養老孟司の人生論 の商品レビュー
人間は昔から飯を食って生きてる。飯を食うことに「新しいこと」なんかない。それをいうなら、人間は昔から、生まれて、歳をとって、病気になって、死んでます。新しいことなんか、ないですよ。いつでも、どこでも、人間がすることだから。 それについてちゃんと考えることが「重要」なんです。
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自分でさえも、すがたも本質も常に流動的に変化するもので、一瞬たりとも同じではないという前提と どれだけ頭で考えても『本当にそうなるのかな』というのを実験したくなるという養老孟司さんのスタンスはとても共感できる。
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新しい本と思ったが、以前出ていたものの復刊らしい。 最初の方は、「死」のとらえ方など、 すでに読んだ感のある内容だったけど、 学生運動にまつわる話が出てきたあたりから、 いろいろ刺激を受けつつ読んだ。 「変わらないもの」「変わるもの」の言葉の意味合いが、 文章の中で入れ替わってい...
新しい本と思ったが、以前出ていたものの復刊らしい。 最初の方は、「死」のとらえ方など、 すでに読んだ感のある内容だったけど、 学生運動にまつわる話が出てきたあたりから、 いろいろ刺激を受けつつ読んだ。 「変わらないもの」「変わるもの」の言葉の意味合いが、 文章の中で入れ替わっていくのに注意しつつ読み進む。 変わっていくのは自分。時勢によって変わっていく社会。 その中で変わらないものを追求するのが学問。 学問は役に立つ、結果がすぐ出る、個人の業績に繋がる、 ようなものではない。 問題の根本を考え反省しないでいるから、 戦時中と同じことが学生紛争の中で亡霊のようによみがえる。 「原理主義」な頭の人が「この非常時に」と言い出す恐ろしさ。 この先も、同じことが別の局面で起こらないとは言えない。 対象を選ぶと間違うが、方法を選べば応用が効く。 頭で考えて意味がないと決めると何も動かなくなる。 動いてみないと覚えない、わからないことがたくんさんあるのに。
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※このレビューにはネタバレを含みます
著者のこれまでやってきたことを振り返りつつ、本質的には著者の価値観の形成に大きく影響したもの、そしてなぜそのような価値観が生まれたのかが書かれている。 哲学本ではないが、考えさせられることや、表現が理解しづらいところもあり、一度読んだだけでは全てを理解できないが、自分なりにも考えさせられる著書である。 ・「死」を特別扱いしているが、解剖学で常に「死体」をしていた著者からすると、「死」とは全ての人が必ず体験することであり、特別なことでも何でもないもの。 ・「死」とは何かと答えのないものを考え続けることに意味がある。「大賢は大愚に似たり」そっくりだが、有事になれば違いがハッキリする。 ・著者に大きな影響を与えたものは、母親、第二次世界大戦、大学紛争。これらを通して、自分が普通とは異なること、学問とは何かを考え続けてきたことから、自分の思想が出来上がった。 ・日本人だけは、「人」ではなく「人間」と書く。つまり世間の中で生きている。外国から見ると奇妙だが、この特性が世界に誇れる違いを生み出している。ただし、日本人は少数意見を好まず目立った発言をしないために、世界から誤解されている。 ・人生には無駄なことはない。住んでしまった苦労を無駄だと思うことほど、無駄なことはない。人生は考え方次第ということ。過去の自分の選択があって今の自分がある。 ・今の世界情勢や今後の経済動向などを考えるよりも、歴史の中で数えきれないほど同じようなことを人間は繰り返してきていて、そこには「変わらない」ことが含まれているはずだから、それを追求するのが学問である。 ・人は単純な回答を好む。疑問に対してキッパリと歯切れよく答えると格好いい。でもそれは、たいていが嘘である。そういう場合もあるが、ほとんどの場合、その回答で納得しているだけで、本当の答えでないと分かっている。本当の答えを考えるなら、努力、辛抱、根性が必要になる。
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養老孟司の考え方について、 死からさかのぼって、各世代に分けて書いた本。 正直難解で分かりにくいところもありましたが、 共同体の定義がある日本の良さや、 逆に共同体であるがゆえの煩わしさについて、 書いているようでした。 死ぬと死体は違うとか、 昨日の自分と今日の自分は同じでは...
養老孟司の考え方について、 死からさかのぼって、各世代に分けて書いた本。 正直難解で分かりにくいところもありましたが、 共同体の定義がある日本の良さや、 逆に共同体であるがゆえの煩わしさについて、 書いているようでした。 死ぬと死体は違うとか、 昨日の自分と今日の自分は同じではないとか、 独特の発想があって面白かった。 【勉強になったこと】 ・どんなに独創的なアイデアや仕事でも、他人が理解 出来ないのであれば、意味がない。 ・本質的とは、突き詰めれば「当たり前」のことである。 ・自分の生き方を根本的に肯定出来ないというのなら、 それは生きた意味が無いと言っているのと同じ。
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