最終戦争/空族館 の商品レビュー
著者の第一短編集『最終戦争』が、単行本未収録作品と未発表作品を追加した豪華版で復刊。 久生十蘭を思わせるキレの良いべらんめえ調の文体が印象的な短編集だった。流石に登場人物の台詞や固有名詞には古さがあるが、今読むと新鮮でもある。思っていたより明るい作風だったのは意外だった。 また...
著者の第一短編集『最終戦争』が、単行本未収録作品と未発表作品を追加した豪華版で復刊。 久生十蘭を思わせるキレの良いべらんめえ調の文体が印象的な短編集だった。流石に登場人物の台詞や固有名詞には古さがあるが、今読むと新鮮でもある。思っていたより明るい作風だったのは意外だった。 また、短いながらも、オチで一気にひっくり返す構成は、上質なミステリ短編の匂いも感じる。 難を言うなら、『旧仮名』の場合はちゃんと漢字も旧字にして欲しいということぐらいだろうか……新しい文庫になると、旧仮名はそのままでも漢字が全部新字になるのは読みづらくてかなわん(余談だが新字になった泉鏡花や森鷗外は殆ど暗号レベルに読みづらい)。 そして、巻末解説で、創元SF文庫の企画はまだ続いていることを確認して安堵。もう4年? 5年ほど経つか? 創元の刊行予定にず〜っと載っていて、出ないまま消えてしまったので、企画自体がぽしゃったものとばかり……そうなると次は『創元のはいつ?』という話になるが、取り敢えず、出るのは決定しているようで良かったw
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