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脳が壊れた の商品レビュー

4.1

93件のお客様レビュー

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2024/12/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「されど愛しきお妻様」他最近著作を続けて読む機会があり興味を持ち手に取り。 様々な困難のために社会の中で生き難い人たちを取材し本にしてきた著者が、まさに当事者となって体験したことで新たに得た視点が出色。 「そういうことだったのか」を苦心して言語化して何とか周囲に、読者に理解してもらおうとする姿勢に頭が下がります。 はっとさせられることばも散見されました。 「病名をつけなければ身動きがとれない。ゆえに最も見過ごされがちなボーダーラインの障害者には一層支援の手が届きそうにない(趣旨の要約です)」 「大きすぎる感情は言語化できない」「頼れる相手や頼るべき相手と頼りたい相手とは別物」 「一番身近な人が一番頼りたい相手かというとそうでもない」 「してほしいことある?と聞かずに一方的にやってくれることが、ようやく助けての声を絞り出すためのプロセスになる」 言われてみれば確かにと思うことだらけでした。そういうことを言いたかったけどどう表現し誰に伝えていいのかということに迷って結局誰にも何も言えなかったということがあったなと昔を思い出しました。 自分にも障害者の身内がいますが、もしかすると言葉に出来ない様々な思いによって大きく屈託してしまったために行動がうまく出来なくなって一般社会で生き難くなってしまったのかもしれないと思い当たる出来事も多々ありました。 当時はただ「面倒かけやがって」的な怒りしかなかったけれども(自分も若かったし自分の人生だけで精一杯と言い訳かもですが)、辛かったり苦しかったりの経験をし人生をある程度生きてきた今から観ると「あの人は自分の想像を超えた言語化できない程の辛さや苦しさをあの時持っていたのかもしれない」と思い至ることが出来るようになりました。遅きに失しているかもしれませんが、本書は今から寄り添えることはないか考えるきっかけになりました。よくぞ言語化してくれました。 著者にしてみると色々と必死だった(生活を立て直したり、収入を得なくてはということも含め)ということなのかもしれませんが。 それにしても著者のお妻様への愛がハンパない。お妻様も夫様を大切に思っているのがきちんと伝わります。 言葉は荒々しい?時もあるけど気持ちは伝わるんだなぁと、至らないからこそ愛おしいということもあるのかなぁなどと思いました。割れ鍋に綴じ蓋、という言葉を思い浮かべながらお二人のやりとりのパートは読みましたが、お互いがお互いの割れ鍋に綴じ蓋になってるカップルだと思いました。(最高に褒めてます)

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2024/11/02

脳梗塞後の高次脳障害、当事者が言語化し類する脳機能の障害、特性がある人の状態を代弁してくれた。完全な理解は難しいが、想像力を働かせてその人がして欲しいことを探りたい。

Posted byブクログ

2024/04/07

突然の脳梗塞。命は取り留めたが、外からは見えない障害。当事者が語る。 高次脳機能障害とは、脳卒中などで脳の一部を損傷し、思考・記憶・行為・言語・注意などの脳機能の一部に障害が起きた状態をいう。著者は、発話や行為に一部不自由が生じたようだが、これが周りからは分かりにくい。例えば、...

突然の脳梗塞。命は取り留めたが、外からは見えない障害。当事者が語る。 高次脳機能障害とは、脳卒中などで脳の一部を損傷し、思考・記憶・行為・言語・注意などの脳機能の一部に障害が起きた状態をいう。著者は、発話や行為に一部不自由が生じたようだが、これが周りからは分かりにくい。例えば、半側空間無視なんて知らなかったが、どちらか左右の空間を認知出来ず、極端に言えば左半分もしくは右半分の空間がなくなってしまっている状態。著者は、片側に何か嫌なものがいる感覚と語る。 脳梗塞後には、感情のコントロールができなくなる「感情失禁」になる事も。穏やかだった人が急に怒り出すなど。著者もこの状態に時々陥る。 大変な事だが、本職ライター。面白おかしく、読みやすく。何よりほのぼのとした気持ちになるのは文面からも伝わる夫婦仲、奥様愛。発達障害で日常生活も一見無茶苦茶に見える奥さん。でも、そこをお互いのできる事で補い合う魅力的な夫婦。 脳梗塞後のリアルとそれを抱えながらの仲睦まじき?夫婦生活。本著の魅力は大きくこの二点。他人事ではないです。どちらも。

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2023/07/24

養老チョイスから。文筆家が脳障害の当事者になる。性状や程度によっては、復帰困難のレベルまでダメージを受けた可能性もあろうけど、著者はそれは回避できた。もちろんリハビリの成果も多々あろうけど、運の要素もかなり大きい。さておき、内容は何といっても、当事者がどうやって能力を回復させてい...

