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日本人はどこから来たのか? の商品レビュー

3.9

25件のお客様レビュー

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2023/01/02

とても分かりやすい。 人類学や考古学の素養がない人にも分かりやすく書かれていて、日本人の起源を考える入門書として大変に良い

Posted byブクログ

2022/11/09

現生人類であるホモサピエンスはアフリカに誕生したが、彼らは、何故か5-7万年前にアフリカを旅立ち、世界中に散らばっていく。「出アフリカ」「グレートジャーニー」等と呼ばれる人類の移動である。 ヨーロッパには、43,000年前から45,000年前の間と思われる、ホモサピエンスの遺跡が...

現生人類であるホモサピエンスはアフリカに誕生したが、彼らは、何故か5-7万年前にアフリカを旅立ち、世界中に散らばっていく。「出アフリカ」「グレートジャーニー」等と呼ばれる人類の移動である。 ヨーロッパには、43,000年前から45,000年前の間と思われる、ホモサピエンスの遺跡が見つかっている。現在のインドネシアあたりでは、48,000年前、オーストラリアでは47,000年前、ヒマラヤの北側では46,000年前、中国では40,000年前の遺跡が見つかっており、人類は、それだけの時間をかけて遺跡が見つかっている場所まで移動したのである。 彼らは3つのルートで日本にたどりついたと考えられている。北海道と陸続きであったシベリアから徒歩でやってきたグループ。25,000年前頃のことだと言われている。朝鮮半島から対馬をつたって舟でやってきたグループ、約38,000年前のことだと言われている。もう一つは、台湾から沖縄諸島をつたって舟でやってきたグループである。約30,000年前のことだと言われている。アフリカからアジアへやってきたグループの経路は、ヒマラヤの北を通るルートと南を通るルートに分かれる。彼らは、東アジアで再度出会い、そして、対馬ルートと沖縄ルートに分かれて日本にやってきたと考えられている。 大きなストーリーとして考えると、5-7万年前にアフリカを旅立った人がいたからこそ、日本人は存在し、私自身も存在する。仮に世代が変わるのが平均的に20年であったとすれば(昔の平均寿命は相当に短い)、2,500-3,500世代を経て私がいるのである。スケールの大きな、心惹かれる話ではないだろうか?

Posted byブクログ

2021/03/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

分からないことも多い分野のようなので、彼の考えでは、という部分も多そうだけど。日本人はどこから来たのか、に対する海部さんの考えは アフリカを出てヒマラヤの南と北に分かれてユーラシア大陸を横断してきたホモサピエンスが東アジア辺りで再開し、その後対馬ルートで日本に来ただろう。 別ルートで少し後に台湾から困難な航海をして沖縄に来た人々もいるだろう。 また別ルートでシベリアから北海道に来た人達もいるだろう。 その後時が経って弥生時代には中国、韓国から稲作、金属の文化を持った人々が対馬から渡ってきて本州と九州で混血して行っただろう。 北海道にはオホーツクにいた顔の平坦なアザラシなどの漁をする人々も渡ってきて、混血して行っただろう ということでした。 台湾からの黒潮を横断する航海がその頃の航海技術で可能なのか、 島間の移住には男女何人くらいが移り住めばその後人数が維持出来るのか、 興味を惹かれるけどまだ分かってない、これから実験するとか、数理の先生に計算を依頼したので時期に答えをもらう、とか、知りたいけどこの後どの本読んだらそれ分かるの?という問題が多くてもどかしかった。 その後ぐぐったら、多分島間の移住には男女含め10人、2家族位は必要、のようだった。 台湾からの航海はその後実験してみたようなので、本を探してみようと思う。

Posted byブクログ

2020/12/28

ハードカバーで2cmほどの厚みだが、9ポイントぐらいの大きな文字にマージンもたっぷりという構成なのでさらりと読める。 また、やや本末転倒だが、各章ごとの要約文が目次に記されているため、そこを読むだけでも本書で伝えたい内容はわかる。本文はその肉付けのようなものとも言える。 少々...

ハードカバーで2cmほどの厚みだが、9ポイントぐらいの大きな文字にマージンもたっぷりという構成なのでさらりと読める。 また、やや本末転倒だが、各章ごとの要約文が目次に記されているため、そこを読むだけでも本書で伝えたい内容はわかる。本文はその肉付けのようなものとも言える。 少々辛口になってしまった。 辛口ついでに言ってしまうと、いわゆる文学作品と比べて、著者の使うレトリックや感情表現が少し目障りでもあった。そのような表現を入れずとも内容としては良い研究だと思うので。

Posted byブクログ

2020/05/10

今現在、現生人類の祖先はすべてアフリカを起源としており、そういった意味では、 「アフリカから来た」のが、直接的な回答にはなるのでしょう。 この本は、そこから、どのようなルートを経て「日本」に入ってきたのか、との検証になります。 といっても、いわゆる学術書的な重さではなく、概論的...

今現在、現生人類の祖先はすべてアフリカを起源としており、そういった意味では、 「アフリカから来た」のが、直接的な回答にはなるのでしょう。 この本は、そこから、どのようなルートを経て「日本」に入ってきたのか、との検証になります。 といっても、いわゆる学術書的な重さではなく、概論的な位置づけとなり、読みやすかったです。  “南ルートと北ルートの集団は、互いに出会ったのだ!   両者の祖先がアフリカを離れ、4万8000年前後にヒマラヤの北と南の二手分かれてから   およそ1万年後に、東アジアのどこかで。” 本書で取り上げられているのは、北海道からアイヌを経てのルート、 朝鮮半島から対馬から中国地方に入ってくるルート、 そして、台湾から沖縄(琉球)を経て九州に入ってくるルートの、3ルート。 検証素材としては、黒曜石や石器、人骨DNA鑑定などの一般的なものですが、 いずれもそんなに深い検証結果までは記載されておらず、 あくまで思考の材料を提供するにとどめている感じで、この先の深い検証がされているであろう、 各種分野の材料を読みたい、検証してみたいとの、知的好奇心を刺激される内容でした。 ん、日本人の原風景には海があるな、とあらためて感じさせてくれた、そんな一冊です。

Posted byブクログ

2017/12/12

タイトルを見て、もっと文化とか宗教に寄った話しかと思ったら、文字通りアフリカからの大移動の末、どうやって人類の祖先は日本にたどり着き日本人になったのかと言うお話。これはこれで面白いのだが。ただ、こういった祖先たちが幾つかのルートを千年単位の時間をかけて枝分かれし、また合流して我が...

