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自閉症の僕が跳びはねる理由(1) の商品レビュー

4.5

142件のお客様レビュー

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2022/02/13

自閉症に対する認識がガラリと変わる。論理的な文章、比喩や詩的な表現、物語。「自閉症」だから書けない、そんな偏見がまったく無くなった。原始時代から現代にタイムスリップしてきたかのような感覚、というような表現に合点。すごく人間的で、なにか忘れていたことを思い出させてくれるような話だっ...

自閉症に対する認識がガラリと変わる。論理的な文章、比喩や詩的な表現、物語。「自閉症」だから書けない、そんな偏見がまったく無くなった。原始時代から現代にタイムスリップしてきたかのような感覚、というような表現に合点。すごく人間的で、なにか忘れていたことを思い出させてくれるような話だった。常に不安と戦う彼らを静かに見守りたい。

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2022/02/13

当事者である東田直樹さんの文章は、正直で丁寧。英訳して世界に広めるきっかけになった、ディビットさんにも感謝します。彼らの交流のドキュメンタリーDVDも買いました。本書とDVDは、周りの人に薦めまくってしまった。それくらい、目から鱗が落ちる、本です。

Posted byブクログ

2022/01/27

タイトルに惹かれて図書館で予約。 本の魅力って「自分の知らない世界を知れる」ことにあると思うけど、この本はその最たるものだと思った。 自閉症である筆者に向けた58の質問とその答え。 +短編小説と、あとがき、解説 で構成されてる。 まず失礼ながら、もの凄く論理的で分かりやすい文...

タイトルに惹かれて図書館で予約。 本の魅力って「自分の知らない世界を知れる」ことにあると思うけど、この本はその最たるものだと思った。 自閉症である筆者に向けた58の質問とその答え。 +短編小説と、あとがき、解説 で構成されてる。 まず失礼ながら、もの凄く論理的で分かりやすい文章であることに驚いた。 「思うことはあっても言葉が出てこない」 「いつまでも赤ちゃん扱いされたくない」 から分かるように、心の中は一緒なんだな。 世界がどんな風に見えているのか? なんでこういう行動をしてしまうのか? すっごく分かりやすいし読みやすい。 執筆当時13歳の筆者が、本当に真摯にまじめに1つ1つ真っ直ぐに質問に答えているのがよく分かるし、だからこそ心にスッと入ってくる文章だった。 小学校の頃は、同じ学校に特別支援学級があって 昼休みによく遊びに行ったりしていたけど、 大人になるとなかなか出会う機会がなくなってしまったな。 「僕たちが存在するおかげで、世の中の人たちが、この地球にとっての大切な何かを思い出してくれたら、僕たちは何となく嬉しいのです。」

Posted byブクログ

2021/10/27

執筆当時13歳の筆者は自閉症。人と会話が出来ない。声に出して本を読んだり歌ったりは出来るけど、人と話をしようとすると言葉が消えてしまう。しかし、訓練で、筆談は出来るようになった 本書は、そんな筆者が自分の思いを赤裸々に綴ったエッセイ 大きな声はなぜ出るのか どうして上手く会...

執筆当時13歳の筆者は自閉症。人と会話が出来ない。声に出して本を読んだり歌ったりは出来るけど、人と話をしようとすると言葉が消えてしまう。しかし、訓練で、筆談は出来るようになった 本書は、そんな筆者が自分の思いを赤裸々に綴ったエッセイ 大きな声はなぜ出るのか どうして上手く会話が出来ないのか 表情が乏しいのはどうしてか 自閉症の人を外から見たときの健常者との違いの何故について、筆者がその心の内を丁寧に解説してくれている すごい作品。驚きでした

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2021/10/17

会話ができない重度の自閉症である著者が13歳の時に書いた本。彼の頭の中で起きていることを説明した短いエッセイのような文章の積み重ねと、短編小説によって構成。 自閉症の人は電車やバスで見かけることはある。今までも、彼らは唸ったり叫んでいるけれど、それはアウトプットが制御できていな...