養老チョイスから。文筆家が脳障害の当事者になる。性状や程度によっては、復帰困難のレベルまでダメージを受けた可能性もあろうけど、著者はそれは回避できた。もちろんリハビリの成果も多々あろうけど、運の要素もかなり大きい。さておき、内容は何といっても、当事者がどうやって能力を回復させていくのか、その詳細が分かりやすく書かれていること。あと本筋からは外れるけど、本書の最後らへんでチラッと登場する父親が、かのネトウヨ新書で語り直された訳ですね。なるほど。

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2023/05/26

高次脳機能障害の当事者研究でここまで詳細な記録ははじめて読みました。 専門職なら必読書としていいのではないかと思えるほどに示唆に富んだ内容でした。

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2022/12/15

脳出血で後遺症が残り、見た目は普通なのだが内面的にはいろいろな障害が残った状態になった作者の、発症・回復・リハビリの過程と現在の困っていることなどを書いたセルフドキュメンタリー。脳の機能不全という観点では、脳で何か病気があった人ばかりではなく、もともと脳の個性として不全を抱えてい...

脳出血で後遺症が残り、見た目は普通なのだが内面的にはいろいろな障害が残った状態になった作者の、発症・回復・リハビリの過程と現在の困っていることなどを書いたセルフドキュメンタリー。脳の機能不全という観点では、脳で何か病気があった人ばかりではなく、もともと脳の個性として不全を抱えているような人の行動を理解するための示唆に富んでいる。みんながみんな、自分のように感じられたりするわけではないし、行動できるわけでもない。とても実感を持ってそのことが感じられる。

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2022/11/01

倒れた後のこととか、心身の不具合など、本当に細やかに噛み砕いて書いてくださってて、とても参考になりました。 これまで取材であった人たちのうまくいかなさも、比べて書いてある内容も、当事者ならではの視点で、新しく、すごくよかったです。

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2022/10/04

読了。脳梗塞の後遺症で高次脳機能障害を負ったことを「僥倖」と捉えられる著者の精神力に驚いた。もしも自分だったら、そんな風には到底思えない。 YouTubeの「障害とパートナーシップ会議」をたまたま見て、なぜそんなにも大介さんが自身の「加害」とか「モラハラ」について繰り返し言及する...

読了。脳梗塞の後遺症で高次脳機能障害を負ったことを「僥倖」と捉えられる著者の精神力に驚いた。もしも自分だったら、そんな風には到底思えない。 YouTubeの「障害とパートナーシップ会議」をたまたま見て、なぜそんなにも大介さんが自身の「加害」とか「モラハラ」について繰り返し言及するのかと疑問だった。だって、発達障害の当事者として見ても、大介さんのおかげでお妻様は生き延びてこられたんじゃないかと感じたから。 けれど、本書を読み進めるうちに、大介さんの異常なほどのマイルール狂なところや、ワーカホリック、過度の節約が、自身が「性格習慣病」と名付けたように、病気を引き寄せてしまうほど度を超えたものであり、生活を共にする者から見たら「モラハラ」と非難されても仕方ない域なのかもしれないと理解できた。 病前の、お互いがお互いの欠点を引き出してしまっている関係。というか、本来強みである部分も、使い過ぎたり全く発揮できないと短所になるという、ポジティブ心理学のVIA診断の「性格の強み」にも通ずるお話だと思った。 病気になるほどのストレスとか、無理の積み重ね…。そのおかけで分かり合えたけれど、2人とも死んでてもおかしくなかったわけで。そんな怒涛の展開はできれば避けたい。日々のたゆまぬチューニングで、良好な関係を作っていけないだろうか。 私自身、不得意なことが多くて生活の中で夫に色々と背負わせ過ぎてる気がする。夫に大介さんのような過度なストレスを与えたくない。一方で、自分の役割をどんどん手離してここまできて、無力感に苛まれることがよくある。夫に病気になってほしくない。私も、度重なる希死念慮とさよならしたい。どうしたら良いんだろう。とても考えさせられた一冊。読んで良かった。

Posted byブクログ

2022/02/05

脳梗塞の後遺症である高次脳機能障害についてここまでうまく言語化しているのはすごい。 医者が読んでも勉強になるんじゃないかってくらい。 認知症や発達障害も脳の機能が一部壊れるので似ているところがある。 認知症について勉強したくて読んだ1冊。

Posted byブクログ

2021/10/30

★★★ 今月7冊目 ルポライターが41歳で脳梗塞に。 かなり回復するも見た目ではわからない高次脳機能障害に悩む。 が、優しくなれて7割は病気になって良かったと、、

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