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夢みる葦笛 の商品レビュー

4.1

24件のお客様レビュー

  1. 5つ

    7

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2017/11/06

ひとつひとつの濃度が濃い。自分にとっての当たり前が何も分からなくなる。「滑車の地」「プテロス」が好き。

Posted byブクログ

2017/08/05

どの話も、一行目で世界にグッと引き込まれます。すごい。 ホラーとSFの短編集。 怖いのか苦手なこともあり、後ろから三作の、 『楽園』 『上海フランス租界チジロ三二○号』 『アステロイド・ツリーの彼方へ』 が好きでした。

Posted byブクログ

2023/04/09

短編集。SF。ホラー。 表題作、「完全なる脳髄」「滑車の地」「プテロス」の4作品は、傑作だと思っている「魚舟・獣舟」に劣らないインパクトがあった。 「滑車の地」の濃密な世界観は短編で終わらせるのが惜しい。 ポストヒューマンもの、特に生物系SFのジャンルでは、今現在、国内最高の作家...

短編集。SF。ホラー。 表題作、「完全なる脳髄」「滑車の地」「プテロス」の4作品は、傑作だと思っている「魚舟・獣舟」に劣らないインパクトがあった。 「滑車の地」の濃密な世界観は短編で終わらせるのが惜しい。 ポストヒューマンもの、特に生物系SFのジャンルでは、今現在、国内最高の作家ではないでしょうか。 「夢みる葦笛」 音楽。異形。著者お得意(?)の人間変容。 「眼神」 ホラー。伝記。呪術。ちょいボーイ・ミーツ・ガール。 「完全なる脳髄」 異形。合成人間の設定がエグイ。 「石繭」 ショートショート。幻想。 虚構と物語があれば何とか道を歩いていける。物語好きな人へ。 「氷波」 AI。宇宙開発用人工知性。なかなかロマンチック。 宇宙へ行くために、人間の身体を変える…著者らしい発想。 「滑車の地」 環境改変。地下都市。生体改造。この一冊の中でも世界観の設定が非常に濃い。長編にできそうな密度。 「プテロス」 とある惑星での未知生物の生態調査。著者の生物学的知識の豊富さを実感。表紙はこの作品を基にデザインされているはず。情景の美しさは一番。 「楽園(パラディスス)」 既読。人間の意識。機械による脳の改造。 「上海フランス租界祁斉路三二〇号」 「アステロイド・ツリーの彼方へ」 人工知性。”生命とは何か、知性とは何か。”本文のこの一文が、この作品をストレートに表現している。

Posted byブクログ

2017/06/21

夢見る葦笛、眼神、完全なる脳髄、石繭、氷波、滑車の地、プテロス、楽園(パラディスス)、上海フランス租界祁斉路三二〇号、アステロイド・ツリーの彼方へ。 一編一編の完成度がすごい。 「アステロイド・ツリーの彼方へ」だけ既読でした。 そうだなあ、「完全なる脳髄」、「滑車の地」、「楽園(...

夢見る葦笛、眼神、完全なる脳髄、石繭、氷波、滑車の地、プテロス、楽園(パラディスス)、上海フランス租界祁斉路三二〇号、アステロイド・ツリーの彼方へ。 一編一編の完成度がすごい。 「アステロイド・ツリーの彼方へ」だけ既読でした。 そうだなあ、「完全なる脳髄」、「滑車の地」、「楽園(パラディスス)」…「上海フランス租界祁斉路三二〇号」も好きだなあ。

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2017/04/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

華龍の宮シリーズで圧倒されたが、上田早夕里は短編でもすげえ。 10編収録の短編集だが、どれも捨て話(っていうのか?音楽アルバムなら捨て曲)なし、一つ一つ味わいが違ってどれもオモロい。この人どんだけ才能あるんやろ。 読み終わった後で、人ではないが人に近い存在との対話がテーマなのかなと思ったが、その存在の設定、存在がある世界観の構築、その世界だからこそ展開するストーリー、そして読者が(今はまだ)人間だからこそストンと腑に落ちる核心。全部そろってるねんな。10編ともに、かなりエエスペックで。 この短編集の中から「魚船・獣舟」みたいに長編に展開される作品もあるんだろうな、と予感させる(もう始まってるかもしれない)後味と余韻を引く10編。SFファンだけでなく、AIや人工知能の人格云々について興味のある方々等、広く読んでもらいたい良作だと思う。