会話ができない重度の自閉症である著者が13歳の時に書いた本。彼の頭の中で起きていることを説明した短いエッセイのような文章の積み重ねと、短編小説によって構成。 自閉症の人は電車やバスで見かけることはある。今までも、彼らは唸ったり叫んでいるけれど、それはアウトプットが制御できていないだけで、彼らの頭の中には彼ら自身の理性や知性は普通に存在しているとは聞いていた。でも、自閉症の人自身が書いたこの本を読むと「そういうことね」と気がつく。 同時に、人はみなそれぞれ違うインプットやアウトプットデバイスを持っているという当たり前の事実に思い至る。自分自身は完璧ではないけれど、まわりのあの人やあの人の態度やコミュニケーションがズレていたり納得のいかないものだとしても、それはしょうがないんだとつくづく思った。 本書はアイルランドに住む自閉症の子を持つ作家であるデビッド・ミッチェルさん夫婦によって英語版に翻訳され英語圏でベストセラーとなり現在30ケ国語に訳されている。巻末のミッチェルさんの解説によると、東田直樹さんは現代日本の作家で村上春樹についで広く翻訳されている作家なのだという。

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2021/10/13

東田直樹「自閉症の僕が生きていく風景」「自閉症の僕が跳びはねる理由」「自閉症の僕が跳びはねる理由 続」https://naoki-higashida.jp/books/ 業務上必要で読んだ本。通常の形式で会話できない人をつい幼児扱いしがちなことを反省する。成熟した内面世界と知性...

東田直樹「自閉症の僕が生きていく風景」「自閉症の僕が跳びはねる理由」「自閉症の僕が跳びはねる理由 続」https://naoki-higashida.jp/books/ 業務上必要で読んだ本。通常の形式で会話できない人をつい幼児扱いしがちなことを反省する。成熟した内面世界と知性は表現されないだけでその人の中に存在している(おわり

Posted byブクログ

2021/10/07

偉大な本 この本を書いてくれて本当に感謝 マジョリティから外れた人を排除するか、ひとりの構成員として個性を発揮できるよう社会側の障害を取り払えるか、それがその社会の力であり人類の可能性であるといっそう強く思った

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2021/09/20

自閉症の著者が13歳の時に記した本。 ・大きな声はなぜ出るのですか? ・どうして目を見て話さないのですか? などといった58の質問に答える形で綴られている。 自分の気持ちを話すことが非常に困難な「僕」の中の、様々な思いがあふれ出るように真っ直ぐに伝わってくる。 これは自閉症の...

自閉症の著者が13歳の時に記した本。 ・大きな声はなぜ出るのですか? ・どうして目を見て話さないのですか? などといった58の質問に答える形で綴られている。 自分の気持ちを話すことが非常に困難な「僕」の中の、様々な思いがあふれ出るように真っ直ぐに伝わってくる。 これは自閉症の「僕」の作品で、それを理解するために大切なことがたくさん詰まっているが、それだけでなく、小さな子供、若者、障害を背負った人、働く人、高齢者、そして自分自身、誰にでもある思いをも含んでいると思う。 P23「本当の優しさというのは、相手の自尊心を傷つけないことだと思うのです」 P107「人にどれだけ否定されても、緑はぎゅっと僕たちの心を抱きしめてくれます」 購入して、何度も再読したい作品。

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2021/09/17

自閉症の症状や対応策は色々と勉強してきたけれど、その人の内なる苦しさ悲しさ、当事者の気持ちを本当に考えてきたのだろうかと反省させられ、何度も涙した。 見た目では何を考えているのか、どうして同じ行動を繰り返すのか、奇声を発するのか、理解するのが難しくて接し方に戸惑ってしまうけれど...