タイトルを見て、もっと文化とか宗教に寄った話しかと思ったら、文字通りアフリカからの大移動の末、どうやって人類の祖先は日本にたどり着き日本人になったのかと言うお話。これはこれで面白いのだが。ただ、こういった祖先たちが幾つかのルートを千年単位の時間をかけて枝分かれし、また合流して我が祖先になったという大きな流れは興味深い。

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2017/10/14

与那国島から台湾に、古代人のように航海するプロジェクトを TV番組で観たのが読むきっかけ。 約10万年前にアフリカから旅立った日本人の祖先たちは、 どのような道筋を辿って日本に到達したのか? 現在の考古学は、DNAの解析、放射性炭素年代測定等の 新しい技術により、飛躍的に進歩して...

与那国島から台湾に、古代人のように航海するプロジェクトを TV番組で観たのが読むきっかけ。 約10万年前にアフリカから旅立った日本人の祖先たちは、 どのような道筋を辿って日本に到達したのか? 現在の考古学は、DNAの解析、放射性炭素年代測定等の 新しい技術により、飛躍的に進歩してきた。 そして、世界中からデータが容易に集められるということも。 遠い現地へ赴くのも、昔と比べて楽になったことだろう。 そういうことを念頭にして読むと、更に興味が湧いてくる。 だって、まだ発見されたことは広大な年月と広い世界の ほんの僅かなものだから。 だからこそ、著者の研究と調査はわくわくさせるものがある。

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2017/09/03

2017/09/01:読了  現在の考古学の遺跡の人骨調査に基づく年代推定か見ると、アジア南コースと、アジア北コースで、新人が動いていることが推定される

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2017/06/23

2017.6.23 当時常識だと思っていたことが、間違いだと分かり、まずは知的好奇心をくすぐられる。 ホモ・サピエンスは、旧人とは違い、アフリカから渡ってきた。その特徴は、創造性にあった。日本人の起源としては、一旦、北と南のルートに分かれ、日本で再会したとの説。両者の長所を取り入...

2017.6.23 当時常識だと思っていたことが、間違いだと分かり、まずは知的好奇心をくすぐられる。 ホモ・サピエンスは、旧人とは違い、アフリカから渡ってきた。その特徴は、創造性にあった。日本人の起源としては、一旦、北と南のルートに分かれ、日本で再会したとの説。両者の長所を取り入れていたのだろうか。 ホモ・サピエンスが縄文人となり、大陸からきた弥生人と混血が進む。 航海術に優れたホモ・サピエンスは、太平洋横断も試みたのだろうか?試みて失敗したはず。 著者の最後の、民族とは、相対的、フィクションでかであり、もともとはホモ・サピエンス。だから、他民族に敬意をもてと。

Posted byブクログ

2017/05/10

以前、日本人のルーツを研究するために実際に草舟で与那国島から西表島までを航海する実験が行われたという記事を 読んだのですが、その研究の主導者が書いた本です。ただし、本書にはこの実験内容についてはほとんど書かれていません。 実験の前に書かれたため。 アフリカを出た人類がヨーロッパ、...

以前、日本人のルーツを研究するために実際に草舟で与那国島から西表島までを航海する実験が行われたという記事を 読んだのですが、その研究の主導者が書いた本です。ただし、本書にはこの実験内容についてはほとんど書かれていません。 実験の前に書かれたため。 アフリカを出た人類がヨーロッパ、アジアへと拡散して、やがて日本列島にもやってくるという人類の足跡が シンプルに非常に分かりやすく書かれていました。日本人のルーツをたどる研究ですが、半分以上は日本にやってくるまでの 人類についての内容となり、後半でようやく日本へのルートについて語られます。日本へのルートには3つのルートがあり、 対馬ルート、沖縄ルート、北海道ルートが想定されています。そのうち最初に使われたのが対馬ルートであり、 海を渡らねば日本へ来ることができなかったことから、彼らは「航海者」だったというのが本書の主張です。 とするならば、アフリカから陸を歩いてきた人類がいきなり海を渡ったとは考えにくいため、海を渡る経験をした人類が 関与しているはずだ、ということで、東アジアまで来た人類で注目されるのがヒマラヤ山脈の南側を通った人類。 彼らはここで航海術を身に着けたらしいです。しかし、日本の旧石器時代の考古学的証拠は実はヒマラヤ山脈北ルートを通った 人類と似ていることから、ヒマラヤ山脈北側を通って東アジアへ行った人類と南側を通った人類が、やがて1万年後に東アジアで合流し、 彼らが対馬ルートで日本に渡った、というのが著者の考え。初期の日本人が航海者だったという主張は面白く、航海実験も含めて 今後どんな議論が展開するのか楽しみです。 ちなみにすでに行われた与那国島から西表島への航海実験は著者の意図する結果は出せなかったようですが、 私が読んだ新聞記事によると今年の7月に再度、台湾からの航海実験を行うと書いていました。 注目したいと思います。

Posted byブクログ