がってるよね。本の中でマッサージ師の主人公が、ガチガチに凝り固まった患者の体を丁寧に揉みほぐしながら「胃腸が弱ってるね。ちゃんと眠れてる?」ってツボを押してくれるシーン。体も心もジワーっとほぐれた患者がホロっと悩みもこぼしちゃうんだけど、めっちゃ気持ちよさそうなんだよなぁー。心身ともに揉みほぐされたい。 どの話の終わりも 奇跡的で感動的な出来事なんて起こらない。それでも「明日はちょっとだけ前向きに生きられそう」と思わせてくれるところがすき。 そしてこの本を読み終わったときに 誰もが思うであろうこと。 生クリームたっぷり乗ったおいしいおいしいパンケーキを頬ばりたいっ!!(*´﹃`*)
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同じ雑居ビルで働く人たちのそれぞれの人間模様を描いた5編の短編集。 シングルマザーのマッサージ師や、イタリアンカフェバーの店長や、IT企業に勤めるOLなど、ままならない人生に疲れ果て、恋に仕事にもがき苦しむ人たちが新たな一歩を踏み出す様子を、心の内側をとても細やかに表現されてい...
同じ雑居ビルで働く人たちのそれぞれの人間模様を描いた5編の短編集。 シングルマザーのマッサージ師や、イタリアンカフェバーの店長や、IT企業に勤めるOLなど、ままならない人生に疲れ果て、恋に仕事にもがき苦しむ人たちが新たな一歩を踏み出す様子を、心の内側をとても細やかに表現されていて、その苦しみが痛いほど伝わってくる。 重苦しいのになぜかどんどん読み進められて、彼らの立ち直り方が潔くてかっこいい。 それぞれの短編の締めくくり方もよかったけれど、最終章で、タイトルにある「神様のケーキ」という言葉の意味がちゃんと込められていたし、何かを失っても忘れられても、また新しく生まれ変われる、そんな希望を持たせてくれる終わり方が素晴らしかった。 綾瀬まるさんの作品は、いつも最後に驚かせてくれるし、優しい気持ちにさせてくれる。
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最初の「泥雪」を読んでありがちな大人の成長もの?と思ったけど、2話目以降からどんどん印象が変わった。 生きて働いて食べて寝て…と毎日懸命に生きている登場人物たち。抱えてる苦しみがあって、ジタバタしながら最終的には新しい道へ進もうとする訳だけど、彩瀬さんの描き方に寄るものなのか、...
最初の「泥雪」を読んでありがちな大人の成長もの?と思ったけど、2話目以降からどんどん印象が変わった。 生きて働いて食べて寝て…と毎日懸命に生きている登場人物たち。抱えてる苦しみがあって、ジタバタしながら最終的には新しい道へ進もうとする訳だけど、彩瀬さんの描き方に寄るものなのか、みんな小説の中の他人というより身近な人みたいで、彼らの人生の話を聞かせてもらえたような気がした。 それだからかみんなの葛藤一つ一つに不思議と共感できて、彼らに投げられた言葉が心に響いたりもした。 「どうでもいい奴にどう思われようと、関係ないだろう」 「ケンカ別れした人とも、もう一度新しく出会えるんだよ」 時間を置いて、またじっくり読みたい。
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救われるのかと思いきやなんか救われない話。 でも、最後の話は今の自分に重なって、言葉がなんか心にストンって入った。 救われないのがあまりにも現実に近い気がする。
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忘れるのも、忘れられるのも悪いことばかりじゃないと思う。 その人は、最後に別れた時からずっとおんなじ場所に立ってる、変化のないつまらない人だよ。 毎日がちょっと強くなれるような短編集 どうしようもないこともあるけど、苦しいことも乗り越えられそう
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重たい気持ちになるのに、前に前に読みたくなる文章でした 交差するのかなと思ったけど、そこまででもなく、小説だからと言って奇跡があるわけではなく ただただ現実に寄り添っている感じでした でも、それがとても良かったです
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