違和感の正体 の商品レビュー
「躊躇い」と「躓き」。 様々な知識人を取り上げ、その言動の解説が冷静かつ秀逸だと思います。 「どれだけ正しく見えても、簡単に信じないようにするにはどうすればよいか」(P157)、「自分の想像力と実際とはどれくらい違うか」(P189)、吉本隆明の言葉に、物事の本質を追及する深みを感...
「躊躇い」と「躓き」。 様々な知識人を取り上げ、その言動の解説が冷静かつ秀逸だと思います。 「どれだけ正しく見えても、簡単に信じないようにするにはどうすればよいか」(P157)、「自分の想像力と実際とはどれくらい違うか」(P189)、吉本隆明の言葉に、物事の本質を追及する深みを感じました。
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「ものさし不在」と「処方箋を焦る社会」という2つのキーワードで現代社会を理解するという切り口は悪くないと思うのだが、著者独特の文体が非常に読み難くて分かり難い。結果、何がいいたいのかよくわからない。もうちょっとスッキリ書けないのだろうか。
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マイノリティーが"差別撲滅"等のイデオロギーを振りかざすのは自意識過剰の表れである。 マイノリティーならマイノリティーであることの誇りを持つこと。
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新書だから気楽に読めるかな、と思ったけど、3回読んでようやく大まかな内容が理解できた。 この本をなぜ読もうと思ったかは言うまでもない。安保法制をめぐる国会前のデモや、沖縄の基地移転をめぐる知事の発言、在特会などのヘイトスピーチ、いじめ自殺やモンスターペアレンツによる教育現...
新書だから気楽に読めるかな、と思ったけど、3回読んでようやく大まかな内容が理解できた。 この本をなぜ読もうと思ったかは言うまでもない。安保法制をめぐる国会前のデモや、沖縄の基地移転をめぐる知事の発言、在特会などのヘイトスピーチ、いじめ自殺やモンスターペアレンツによる教育現場の疲弊。報道に接していて常々思っていたことは、なんでそんなに簡単にレッテルを貼って、事を単純にしようとするんだ、ということ。 これらの事象を読み解くカギとして著者はふたつのキーワードをあげる。ひとつは「ものさしの不在」もうひとつは「処方箋を煽る社会」 「ものさしの不在」というのは、以前は信頼するに足る権威や情報というものがあったが、いまはその信頼性が大きく揺らいでいるため、自分自身でなにが正しいのかということを考えなくてはいけない、ということ。 昔は先生のいうことを聞いていれば良かった。マスコミの情報は的確だった。経済は右肩上がりで、真面目に働いていれば生活に困らなかった。それらが現在は頼りない、神話となってしまった。 「処方箋を煽る社会」というのは、上記のような病理を治す特効薬を望む人が多くなったということ。そんなに簡単に解決策があるわけではないし、あったとしても時間がかかるものなのに、即効即決を望む。そうなると耳当たりのいい極論に飛びつく人も出てくる。(トランプ現象なんてその顕著な例かもしれない) 個人的に最近の報道で感じた違和感は沖縄だ。 軍属の男が女性を殺した事件だが、すぐに米軍出ていけの集会になって、辺野古反対になって、知事はその論陣の先頭に立った。被害女性の死を悼むのそっちのけにして、事件を政治利用してないか? 構図的には戦争で死んだ兵士を戦争の英雄に祭り上げて自軍を鼓舞するのと一緒だじゃないのか。(※著者は上記のようなことは言ってません) たぶんこんな意見を有名人がSNSで拡散したら炎上する。罵詈雑言が飛び交うことだろう。沖縄の心がわからない奴は死ね!とか。 実はこんな言葉をすぐに吐ける人が「違和感」をつくりだしている人で、「正体」だ。本書を読めばその意味が汲み取れるだろう。
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☆2 最近世間でいろんな場面で語られる「正義」や「ただしさ」に関する「違和感」がどこから来ているのかという主題について,過去の思想家の試作や作品を元に考察されています。 書き出しにおいて,基準となる「ものさしの不在」となっていること,そして答えを早期に求める「処方せんを焦る...
☆2 最近世間でいろんな場面で語られる「正義」や「ただしさ」に関する「違和感」がどこから来ているのかという主題について,過去の思想家の試作や作品を元に考察されています。 書き出しにおいて,基準となる「ものさしの不在」となっていること,そして答えを早期に求める「処方せんを焦る社会」というのは,至近の多数の課題に対するマスコミや世間の動きを見ていると,なるほどとは思ったのですが,そこから後の論の展開は,あまり腑に落ちるところがありませんでした。 ところどころ,「こういう話も切り口によってはわかる」と思うようなところもあるのですが,それは一部で,その後の論の展開には,あまり納得することができませんでした。新書で扱うにはテーマが大きく,あれこれ幅広く語れているからかもしれません。 冒頭の考え方の基準となる「ものさしが不在」であることと,そこから答えを急ぐ傾向というのは,もっともな指摘だと思います。そのような世の中でも,自分なりの基準をきっちりと持ち,判断できるようにするためには,情報をきちんと仕入れてそれを咀嚼するというインプットともに,自ら納得をして態度を決め,意見が違う人とも適切に理解をしあうというアウトプットが,今の時代ほど求められているのだと思います。そのベースとなるのは,子供の頃の学校や,それ以外の実地での教育なんだろうなという思いを,最近,いろんな場面で持ちますが,その思いをこの本の冒頭を読んだときに思い起こしました。
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