自閉症の症状や対応策は色々と勉強してきたけれど、その人の内なる苦しさ悲しさ、当事者の気持ちを本当に考えてきたのだろうかと反省させられ、何度も涙した。 見た目では何を考えているのか、どうして同じ行動を繰り返すのか、奇声を発するのか、理解するのが難しくて接し方に戸惑ってしまうけれど、こんなにも豊かな感情を持って、私たちと同じように感じたり考えたり悩んだりしているのだと知り驚いた。 自分の体なにの自分が自分でないような感覚に苦しみ、それを人に伝えられない辛さは計り知れない。 しかし、怖さ、不安の中で生きている彼らだからこその素晴らしいものの見え方もあるのだと思った。p.110『僕たちの緑は、自分の命と同じくらい大切なものなのです。なぜなら、緑を見ていると障害者の自分も、この地球に生きていて良いのだという気にさせてくれます。緑と一緒にいるだけで、体中から元気がわいてくるのです。人にどれだけ否定されても、緑はぎゅっと僕たちの心を抱きしめてくれます。』 このとても素敵な柔らかな感性に心揺さぶられた。 そしてp.140『僕は自閉症はきっと、文明の支配を受けずに、自然のまま生まれてきた人たちなのだと思うのです。これは僕の勝手な作り話ですが、人類は多くの命を殺し、地球を自分勝手に破壊してきました。人類自身がそのことに危険を感じ、自閉症の人たちをつくり出したのではないでしょうか。 僕たちは、人が持っている外見上のものは全て持っているにも関わらず、みんなとは何もかも違います。まるで、太古の昔からタイムスリップしてきたような人間なのです。 僕たちが存在するおかげで、世の中の人たちが、この地球にとっての大切な何かを思い出してくれたら、僕たちは何となく嬉しいのです。』という筆者の願い、思いにとても感動した。 【心に残った言葉】 30 話したいことは話せず、関係のない言葉は、どんどん勝手に口から出てしまうからです。 僕はそれが辛くて悲しくて、みんなが簡単に話しているのがうらやましくてしかたありませんでした。 34 僕らは全ての感覚器官を使って話を聞こうとするのです。 41 声をかける前に名前を呼んでもらつて、僕が気づいてから話しかけてもらえると助かります 57 まるで魂以外は別の人間の体のように、自分の思い通りにらならないのです。それは、みんなには想像できないほどの苦しみです。 いつもこの体を持て余まし、気持ちの折り合いの中でもがき苦しんでいるのです 67 飛んでいると自分の体の部分がよく分かるから気持ち良いことも跳び跳ねる理由のひとつ。体が悲しいことや嬉しいことに反応する。 自分に縛られ、他人に縛られ、僕たちは籠の中の鳥のように、思いっきり羽ばたきたいのです。 75 僕たちは、苦しさを、人にわかってもらうことができません。 苦しい心は自分の体の中にため込むしかなく、感覚はどんどんおかしくなってしまうような気がします。 81 見える物を受け取る力が違うような気がします。 物はすべて美しさを持っています。 僕たちは、その美しさを自分のことのように喜ぶことができるのです。 85 僕たちは怖いのです。自分がこの先どうなるのか、何をしでかすのか、心配で心配でしょうがないのです。 場面としての時間しか記憶に残らない僕たちには1秒も24時間もあまり違いはありません。 いつも次の一瞬、自分が何をしているのか、それが不安なのです。 106 長い文章が嫌なのではなく、読むだけの根気がないのです。すぐに疲れたり、何を書いているのか分からなくなったりするのです。 僕は色々なことを学んで、成長したいのです。 僕たちの勉強を手伝ってくれる人は、僕たち以上に忍耐力がいります。 119 マラソンや歩くことは体がすっきりします。 すっきりすると、自分の体の位置(重力を感じる)が自覚でき、落ち着けるような感じがします。

Posted byブクログ

2021/09/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

自閉症の人はとてつもない苦しみや恐怖の中で生きていることがわかった。楽しいこともあるが、周りの人が理解してくれないことが1番辛いのではないかと感じた。自閉症の人は複雑なことを考えられない訳ではなく伝えられないだけ。自閉症の人は昔(太古)からタイムスリップしてきたんじゃないかという文が印象的だった。最後に書かれている短編小説「側にいるから」は愛する人にそのことを伝えられない辛さを感じてもらいたいというのが筆者の考えだが、私は死ぬ(存在自体なくなってしまう)ことがこわいと感じているのであまりじっくり読めなかった。また、深く読めるようになったら読みたいと思った。自然がとても好きとあったが、私も星空や空を見ている時はとてもいいなあと思う。

Posted byブクログ