はだかんぼうたち の商品レビュー
思ったよりも多くの人物がそれぞれの考えを主張して、まったく相容れない人たちもいれば、どこか通じ合うところのある人たちもいて。結婚と恋愛、どちらがいいかなんて、絶対的に正しい答えなんて誰も持っていなくて、ただ、信念としての正しさだけは確実に存在するのだ。とは言え、信念に沿って生きて...
思ったよりも多くの人物がそれぞれの考えを主張して、まったく相容れない人たちもいれば、どこか通じ合うところのある人たちもいて。結婚と恋愛、どちらがいいかなんて、絶対的に正しい答えなんて誰も持っていなくて、ただ、信念としての正しさだけは確実に存在するのだ。とは言え、信念に沿って生きている人も、常に幸せでいられるわけでもなくて。自由に孤独がつきものなら、自由も孤独も愛せる人が幸福なのかもしれない。
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様々な人物が登場します。歯科医をしている桃、その親友の主婦響子、そして二人の家族や、恋人。多くの人物がいるのに、うまく書き分けられていて、それぞれの気持ちが想像できます。 桃は、9歳下の鯖崎に惹かれ、長年付き合った石羽と別れます。しかし、鯖崎は響子にも興味を持ち始めます。それか...
様々な人物が登場します。歯科医をしている桃、その親友の主婦響子、そして二人の家族や、恋人。多くの人物がいるのに、うまく書き分けられていて、それぞれの気持ちが想像できます。 桃は、9歳下の鯖崎に惹かれ、長年付き合った石羽と別れます。しかし、鯖崎は響子にも興味を持ち始めます。それから桃は、石羽と再び会ってしまいます。 客観的には桃の母親のように、何で石羽と結婚しなかったのかと思い、何がしたいのかさっぱりわからないのかもしれません。 でも、誰と一緒に過ごすのか、どのような人生を生きるのかは、自分で決めるものです。“「みんな、いつまでこんなことをするのかしら」(p359)”と言いながらも、他人の意見に惑わされず、みんな自分に正直に生きているようで、だからこそ生き生きとしていて、理想の生き方だと感じました。自分の時間、自分の人生、それは自由でいいのだと思いました。
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再読。 婚約破棄した桃と、年下の彼鯖崎と、桃の親友で四児の母響子と、その周りの人たちの一年半くらいの物語。 江國さんの文章を読むことは楽しめるが、のめり込むほどではなかった。 山口と安寿美とか美紗子とか未来とか奈良橋とか、確かにそういう関係するすべての出来事が各々を主役にして存在...
再読。 婚約破棄した桃と、年下の彼鯖崎と、桃の親友で四児の母響子と、その周りの人たちの一年半くらいの物語。 江國さんの文章を読むことは楽しめるが、のめり込むほどではなかった。 山口と安寿美とか美紗子とか未来とか奈良橋とか、確かにそういう関係するすべての出来事が各々を主役にして存在するのはわかるが、そこまで拡げなくても良いような、いっそもっと深めて大作にして欲しいような、むしろ由紀と陽をもう少し知りたいと思ったり、全体的に中途半端な印象が残ってしまい、勿体無いと感じた。この期間に起こった出来事を俯瞰した物語、ということで割り切っているのかな。
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多分私の周りにいるひとが桃の立場だったらみんな石破と結婚すると思う。私もする。 魅力的な人はすごくいいけど近づきすぎると疲れるよ。持論だけど。 うちの家も兄弟多いからヒビキの家の描写は心が痛くなった。こどもがいっぱいいるなんてぞっとする。
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登場人物が多いです… その上、短いスパンでそれぞれの登場人物の目線で話が切り替わるので、最初は少し混乱。 でも、母娘との微妙な関係とか結婚、恋愛に対する考え方とか様々で、面白かった。 2017.2.15
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たくさんの登場人物で、次々と語り手が変わるところは江國らしいなと思った。桃は好きだけど、由紀みたいな押し付けがましい女性は嫌だな。やはり不倫とか浮気とか、江國作品の登場人物は貞操観念がめちゃくちゃなことが多いなと感じた。結末は「そこで終わり?」って感じだった。
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鯖崎の辞書に永遠の愛を誓うという言葉はないだろう。子どもが何か面白いものを見つけて夢中になるみたいな恋愛。鯖崎の今後の人生をみてみたい。
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タイプの異なる男女が、それぞれパートナーに何かを求めたり依存したりしてしまう様子がおもしろい。共感できる人物もいたり、腹立たしい男もいたりしておもしろく読めた。
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すんなりと腑に落ちた。関係性に名前なんていらんよなと、ズルズル好きに過ごす感じが懐かしい。懐かしいと思うくらい、歳とったということやけど。
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桃は35歳の歯科医。入籍間近と思われていた恋人と別れ9歳年下の鯖崎と付き合い始めた。だが鯖崎は桃の親友の主婦・響子にも興味を示す。一方、ネットで知り合った60歳の男と同棲していた響子の母・和枝が急死。亡き母の同棲相手への対応を巡り響子は夫と衝突する。そんな響子に鯖崎が接近し始め、...
桃は35歳の歯科医。入籍間近と思われていた恋人と別れ9歳年下の鯖崎と付き合い始めた。だが鯖崎は桃の親友の主婦・響子にも興味を示す。一方、ネットで知り合った60歳の男と同棲していた響子の母・和枝が急死。亡き母の同棲相手への対応を巡り響子は夫と衝突する。そんな響子に鯖崎が接近し始め、桃は別れた恋人と再び会ってしまう・・。年齢も境遇も異なる男女たちを通して恋愛、孤独、結婚の赤裸々な姿が浮かび上がる。(背表紙より)
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