自閉症の僕が跳びはねる理由(1) の商品レビュー
この本は私にとって衝撃だった。 重度自閉症の人がこんなにも言語化力があって、自分の思いを表現できるとは思っていなかった。 会話を通したコミュニケーションが相手の能力の全てと思い込んで、相手を判断していた自分が恥ずかしくなった。 勉強になった点を備忘録としていくつか記載しておく ...
この本は私にとって衝撃だった。 重度自閉症の人がこんなにも言語化力があって、自分の思いを表現できるとは思っていなかった。 会話を通したコミュニケーションが相手の能力の全てと思い込んで、相手を判断していた自分が恥ずかしくなった。 勉強になった点を備忘録としていくつか記載しておく ・「はい」と思っていても、つい「いいえ」と言ってしまうことがある ・孤独が好きなのではなくて、人に迷惑をかけるのが怖くて辛いから避けているだけ ・おうむ返しをするのは、その言葉から具体的イメージをするため ・勉強したいと思っているのに、周りからは嫌いだと思われてしまう ・いつも遊ぶおもちゃで心が安定しているのは確かだけれど、それを心から楽しんでいるわけではない。 ・何かにこだわっている時、人に迷惑をかけて申し訳ない気持ちでいっぱい。でもやめられない。 ・視覚的スケジュールを見ると、その印象が強烈になりすぎて、その後の予定変更があった時にとても混乱する
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こっとんさんの、『わたしの心のなか』のレビューで、紹介されていた本書は、私にとって、とても得るものが多く、大切な気付きを促せてくれた、素晴らしい作品でした。 改めて、ありがとうございます。 私がまず驚いたのは、作者の「東田直樹」さんが、当時、13歳で執筆されていた事(自身で執筆...
こっとんさんの、『わたしの心のなか』のレビューで、紹介されていた本書は、私にとって、とても得るものが多く、大切な気付きを促せてくれた、素晴らしい作品でした。 改めて、ありがとうございます。 私がまず驚いたのは、作者の「東田直樹」さんが、当時、13歳で執筆されていた事(自身で執筆できないので、尚更、困難さが加わる)と、Q&A方式で構成された、内容の具体性です。 『僕たち』という表現は、当時の自閉症で悩む人達へ向けて、そうしたということですが、見方によっては、自分がどういう人間なのかを、自問自答しているようにも思われる、当時の閉鎖的な社会環境において、この何とかしたいんだという、彼の思いの強さに、とても心を打たれました。 そして、その心の声を聞いたことで、東田直樹さんって、こういう人なのだということが分かると共に、おそらく、自閉症の方々の、心の中の思いを知ることも出来たのではないかと、実感できた、この点が、とても素晴らしいと感じるのです。 例えば、 コントロール出来ない声は、反射的に出てしまう。 皆の記憶は線のように続いていくが、僕らの記憶は点の集まり。 答えようとするときに、言いたいことが頭の中から消えてしまう。 自分の体を自分のものだと、自覚したことがない。 などは、おそらく、普段の表向きの言動からは理解できない、心の声を教えてくれた気がして、このような、今日まで私が知らなかった、気付きを促せてくれる質問が、58もあるのだから、彼がどれだけの思いでいたのかを、推測できると思います。 それから、本書の「はじめに」の中に、『自閉症を個性と思ってもらえたら』とあるのですが、これについて、まさしく個性だと肯けることを、私なりに考えてみました。 例えば、本文の中にある、「僕たちは美しいものを見たり、楽しかったことを思い出したりしたとき、心からの笑顔が出ること」。 また、「人の批判をしたり、馬鹿にしたり、騙したりすることには笑えないこと」。 これらについて、「楽しいと思えることやおかしいことが、みんなとは違うのだと思うのです」とありますが、私からしたら、馬鹿にしたり、騙したりする話で笑わない人の方が、好感をもてますし、美しいものを見たとき、心からの笑顔が出るのは、誰もが持ちうる個性だと思います。 また、それに加えて、他のテーマでは、「自然を友達だと思う心を、僕はいつまでも大事にしたい」といった言葉もあって、そう思うのは私もだよ、なんて、つい言ってしまいそうな、親しみやすさを感じるとともに、東田さんの自然の表現も素晴らしく、少し掲載すると、 自然は、いつでも僕たちを優しく包んでくれます。 きらきらしたり、さわさわしたり、ぶくぶくしたり、さらさらします。 見ているだけで吸い込まれそうで、その瞬間、僕は自分の体が生まれる前の小さな分子になって、自然の中にとけていくような感覚に襲われます。とてもいい気持ちで、自分が人だということも、障害者だということも忘れてしまうのです。 上記の文章を見て、どこが病気なんだろうと思いませんか? 私はそれを読んで、ものの見方や感覚が、とても繊細で、どこか詩的な一面もある、それが彼の個性なのかなと思いました。 『自分を好きになれるのなら、普通でも自閉症でもどちらでもいい』 ただ、それでも、その理解できない感覚を理解することの難しさというのは、あると思います。 それが、おそらく上記の言葉にも表れているとは思いますが、よくよく見てみると、自分を好きになれれば自閉症でもいいと思える、彼の気持ちの中には、自閉症をどうするかというよりも、彼自身の心の喜びを満たすためには、どうすべきかというのが、最も大切なことのように感じられ、彼自身の創った、「ショートストーリー」や、「ちょっと言わせて」で感じられた、メッセージも素晴らしく、私が見習うべき点は、たくさんありました。 今では本書も、28か国で翻訳されているそうで、彼の、その心の中の思いは、世界各国へと届き、きっと、多くの自閉症の方々の支えになっていることでしょう。 『ホント、僕らの言葉はミラクルだね』
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※このレビューにはネタバレを含みます
自閉症の方が書いていることに衝撃を受けました。 私は何も分かっていなかったと反省することも多かったし、そういうことだったのか!と不思議な行動の訳に納得することもありました。 「小さい子に言うような言葉使いの方が分かりやすいですか?」 →年齢相応の態度で接して欲しいのです。 赤ちゃん扱いされる度に、みじめな気持ちになり、僕たちには永遠に未来は訪れないような気がします。 本当の優しさというのは、相手の自尊心を傷つけないことだと思うのです。 「自閉症の人は普通の人になりたいですか?」 →僕たちは、自閉症でいることが普通なので、普通がどんなものか本当は分かっていません。 自分を好きになれるのなら、普通でも自閉症でもどちらでもいいのです。 などなど、心に残るものが沢山ありました。
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自閉症の当事者が書いた自身についての本。 衝撃だった。 言語聴覚士という、自閉症とも関わりの深い仕事をしている父の関係で、 小さい頃から自閉症の人たちと関わる機会もあった私だが、 何にも分かっていなかった、と思った。 こんなにも「論理的に書く」ことは、 健常者であってもなかな...
