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戦地の図書館 の商品レビュー

4.2

36件のお客様レビュー

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2023/04/30

図書館の日関連のツイートでタイトルが流れてきて、ブクログの本棚チェックしたら案の定積ん読になっていた…あるということはわかったので発掘せねば(2023.4.30)。

Posted byブクログ

2020/03/03

“いかなる人間もいかなる力も、思想を強制収容所に閉じ込めることはできない。いかなる人間もいかなる力も、あらゆる圧政に対する人間の果てしなき戦いとともにある本を、この世から抹殺できない。”(p.77)

Posted byブクログ

2020/01/30

ヒトラ-の『我が闘争』が、高い教養をもつ国民を“焚書”へと向かわせ、人の心を自由にする偉大な本を灰にした。欧州は戦場だけでなく、国家が信奉する思想も攻撃にさらされていた。思想戦における最強の武器と防具は書物であるとし、アメリカは戦時図書審議会のもとで「兵隊文庫」を創設した。本土か...

ヒトラ-の『我が闘争』が、高い教養をもつ国民を“焚書”へと向かわせ、人の心を自由にする偉大な本を灰にした。欧州は戦場だけでなく、国家が信奉する思想も攻撃にさらされていた。思想戦における最強の武器と防具は書物であるとし、アメリカは戦時図書審議会のもとで「兵隊文庫」を創設した。本土から何千マイルも離れた前線の兵士のもとへ書籍や雑誌が届けられた。緊張感に晒された兵士たちは、故郷からの手紙と現実から逃れる唯一の気晴らしとなる“ペ-パ-バック”を大切に持ち歩いていた。届けられた本は1億4千万冊にのぼるという。

Posted byブクログ

2020/01/02

第二次大戦で兵士達の精神的支えになった本の話。アメリカでは第二次大戦で出征する兵士が増えると共に、戦場に古本を届けようという市民活動が盛り上がる。その後、戦場での利便性を考慮し、コンパクトで簡単にポケットに入り、どこでも読める専用の本が供給されるようになる。本の供給にあたっては、...

第二次大戦で兵士達の精神的支えになった本の話。アメリカでは第二次大戦で出征する兵士が増えると共に、戦場に古本を届けようという市民活動が盛り上がる。その後、戦場での利便性を考慮し、コンパクトで簡単にポケットに入り、どこでも読める専用の本が供給されるようになる。本の供給にあたっては、有害図書を排除する等の選定基準が設けられ、厳しい状況下にある兵士達の精神に与える影響が考慮された。戦場での本の供給は、兵士達のリテラシーの向上をもたらし、戦後の復興において彼らの能力が社会に貢献するようになる。 因みに米軍の兵士達は戦争の機密管理上、日記を書くことが許されていなかった。一方、日本軍兵士は日記を書くことを奨励されていた。米軍兵士は戦闘の合間に本を読んでリラックスし、本が読めない日本軍兵士は自分を振り返り反省する。読書という娯楽一つを取っても、両軍の姿勢には大きな違いがあったようだ。

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2019/11/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

フォロワーの方々のレビューを拝見して知った本です。 ありがとうございます。 先日、門井慶喜さんの『定価のない本』という戦後の日本の古本屋街の人たちの小説を拝読しました。ネタバレになりますが、その作品はフィクションではありますが、戦後、アメリカのGHQにより日本の古い歴史上重要な本をアメリカが全部買いとって、日本の歴史を奪おうとしたというような事件が描かれていました。 それで、アメリカの思想というか、戦時中にやっていたことを知りたくなり、図書館からずっと借りっぱなしだった、この本をやっと、手に取りました。 P97より 「この戦争の現時点での最強の武器は飛行機でも爆弾でも凄まじい破壊力を持つ戦車でもないー『我が闘争』である。この一冊の本が高い教養を備えた国民を焚書へと向かわせ、人の心を自由にしてくれる偉大な本を灰にした。アメリカが勝利と世界平和を目指すなら私たち一人ひとりが、敵よりも多くのことを知り、敵よりも深く考えなければならない。この戦争には本が必要である。本は私たちの武器である」 P135より 「軍は兵隊文庫を極めて重視していたのだ。兵士が何より欲しかったものは兵隊文庫だった。兵士には気晴らしがどうしても必要だった。多くの兵士にとって読書が唯一の気晴らしだった」 そして訳者あとがきにもよりますと、ヒトラーは無類の読書家だったからこそ本の力をよく知っており、一億冊もの本を燃やしたのではないか、そしてアメリカの図書館員もまた、本の力を知っていた。だからこそ、一億四千万冊もの本を戦場へ送ったのであると結んでおられます。 これは、簡単に言うと、イソップ童話の『北風と太陽』のような話だと思いました。 そして、先の話に戻るのですが、その本の力を知っているアメリカが戦後、日本から歴史の本をすべて取り上げようとしたという話は本当なのかと思いました。 それ程、日本は酷いことを戦争でやってきたのか。日本人としては大変悲しく思います。 日本史、特に近代史は高校の授業で時間が足りなくて、あまり深く学んできていないので、是非もう一度、日本のしたことや、当時の世界の情勢を学び直してみたいと思いました。

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2019/09/29

本書は第二次世界大戦のドイツ、ミュンヘンにおいて、ナチスの命令により、彼らの政治思想に合わない、もしくは”退廃的”とされた書物が燃やされるシーンから始まる。そうしたナチスの蛮行へのアンチテーゼとして、書物の力を信じたアメリカでは、世界各国へと散らばった兵士たちに、軽くて頑丈な専用...

