SD Space Design(2015) の商品レビュー
特集2「建築家のプロジェクトデザイン」が面白い。 最後の鼎談に出てくる「意思決定者の教育」という身も蓋もない表現は、ややパトロナイズな感じだけれども、しかし的を射たものと思いました。どこか無責任感のある「合意形成」ではないのだということでしょう。 投企のリスクを誰がとるのかがプ...
特集2「建築家のプロジェクトデザイン」が面白い。 最後の鼎談に出てくる「意思決定者の教育」という身も蓋もない表現は、ややパトロナイズな感じだけれども、しかし的を射たものと思いました。どこか無責任感のある「合意形成」ではないのだということでしょう。 投企のリスクを誰がとるのかがプロジェクトの要諦であることは大昔から変わらないが、誰かが発意して自らクライアントとなりコンサルタントに持ちかけるという順番ではなくて、リスクをとる潜在能力のある人に対して、まだないことをプロジェクトとして明快にデザインして見せ、「リスクをとってオーナーになりたまえ」と「教育」する役割としてのプロジェクトデザイナー。 喧しく「ソーシャル・イノベーション」とか「アントレプレナーシップ」とか言われている現象を、デザイナーというコンサルタントの視点から見た構図という風に読める。 これは、発意者がそのまま自らリスクテーカーになることが簡単ではない、がんじがらめの世の中に、風穴を開けるための方法でもあるのだろう。 ある種の苦肉の策なのかもしれないが。
Posted by
- 1