1,800円以上の注文で送料無料

僕の名はアラム の商品レビュー

3.9

20件のお客様レビュー

  1. 5つ

    4

  2. 4つ

    8

  3. 3つ

    4

  4. 2つ

    1

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2024/08/15

『美しい白い馬の夏』という最初の短編がある。僕はこれほどまでに美しい短編小説を読んだことがない。これはハッタリでもなんでもない。 何の気なしに読んでみて、この短編で見事に心を撃ち抜かれたあとも、素朴だが面白い物語がたくさん収められている。 一生手元に置いておきたい本。

Posted byブクログ

2023/11/07

小島信夫?訳の人間喜劇を読んで、とても感動したので、サローヤン2冊め。 少年アラムの目から見たユルい親戚のおじさんたちの話。仕事せずに一日中チターを弾いて歌ってるおじさんと、超お金持ちのインディアンが良かったです。憧れます(笑)短編集ですが、全てが良かったわけではなく、どう受け取...

小島信夫?訳の人間喜劇を読んで、とても感動したので、サローヤン2冊め。 少年アラムの目から見たユルい親戚のおじさんたちの話。仕事せずに一日中チターを弾いて歌ってるおじさんと、超お金持ちのインディアンが良かったです。憧れます(笑)短編集ですが、全てが良かったわけではなく、どう受け取ったら良いか分からないものもあったので星は少なめです。

Posted byブクログ

2022/05/17

どこか抑圧されて、それが当たり前になっている大人達。時に諦めにも似た格言がみられることもありますが、どこか不器用。でも、みんな生きることを誇りにしている。そこがなんとも心に響きます。 そんな大人達と、これから生きて成長していく少年達を見守るように、その風景を中心に語られます。 ...

どこか抑圧されて、それが当たり前になっている大人達。時に諦めにも似た格言がみられることもありますが、どこか不器用。でも、みんな生きることを誇りにしている。そこがなんとも心に響きます。 そんな大人達と、これから生きて成長していく少年達を見守るように、その風景を中心に語られます。 まるで緑の草原を、ざわざわと揺れながら流れていく風のようだと言えば良いのかな。 見ていていろんな揺れがあるのに、どれもが無駄じゃない。 これは、かつて子供だった大人のための本ですね。 読んで良かった。

Posted byブクログ

2022/01/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

訳者の柴田元幸さんいうところの『オジサン』ジャンルに属する短編集。アラム坊やからみた不思議なオジサンたちが特異な存在感を見せつけてくれる極上の1冊。 まっとうに働くことが推奨される世界においてこういう「オジサン」たちってのはある意味で心のオアシスだと思うわぁって完全に自己肯定してみます。 ザクロのオジサン素晴らしすぎ。オジサンったら生計をたてるためにザクロの木を100本以上うえるんだけれど土が悪くて育たない。でもすげぇ真面目に世話をする。4年たって実がなって業者に11箱を送る。「1箱5ドルで売ってくれ」「1ドルでも売れませんよ」このやりとりを17ドルかけて電話でやりとりする。けっきょく11箱ぜんぶ返ってきてオジサンとアラム坊やで大半を食べてお終い。なんだこれ?  他の14編すべてこんな感じ。また最後のお話が『あざ笑う者たちに一言』ってタイトルで編集も完ぺきな構成。どことなく『トム・ソーヤの冒険』テイストなのもいいんだよなぁ。柴田さん訳の『トム・ソーヤの冒険』も出てるんですね、読まなきゃ!

Posted byブクログ

2020/05/14

アルメニア移民の親戚一同と共にカリフォルニア州フレズノで暮らす少年アラム・ガログラニアンが、たくさんの愉快な“おじさん”たちをはじめとする大人たちに囲まれながら育ち、やがて町を出ていくまでを描いた連作短篇集。 久しぶりにアメリカの小説を読んだなー!という感じ。サローヤンは大昔...

