「みんなの学校」が教えてくれたこと の商品レビュー
一人一人がありのままの自分でいられる、ありのままを認めてもらえる場所、これは決して子どもたちだけじゃなくて地域の人も学校の先生も校長先生までもがそう。 「自分がされて嫌なことは、人にしない。言わない。」 この大空小学校のたった一つの約束は、すべての子ども、大人のためにあるもの。...
一人一人がありのままの自分でいられる、ありのままを認めてもらえる場所、これは決して子どもたちだけじゃなくて地域の人も学校の先生も校長先生までもがそう。 「自分がされて嫌なことは、人にしない。言わない。」 この大空小学校のたった一つの約束は、すべての子ども、大人のためにあるもの。 この約束が、そしてみんながこれを実行しようとしているからこそ、誰もが安心して学べる空間が作られているんだと思った。 そして、教師は「教える専門家」から「学びの専門家」に。 教師と児童という立場による関係性を排除し、誰もが平等、大人も子どもから学ぶ。 誰もが安心できる空間だからこそ、伸び伸びと自分らしさを発揮できるんだろうなあ、そして周りを大切にする余裕が生まれるからこそ、誰もが自分だけじゃなくて常に周りの人のことを考えて行動を取る雰囲気がある。 それは大人たちが実践しなければ子どもには伝わらないもの、まずは大人である先生たちが自分ができなくても絶対に誰かが支えてくれる助けてくれる、逆に誰かが困ってたら助けてあげるっていう相互協力の体制があることが前提なのだと思う。 この学校にはいろんな人の幸せな空気がたくさん漂っている気がした。
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《2020.3.22》 三連休時間がゆっくりあったので再読。 やっぱりいいなぁ、これだなぁって実感する。 「子どものありのままの質を高める。」 子どもたち一人ひとりは力がある存在と本気で思えるからこそ らしさを追求する。 力を高めるのではなくて、ありのままの質を高める。 その子がその子らしくその場におれるって どれだけ尊いことか。 この当たり前のことがなかなかできていないと反省。 木村先生のやり直しをいとわず、自分の気持ちに嘘をつかず 正直に生きるその姿勢こそが 周りの人に大きな影響を与えてるなぁって。 影響力与えようなんて思ってなくて 子どもから学ぶ、自分が変わることを貫いてることが 本当にすごい。 学ぶことが多すぎる‼️ 本から伝わる学校の空気がすごく好き。 《7.25 再読》 子どもと関わる上でいかに対等でなく 上からの指示で子どもを動かそうとしていたかと 自分を振り返る。 一番大事なのは 「子どもの声を聴くこと」という言葉。 声っていうのは言葉だけじゃなくて 行動、表情、しぐさとかすべてを含むのではないか。 それを大人として聴こうとしてるか、理解しようとしてるか。 目に見える事実だけじゃなくて、子どもの想いをつかもうとしてるか。 んー、これから何回も読みたいと思える本 《2021.5.8 再読》 木村先生の他者への信頼の姿勢が貫かれてる。 他者とは子どもだけでなく、大人である。 対話ができるのも、問いかけられるのも、 通訳できるのも、本音を語れるのも すべて“信頼”という言葉に凝縮されるように思う。 「人に信頼してほしかったら自分がまず人を信頼せなあかんやろ?」 って言葉が本を読み終わった後に聞こえてくるぐらい。 信頼は尊重にも置き換えられるかもしれないけど なんやろうなー 読んでて大笑いできるし、大真面目に考えられるし スカッとする。 『2022.2.20再読』 何回読んでも面白い! 子どもがいっつも本音なのはやっぱり安心してるから。 木村先生が本音を語るから。 対等に関わろうとしているから。 そんな空気やったらどれだけでも自分が出せて 本当にいきいきできるやろうなぁと思う。 大空小学校いいなぁじゃなくて いつでも自分には大空と一緒の空気をつくれるチャンスがある。 結局するか、しないか。 すべて自分次第。
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大阪に実在する公立の小学校で、自分の子にもし障害があれば、引っ越してでもぜひ入れたいと思う小学校です。 障害がある子もない子も分け隔てなく、同じ空間で学校生活を送り、難しい問題を抱えた子にはできる子がお手伝いして、一緒に成長していく。 社会はこうあるべきだというモデルがここにあり...
大阪に実在する公立の小学校で、自分の子にもし障害があれば、引っ越してでもぜひ入れたいと思う小学校です。 障害がある子もない子も分け隔てなく、同じ空間で学校生活を送り、難しい問題を抱えた子にはできる子がお手伝いして、一緒に成長していく。 社会はこうあるべきだというモデルがここにあります。 この校長先生のような情熱を学校の先生方皆さんに持っていて欲しい。
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最近の先生を見ていると、ほんとに 大変だなと思う。 普通に見えていても、学校にクレーム いれてる保護者がいたり 参観日に保護者同士でぺちゃくちゃ 喋っていたり、そういう保護者対応、 保護者に神経をつかっている感じがする。 先生方に余裕がない。 こういう頼りがい?安心感のある トッ...
最近の先生を見ていると、ほんとに 大変だなと思う。 普通に見えていても、学校にクレーム いれてる保護者がいたり 参観日に保護者同士でぺちゃくちゃ 喋っていたり、そういう保護者対応、 保護者に神経をつかっている感じがする。 先生方に余裕がない。 こういう頼りがい?安心感のある トップが学校にいるだけで 先生方の気持ちやモチベーションも かわってくると思う。 そのことが子供が行きたくなる学校に 繋がっていくと思う。
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みんなの学校が教えてくれたこと 木村泰子 小学館 大空と言う公立小学校の初代校長になった著者の 教師と言う人生を思い返した3290日の記録 こんな型破りな授業が 公立の義務教育で出来るのかと 驚くような話である 面白く思ったのは 第三章の「私の原点」である 中学の教師を...