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2017/04/14

「誰も見たことがない、驚異に満ちた世界がここにある」という帯の煽り文句に、これは苦手な話に違いないと思いつつも、タイトルの意味が気になったので読みました。予想は裏切られ、とても面白かったです!SFの短編10編なのですが、短編ごとに味わいが違って驚きました。一話ごとに宇宙やパラレル...

「誰も見たことがない、驚異に満ちた世界がここにある」という帯の煽り文句に、これは苦手な話に違いないと思いつつも、タイトルの意味が気になったので読みました。予想は裏切られ、とても面白かったです!SFの短編10編なのですが、短編ごとに味わいが違って驚きました。一話ごとに宇宙やパラレルワールド、近未来などいろんな世界に行けて楽しかったです!上田さんの他の作品も読んでみたいです。

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2017/04/03

短編集10編 人工知性体,依代,パラレルワールドなどそれぞれ味わいある世界観.どの短編も思いやりや愛や優しさをそっと忍ばせて,切なくなるような話が多く,ありえない世界がありえる現実として透明な雰囲気の中に存在していて美しい.

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2017/02/05

素晴らしいSF短編集。 『魚舟・獣舟』以来の傑作が現れてしまった。 表題作のどこか不気味で美しい物語から始まり、 一見SFか?と疑ってしまうような書き出しから始まる『眼神』や『上海フランス租界祁斉路320号』も非常に好み。得体の知れないものを相手にしているのに、どこか妖艶さすら...

素晴らしいSF短編集。 『魚舟・獣舟』以来の傑作が現れてしまった。 表題作のどこか不気味で美しい物語から始まり、 一見SFか?と疑ってしまうような書き出しから始まる『眼神』や『上海フランス租界祁斉路320号』も非常に好み。得体の知れないものを相手にしているのに、どこか妖艶さすら感じられる。 地球から遠く離れた衛星に配置された人工知性を描く『氷波』は、 タイトルからは想像もできないような暖かな読後感を残してくれる。 『滑車の地』の荒廃した地と地下都市という世界観が素晴らしく、 これは是非とも長編で読んでみたい!

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2017/01/23

"虚構と物語があれば何とか道を歩いていける" 今と異なるテクノロジーや世界観にいたら、人間はどうなるのか?という楽しい思考実験が味わえる。他の作品にも共通する好きなポイントとして、多様なジェンダーやセクシュアリティに対してフラットなところ。ちゃんとAセクシャル...

"虚構と物語があれば何とか道を歩いていける" 今と異なるテクノロジーや世界観にいたら、人間はどうなるのか?という楽しい思考実験が味わえる。他の作品にも共通する好きなポイントとして、多様なジェンダーやセクシュアリティに対してフラットなところ。ちゃんとAセクシャルまでカバーしてるのはさすが。

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2016/12/15

胸が震えるほど美しい装幀に惹かれ、購入の予定はなかったのにレジに持って行った書籍。 そして、予定していなかったのに何より大切な本になった。 筆者は「‘他‘と‘己‘との隔たり、分かり合うこと、尊重し合うこと」「人間とはなにか」「生きるとは」といった難解なテーマに対し、あたかもするっ...

胸が震えるほど美しい装幀に惹かれ、購入の予定はなかったのにレジに持って行った書籍。 そして、予定していなかったのに何より大切な本になった。 筆者は「‘他‘と‘己‘との隔たり、分かり合うこと、尊重し合うこと」「人間とはなにか」「生きるとは」といった難解なテーマに対し、あたかもするっと水に潜って何かとてつもない宝物を拾い上げてくる潜水士のようにアプローチする。 傑作揃いの短編集のなかでも 「氷波」 「滑車の地」 「プテロス」 「アステロイド・ツリーの彼方へ」 は特に圧巻。 SF好きには絶対に読んでもらいたい1冊。

Posted byブクログ