アルメニア移民の親戚一同と共にカリフォルニア州フレズノで暮らす少年アラム・ガログラニアンが、たくさんの愉快な“おじさん”たちをはじめとする大人たちに囲まれながら育ち、やがて町を出ていくまでを描いた連作短篇集。 久しぶりにアメリカの小説を読んだなー!という感じ。サローヤンは大昔に教科書で「ペーソスの作家」と言われていた記憶がぼんやりあるくらいだが、この作品は『トム・ソーヤの冒険』や『たんぽぽのお酒』のような、「人生の〈夏休み〉だった少年期」を描いた小説の系譜に入ると思う。 と考えれば、アラムが作者と同じ経歴を持ちながらも、ここに描き出された共同体のあり方がサローヤンの伝記的事実と異なるのは当たり前だ。読んでいるあいだじゅう、「子どもの頃に出会いたかった大人像しか出てこない」と思った(デリンジャー先生とミス・バライファルを除く)。家にいても出稼ぎに出ても働かないで一日中チターを弾いている、とても美しい歌声のジョルギおじさん。不毛の地にザクロを植え、一緒に一攫千金の夢を見たメリクおじさん。高級自動車を買い与えてくれ、どこでも好きな場所まで走らせてくれるオブジウェー族の青年。一際印象的なのは、「三人の泳ぎ手」に登場するよろず屋の店主ダーカス氏だ。子どもを庇護すべき対象と看做しながら、同時に人として対等に敬する〈知性〉にアラムは出会う。 だからと言って、このフレズノの町が子どもに甘いだけの理想郷として書かれているわけではない。長老派教会の人びとはこの町の外側に広がる世界でアルメニア人がどう見られているかを感じさせるし、オブジウェー族の青年がアラムを気に入ったのは彼とまともに口をきく人間が他にいなかったからだ。「哀れな、燃えるアラブ人」のホスローヴおじさんとアラブ人ハリルとの寡黙な友情関係には、故国を去るしか生き延びる手段を残されなかった人びとの悲痛な思いが溢れている。それと同時に、移民第一世代からは「アメリカ人」と看做され、他の人びとからは「アルメニア移民」と呼ばれるアラム世代の哀しみも滲む。 訳者解説によればサローヤンは小説家になりたくてなった人のようで、少し意外だった。書いたものを読んでいると「文章を書いたら自然と小説になってしまう」タイプに思えるから。そう思われるように書くのが矜持だったんだろうか。だからこんな理想の少年期を、誰もにありえたかもしれない物語として、つかの間信じさせることができたのかもしれない。

Posted byブクログ

2019/12/17

よのなかと致命的にズレている でも自由で魅力な伯父さん叔母さん ザクロ園のメリク伯父さんが最高だ そしてアラムが憎めない素晴らしい主人公なのだ

Posted byブクログ

2019/08/15

はじめて、ちゃんとアメリカ文学を読んだ。やんちゃな子どもと、おじさんのやりとりに今はないノスタルジーな時代の良さを感じる温かい作品だった。

Posted byブクログ

2019/02/11

学生の頃ゼミで読んだ。 アルメニア移民のコミュニティに生まれ育った少年アラムと、 彼を取り巻く、ユーモアたっぷりの大人たち(叔父(伯父?)や祖父など)の、時に可笑しく、時に温かくもあるふれあいの物語。 決して裕福ではなかっただろうけど、やんちゃ盛りの子供たちを大人たちがみんなで見...

学生の頃ゼミで読んだ。 アルメニア移民のコミュニティに生まれ育った少年アラムと、 彼を取り巻く、ユーモアたっぷりの大人たち(叔父(伯父?)や祖父など)の、時に可笑しく、時に温かくもあるふれあいの物語。 決して裕福ではなかっただろうけど、やんちゃ盛りの子供たちを大人たちがみんなで見守り育てようとする様子がうかがえる。 短編どれも面白い!学生の頃は原文も訳書も両方、何度も何度も読みながら笑い転げそうになったのを記憶している。 〇十年の時を超えてオバサンになった今、新訳で読み直してみてもやっぱり面白いし、また読んでみたいと思ってしまう。

Posted byブクログ

2019/01/10

9歳のアラムはアメリカ生まれのアルメニア人。 少年の物語は、叔父さん/伯父さんとの不思議で可笑しな日常や、素朴な冒険などの話に満ちている。貧しいながらも大家族のあたたかさ…。辛い話しの多い世の中、こんなにも和む小説は稀有だな、、と思った。 最後の"あざ笑う者たちに一言...

9歳のアラムはアメリカ生まれのアルメニア人。 少年の物語は、叔父さん/伯父さんとの不思議で可笑しな日常や、素朴な冒険などの話に満ちている。貧しいながらも大家族のあたたかさ…。辛い話しの多い世の中、こんなにも和む小説は稀有だな、、と思った。 最後の"あざ笑う者たちに一言"は、物語の始めに放物状に投げられたボールが、掌にストン落ちてきた、そんな感じがして唸ってしまった。 アルメニア移民は、トルコからの虐殺や弾圧からアメリカへ逃げてきた過去を持つ。少年アラムの親や叔父叔母は暗い過去を引きずっている筈だ。だからこそ、アラムのあたたかくも楽しい物語の貴重さを感じる。

Posted byブクログ

2018/02/10

もう、読んでも読んでも読み切れないくらい読みたい本があるからこれからは潔く途中でやめます。という事でこれも途中まで。多分これどこまで読んでも同じ調子で村とアラムの成長の話で柴にゃんが好きなやつだよねって感じ。今はこういう気分じゃなかったごめんね。本の感想じゃないなこれ。

Posted byブクログ