みんなの学校が教えてくれたこと 木村泰子 小学館 大空と言う公立小学校の初代校長になった著者の 教師と言う人生を思い返した3290日の記録 こんな型破りな授業が 公立の義務教育で出来るのかと 驚くような話である 面白く思ったのは 第三章の「私の原点」である 中学の教師を目指していたのに 小学校に魅入られてしまい かなりの頑固者らしく 分離教育に逆らい あらゆる児童が同じ場で学ぶことの多様性を大事にする 自説をまげずに押し通しているうちに 仲間ができ学級解体を始めとする 全クラス合同授業を広い講堂を使って 各担任を説き伏せ それぞれが専門分野を受け持つという 異例の教育方針を打ち出す その延長線で新設の小学校を任されて 校長に抜擢され 定年までを存分に運営し 職員全員で児童全員を見守るというユニークさと 子どもたちの自律した成長ぶりが評価されて テレビやドキュメント映画となっていく過程を経て 退官するまでの話である
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インクルーシブ教育、という言葉もまだない時代から、子供の個性をよく見て、大人も子供も、共に育っていくことを目指した小学校。 公立の小学校で、ここまでできるのは本当に素晴らしい。大人たちが管理したり、効率をよくするために区分けしたラベルではなく教育が進められていることは驚き。 とく...
インクルーシブ教育、という言葉もまだない時代から、子供の個性をよく見て、大人も子供も、共に育っていくことを目指した小学校。 公立の小学校で、ここまでできるのは本当に素晴らしい。大人たちが管理したり、効率をよくするために区分けしたラベルではなく教育が進められていることは驚き。 とくに、間違ったらやり直しをする、ということが徹底されているのがよい。間違ってもオッケーだし、何回でもチャレンジできる。
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子どもたちは自分たちで整列する力を持っているのに、教師が手を出してしまうから、子どもは教師がやってくれると思って責任を放棄してしまう。「その子を排除することは、かけがえのない学びを捨てるのといっしょ」という言葉は、これからのすべての学校が肝に銘じないといけない。
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映画「みんなの学校」を観て、どうしたらこんな学校ができるのだろうと考えた。木村さんの講演を聴きに行き、この本も手に取った。 そのなかで、大空小学校のすばらしいところは校長のカリスマ性というよりも、その教育理念と教育システムが見事に一致し、徹底して「子どもの声を聴く」ことを大切にし...
映画「みんなの学校」を観て、どうしたらこんな学校ができるのだろうと考えた。木村さんの講演を聴きに行き、この本も手に取った。 そのなかで、大空小学校のすばらしいところは校長のカリスマ性というよりも、その教育理念と教育システムが見事に一致し、徹底して「子どもの声を聴く」ことを大切にしていることだと次第に理解できてきた。 地域と保護者を「サポーター」として学校に巻き込むこと。そのために、教員は学校を開き、保護者や地域と対等な関係を作る。文句は受け付けないが意見は歓迎する。保護者や地域も、学校をつくる主体になる。 最近、コミュニティスクールということがよく言われるが、地域が学校を評価し、ご意見番になることばかりが強調されていて違和感を覚える。地域と一緒に学校をつくってきた大空小学校の教育こそがコミュニティスクールそのものだと思うし、こういう形でコミュニティスクールが全国で実施されれば教員も子どもも歓迎するのに、と思った。 また、教員が子どもに対して上から指導せず、たったひとつの約束「自分がされていやなことはしない、言わない」だけを大切にしているという点についても、「画期的」だと言わざるを得ない。(こんな本質的な実践が「画期的」に見えること自体、公教育の、教員の反省すべきところなのだが。) 職員室が子どもを守る場所、校長室が子どものやり直しの場所になっていること。大人が子どもの声から学び、自分を過信しないこと。学級単位ではなく常に学校単位で考えること。子どもたちを温かく見守る大人がたくさんいること。 それら一つ一つに子どもを中心に据えた教育の理念が根付いていること。 大空小学校が公教育の「理想」ではなく、「当たり前」になるべきだと改めて感じた一冊でした。
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『流れる水の如く、流されるのはいとも容易く、逆らうことは困難を極める、』 『(大人と子どもが)対等でない場所に、学びは成立しない』 『「大変」とは、大きく変わるとき』 『教師は「教える専門家」から「学びの専門家に」』 『学びは楽しい』 すばらしい!
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まず映画を見ました。 通常の配給は終わっていて、御茶ノ水の自主上映会の日にその場所にいた、という偶然が引き合わせてくれた素晴らしいドキュメンタリー映画でした。 上映場所で売られていた3種類の本から、一番映画のストーリーに近いということでこれを購入。 その通り、この本を読むと映画の登場人物たちの顔と声で台詞が再生されるようでした。 「みんなの学校」は、特別支援を必要とする子供に居場所を作る、それも普通学級に、という面が強調されすぎてしまっているのかもしれません。 私はもっと普遍的なこと、違いを認める、違いを受け止めるとはどういうことか、居場所を作るということはどういうことか、ということを教わりました。そして、アドラー心理学ではありませんが、どんな子も向上心を持っていること、「なぜ」じゃなくて「どうやって」を考えることが大事なんだとわかりました。 「こういう先生がいたら」とか「こういう学校だったら」という受け取り方はもったいない。確かに木村先生だからできたことだし、木村先生だからこそ「公立校だからこそ」と言えるんだとは思います。 でも、一人でも多くの人がこの映画を見て、「自分もこういう学校にしたい」って思えば、木村先生じゃなくても変えることはできるんじゃないかと。 同じ方向に歩いていくためにこそこの映画・本の価値があるんだと思います。 すばらしい映画、本す。
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