本書は第二次世界大戦のドイツ、ミュンヘンにおいて、ナチスの命令により、彼らの政治思想に合わない、もしくは”退廃的”とされた書物が燃やされるシーンから始まる。そうしたナチスの蛮行へのアンチテーゼとして、書物の力を信じたアメリカでは、世界各国へと散らばった兵士たちに、軽くて頑丈な専用のペーパーバックを発行した。戦地での息抜きとして、このペーパーブックは大変愛好され、延べ1.4億冊が戦地へと送られたという。 本書はこうしたアメリカの戦地向けペーパーバック”兵隊文庫”がどのように誕生し、兵士たちがどのように読んでいたのかという事実をまとめたノンフィクションである。本書を読むまで、こうした取り組みの存在は全く知らなかったが、書籍の力を信じて、”兵隊文庫”を作成し続けたアメリカの図書館員たちの奮闘には心が揺さぶられる。 そして、歴史上、重要なのはそれまで書籍を読むという経験をしたことがなかった兵士たちが、戦地で優れた書籍をむさぼるように読むことで、彼らの基礎学力が押し上げられ、結果として復員後の市民生活においてもプラスの役割を果たしたという点である。 書籍をテーマにした戦争の歴史として、非常に面白い一冊。

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2019/09/26

第二次世界大戦中に兵士の娯楽・士気の低下防止のために国策として作られた米軍の「兵隊文庫」についての本。ヒトラーが仕掛けた焚書などの思想戦に対して、アメリカは文化を末端まで行き渡らせたというのが対照的なのです。戦争を「文化・娯楽・読書」という切り口で描くのは面白い視点だと思うのです...

第二次世界大戦中に兵士の娯楽・士気の低下防止のために国策として作られた米軍の「兵隊文庫」についての本。ヒトラーが仕掛けた焚書などの思想戦に対して、アメリカは文化を末端まで行き渡らせたというのが対照的なのです。戦争を「文化・娯楽・読書」という切り口で描くのは面白い視点だと思うのです。 続きはこちら↓ https://flying-bookjunkie.blogspot.com/2019/09/blog-post_26.html Amazon↓ https://amzn.to/2ljeBeB

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2019/09/25

後半だれて、読むのに時間がかかってしまった。 内容は、面白かった。 物語の必要性を感じるのと、 図書を通じたプロパガンダの怖さも同時にあった。

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2019/09/08

当時スマホも携帯もない時期だから本は娯楽の中心だった。第二次世界大戦はプロパガンダ合戦でもあったのかと思った。本の果たした役割は大きいと思うけど終始本をゴリ押ししててちょっと疲れたな。ブルックリン横丁読んでみよう。

Posted byブクログ

2019/09/06

非常に興味深い内容だった。 「危険な読書」で荒俣宏さんが「ぶっ飛んだ」と言っていた本。 ナチス・ドイツは、焚書により思想統制をおこなった。それに対して、アメリカは「本こそが思想戦の武器である」として、兵士のために無料で「兵隊文庫」として本を送った。娯楽が少ない戦場で非常に人気が...

非常に興味深い内容だった。 「危険な読書」で荒俣宏さんが「ぶっ飛んだ」と言っていた本。 ナチス・ドイツは、焚書により思想統制をおこなった。それに対して、アメリカは「本こそが思想戦の武器である」として、兵士のために無料で「兵隊文庫」として本を送った。娯楽が少ない戦場で非常に人気があったという 。 兵士は、人を殺す訓練を受け、残虐行為を目の当たりにする生活の中、兵隊文庫を読むことで、まだ人間なのだ、と思うことができた。 読書は、凝り固まった脳を揉み解し、ストレスをどこか遠くへ投げ去ってくれる。そして再び困難を乗り越える勇気を与えてくれる。確かに、兵士にとってすごい武器だ。 アメリカという国の強さの理由が垣間見えた気がした。 「夏空白花」を読んだ直後だけに、なおさら感じた。 兵隊文庫は、戦時の紙の供給制限もあり、ポケットに入れられるくらい小さなペーパーバック版になった。持ち歩けていつでも読めることは武器としてとても重要だった。厚くて重いハードカバーは文庫本と違って、どうしても積読本になってしまう率が高いもの。 (まあ、「罪と罰」みたいに中身が厚くて重い本は、文庫本であってもなかなか読み進まないものではあるけれども…) ところで、フィッツジェラルドの「グレート・ギャツビー」は発売当初は失敗作とみなされていたが、兵隊文庫として改めて出版されて兵士の心をつかんだ。その評判が本土の人たちに伝わって広く読まれるようになり、アメリカを代表する文学作品になったのだという。

Posted byブクログ