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『スッタニパータ』と大乗への道 の商品レビュー

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2018/07/05

セイロンに伝わるパーリ語経典『スッタニパータ』。ブッダの直説を含む最古の経典として知られています。 その第四章に収録された「八偈品」は、十六の短い経典で、個別によく読まれる経典。その新訳と解説から、大乗仏教へのつながりを考察する本。 こうした機会がないとなかなか知る機会もなく、...

セイロンに伝わるパーリ語経典『スッタニパータ』。ブッダの直説を含む最古の経典として知られています。 その第四章に収録された「八偈品」は、十六の短い経典で、個別によく読まれる経典。その新訳と解説から、大乗仏教へのつながりを考察する本。 こうした機会がないとなかなか知る機会もなく、仏教の世界には、日本語訳されておらず、日本人にはほとんど知られていない経典がまだまだたくさんあるのだろうと思われます。 かなり専門的ではありますが、(わかるところだけ読んでいこう)とあまり構えずに読むのがよさそう。「偈」という言葉自体なじみが薄いものですが、仏の功徳をほめたたえる詩のことで、詩の形を取っている独特の美しさがあります。 そしてここに見られるブッダの教え。文明の発祥地であり交流点でもあるインドは、あらゆる思想や宗教を内包する混沌とした国ですが、そのためにどんなものとも共存が可能だという、仏教の平和的教義が培われたのかもしれません。 ブッダは、人々が理解しやすいよう、わかりやすい言葉で語っていたといいます。 そうしたブッダの語りがこの経典にも取り込まれているようで、わかりにくいところは、喩えを使うなどしているのだとのこと。ブッダの時代には、経典はもっと人々になじみやすいものだったのかもしれません。 この経典ができた時点では、まだブッダは「空」の論理を出していなかったそう。そうした背景を知ったうえで読むと、遥か昔の時代がぐっと近くなったような気がします。

Posted byブクログ