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美術館の舞台裏 の商品レビュー

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25件のお客様レビュー

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2019/06/08

この間『美術館で働くということ』というエッセコミックを読んだ時、この本のことが頭にあった。 そこでいよいよ読むことに。 著者はオルセー美術館の開館準備室、国立西洋美術館の学芸員を歴任し、三菱一号館美術館館長に収まった、エリート中のエリート。 そういう立場から垣間見た、欧米のキュ...

この間『美術館で働くということ』というエッセコミックを読んだ時、この本のことが頭にあった。 そこでいよいよ読むことに。 著者はオルセー美術館の開館準備室、国立西洋美術館の学芸員を歴任し、三菱一号館美術館館長に収まった、エリート中のエリート。 そういう立場から垣間見た、欧米のキュレーターの世界の華麗なことといったら。 『美術館で…』とはまた違う印象。 企画した展覧会のために作品を貸し借りしたり、コレクションを充実させるために買い付ける。 こういう仕事柄、学芸員同士はもちろん、画商、コレクターらとの人脈がものをいう。 そのため、大富豪ともそつなく付き合える教養や社交性も求められる――というのだ。 それだけではない。 美術展のために、額装や修復の職人さん、専門の運送業者さんなど、プロフェッショナルをまとめ、率いるコミュニケーション力と、リーダーシップが求められる。(このあたりは『美術館で…』にもある。) まったくもって、「情熱大陸」か?と思われる刺激的な世界。 取り上げているのは、美術館の建物や内装、贋作事件や盗難、輸送での事故など、多岐にわたる。 「個人蔵」や「伝○○」の持つ含みというか、裏事情も紹介される。 こういったところも面白い。

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2018/04/04

これまでにも何冊ものアート関連の本を読んできましたが、小難しくて頭を抱えるものが多かった。でも、これはアート初心者にもやさしく解説されているのでさらっと読める。本著は「現代アート」よりも著者が強みとしている近世の「西洋アート」を中心に語られている。 でも、美術館ってこういうふうに...

これまでにも何冊ものアート関連の本を読んできましたが、小難しくて頭を抱えるものが多かった。でも、これはアート初心者にもやさしく解説されているのでさらっと読める。本著は「現代アート」よりも著者が強みとしている近世の「西洋アート」を中心に語られている。 でも、美術館ってこういうふうにして運営されていて、日本の美術館市場がどのような状態なのかを把握できるのでとても興味深かった。これで、展示や企画展の見方も変わる気がする。

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2017/04/09

美術館はよく訪れるけれども、裏事情は全く知らなかったので勉強になった。一つの展覧会を手掛けるのには、こんなにも色々な方々が携わって成り立ってるのだなあと思うと、感慨深いものがあった。これからは一つ一つの展覧会をもっともっと大切に見て回りたい。

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2017/04/07

ジョルジュラトゥールやヴァロットン KATAGAMI、著者のキュレーションの展示を見てきて、不思議と強く印象に残っているので、それを反芻しながら読んだ。やっぱりそうかと思うことも多いけれど、ヘェ〜となることも。 オルセー展へいくのが楽しみ。2017 4.7

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2017/03/13

普段見ている美術展の裏側を見れる楽しい一冊。知らない世界を知ることが出来る。へぇーそうなんだー、と言わされてしまう。丁寧な文体と、読み進めやすい話題の推移で、おすすめの一冊。

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2016/11/02

三菱一号美術館の館長の著作。 美術や美術館事情に詳しい人には物足りないかもしれないが、 私のように「そんなに詳しくないけど興味はある。時々美術館にも行く」という人にオススメ。 一通りのことが簡潔に分かりやすく書いてある。 いちいち「へぇ~、そうなんだ~」と思いながら楽しく 読んだ...

三菱一号美術館の館長の著作。 美術や美術館事情に詳しい人には物足りないかもしれないが、 私のように「そんなに詳しくないけど興味はある。時々美術館にも行く」という人にオススメ。 一通りのことが簡潔に分かりやすく書いてある。 いちいち「へぇ~、そうなんだ~」と思いながら楽しく 読んだ。

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2016/09/17

丸の内にある落ち着いた雰囲気を持つ美術館である、三菱一号館美術館。同館の館長が書き綴る、日本の美術展と美術館の実態と現状。日本の美術館に対する公的援助が少ないことは、以前から重々承知していた。自前で用意できるコレクションに乏しく、海外にネットワークを張り巡らす新聞社・メディアの力...

丸の内にある落ち着いた雰囲気を持つ美術館である、三菱一号館美術館。同館の館長が書き綴る、日本の美術展と美術館の実態と現状。日本の美術館に対する公的援助が少ないことは、以前から重々承知していた。自前で用意できるコレクションに乏しく、海外にネットワークを張り巡らす新聞社・メディアの力なくしては、日本の美術館で海外芸術の展覧感を開催することは難しいのだ。そのことが、日本の美術館とメディアの関係に悪影響を及ぼし、日本に真っ当な美重点の評論が存在しないことを、筆者は心から憂えている。「寄付」と「寄贈」の違い、美術品を巡るドロドロの世界、美術品と光(太陽光、室内照明問わず)の関係…。「学芸員」の地位が、海外と日本とでは全く違うことに、驚く人も多いだろう。大学の講座で簡単に取得できる日本に対し、高度な試験を突破しないとその座につけない海外。自前で用意できるコレクションがない(少ない)が故に、日本独自で発展した様式が、海外の美術関係者から奇異の目で見られていることは、日本人美術愛好者の一人としては肩身が狭い。そしてここ数年の世界的不況で、海外の美術館も経済的苦境に陥っているのは、美術ファン、美術展覧会好きには気がかりな状況である。美術というのは、このまま「金持ちの道楽」になってしまうのだろうか。

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2016/09/04

展覧会を開く苦労、工夫などが分かりやすく書いてあった。 学芸員さんの仕事内容への理解が深まりました。

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2016/04/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

三菱一号館美術館館長による、まさにタイトル通りの本。 文章はバランス悪いところもあり、一章一章短いから読みやすいんだけど、もうちょっと深いところまで書いて欲しいなという点もあるけど、興味深かった。

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2016/02/11

<目次> 第1章  美術館のルーツを探ってみると… 第2章  美術館の仕事、あれやこれやで大変です! 第3章  はたして展覧会づくりの裏側は? 第4章  美術作品を守るため、細心の注意を払います 第5章  美術作品はつねにリスクにさらされている? 第6章  どうなる?未来の美術館...

<目次> 第1章  美術館のルーツを探ってみると… 第2章  美術館の仕事、あれやこれやで大変です! 第3章  はたして展覧会づくりの裏側は? 第4章  美術作品を守るため、細心の注意を払います 第5章  美術作品はつねにリスクにさらされている? 第6章  どうなる?未来の美術館 <内容> 元国立西洋美術館在籍、現在丸の内の三菱一号館美術館館長による美術館の仕事や美術界のことを語った本。話の主は西洋美術(主に絵画)なのですが、ご本人の専門のマネのことやヨーロッパの美術館(パリの話が多いかな?)のことも語られます。近年の大家の作品展よりも視点を代えたテーマ展、マンガやファッションなどの現代アートなど、未来の美術館や展覧会の話が面白かった。むろん、画廊やオークションの話、美術館の裏話も「なるほど」と読めました。

Posted byブクログ