自閉症の当事者が書いた自身についての本。 衝撃だった。 言語聴覚士という、自閉症とも関わりの深い仕事をしている父の関係で、 小さい頃から自閉症の人たちと関わる機会もあった私だが、 何にも分かっていなかった、と思った。 こんなにも「論理的に書く」ことは、 健常者であってもなかなかできるものではない。 彼らの行動の理由や、考えていることがとても良く伝わってきた。 親御さんの努力も大きかったのだと思う。 本当に素晴らしい。 この本が、もっともっと多くの人に届くことを願う。 著者の他の本を読んだり、講演を聴きに行ったりもしてみたい。
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著者のおかげで、自閉症の人たちの行動の一つ一つに説明がついて、腑に落ちました。 自分の物差しで、人を計っちゃいけないんだな。 何でも決めつけちゃいけない。 こういうことだったのか、こんなことを考えていたのだな、と彼らの行動と気持ちを知ってびっくりしました。 想いが伝わらな...
著者のおかげで、自閉症の人たちの行動の一つ一つに説明がついて、腑に落ちました。 自分の物差しで、人を計っちゃいけないんだな。 何でも決めつけちゃいけない。 こういうことだったのか、こんなことを考えていたのだな、と彼らの行動と気持ちを知ってびっくりしました。 想いが伝わらない、自分の行動に説明がつかないことで、世の中で本当に生きにくいのだろうな、と切なくなりました。 でも、彼がこの本を出してくれたおかげで、すべての自閉症の人には当てはまらないかも知れないけれど、自閉症への理解の第1歩にはなったと思います。 もし、周りに自閉症の方がいる方は(そうでない方も)是非、一度読んでほしいと思いました。
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3年前に読んだ時は自閉症の方の行動はマズローの欲求5段階説で考えるべき?という感想を持ってたみたい。栞のメモに書いてあった。確かにそうかもしれないけど,誰にとってもそうだよね。 その誰にとっても,というのが大事なのかな。一人一人ちょっとした違いはあれだけど基本的なことは変わらな...
3年前に読んだ時は自閉症の方の行動はマズローの欲求5段階説で考えるべき?という感想を持ってたみたい。栞のメモに書いてあった。確かにそうかもしれないけど,誰にとってもそうだよね。 その誰にとっても,というのが大事なのかな。一人一人ちょっとした違いはあれだけど基本的なことは変わらない。特に感情とかは。と思った。東田さん自身もそれを何度も訴えていたし。 ただ,自閉症の特性として記憶が線でなく点ということに関しては配慮が必要なのかな?それによる弊害が結構多そう。 1番心に残ったのは 「自分を好きになれるのなら,普通でも自閉症でもどちらでもいいのです。」 多くの人が難しいと感じてるだろうけど,本当にそうだよな。自分を好きになるって大事。
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今まで自閉症をテーマにしたマンガやニュースを目にしてきたけど、当事者の声を聞いたのは初めてで衝撃を受けた。今まで自閉症の方にとってよいと思っていたことが、実はそうではないと東田さんは感じていたり、目に見えることが真実ではないと知った。こんなにも素直で心に響く言葉の数々。これを13...
今まで自閉症をテーマにしたマンガやニュースを目にしてきたけど、当事者の声を聞いたのは初めてで衝撃を受けた。今まで自閉症の方にとってよいと思っていたことが、実はそうではないと東田さんは感じていたり、目に見えることが真実ではないと知った。こんなにも素直で心に響く言葉の数々。これを13歳当時に書いたと思えない程素敵だった。
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2022/03/24 自分の特性や得意不得意なこと、困りごとや好きなことを自分の言葉で語ろうとしているのが伝わるし、見えてる世界が違うんだなと思ったし、それをちゃんと認識して言葉で捉えてるのがすごいなと思った。 編集の方針なのかもしれないが純粋性を強調しすぎな感じもなくはなかっ...
2022/03/24 自分の特性や得意不得意なこと、困りごとや好きなことを自分の言葉で語ろうとしているのが伝わるし、見えてる世界が違うんだなと思ったし、それをちゃんと認識して言葉で捉えてるのがすごいなと思った。 編集の方針なのかもしれないが純粋性を強調しすぎな感じもなくはなかった。
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感性が違う 自分をコントロールできない 声に出して会話をすることはできなくても文字盤を使ってコミュニュケーションを取ることができる。言葉にして、本にして、すごいなぁ。
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何も考えず行動している訳でなく、理由があって行動している。会話ができなくても、文字盤を示して文章も作れる。驚きだ。 身近に東田さんと同じように会話ができない重度の自閉症の人がいる。この本を参考にして、自閉症を理解して、接していきたい。
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