悲しみの秘義 若松英輔エッセイ集 の商品レビュー
若松さんのトークは2回拝聴したことがあったのに、ご著作を読むのがこんなに遅れてしまった。 少し恐かったのだ。 大体「悲しみの秘義」というタイトルだけで、もう泣きそうになるではないか。 それ以外のご著書も、なんか痛いところを突かれる、いや弱いところを突かれる、いやちょっと違うな、痒...
若松さんのトークは2回拝聴したことがあったのに、ご著作を読むのがこんなに遅れてしまった。 少し恐かったのだ。 大体「悲しみの秘義」というタイトルだけで、もう泣きそうになるではないか。 それ以外のご著書も、なんか痛いところを突かれる、いや弱いところを突かれる、いやちょっと違うな、痒いところに手が届くでもないし、とにかくちょっと恐かった。 でも、もう怖がらなくてもいいような気がする。 清らかで優しい、なんて陳腐な言葉で表してはダメだな… 涙で心が洗われるように、言葉で心が洗われる。 んー、うまく言えない。 こんな雑な言葉で感想を書いたら、なんかこの本を汚してしまう。 若松さん、ごめんなさい。 なんて、著者に謝ったのは初めてだ。 こんなガサツな私でも大事に大事に丁寧に読まずにはいられず、心を澄ませてくれる本だ。
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25編のエッセー 心に残る詩や言葉を引用しながら深く自分の心を掘り下げていく,その佇まいに惹かれる.読み手があってこそ生きる本,そして書くことによって自分を知るというような在り方が素敵だ.短いながら1編1編が重く心に響いた.
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「かなしみ」に耐えるための言葉。 書くことと読むことの相補性。 それぞれの章に引かれている文章の、なんと美しく魅力的なことか。 とりわけ、第14章の「できれば、声に出して、ゆっくり読んで頂きたい。一度でなく二度、読んで頂きたい。」のところ、素直にやってみることを勧める。私はそう...
「かなしみ」に耐えるための言葉。 書くことと読むことの相補性。 それぞれの章に引かれている文章の、なんと美しく魅力的なことか。 とりわけ、第14章の「できれば、声に出して、ゆっくり読んで頂きたい。一度でなく二度、読んで頂きたい。」のところ、素直にやってみることを勧める。私はそうして、「読むことで言葉を生みだすこと」を信じることができた。 もうひとつ、第17章、バウハウスのヨハネス・イッテン——理論家で冷静な人とばかり思い込んでいたこともあってさらに驚いたのだが——の「とても模写などできない、というのでなければ、芸術家とはいえない」が印象に残った。 その題材となったグリューネヴァルトの「嘆きのマグダラのマリア」の図像は検索すると見つかった。想像を超えて生々しく強い絵であった。
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2016年40冊目。 読み始めてすぐ、あまりにも洗練された言葉に驚いた。 恐ろしいほど過不足がない言葉で綴られた25のエッセイ集。 語り得ないものへのまなざし、空白や沈黙への敬意、惑うことへの心持ち、そして悲しみのとらえ方。 心に残る多くの言葉に出会えた。 読んでいる最中、周...
2016年40冊目。 読み始めてすぐ、あまりにも洗練された言葉に驚いた。 恐ろしいほど過不足がない言葉で綴られた25のエッセイ集。 語り得ないものへのまなざし、空白や沈黙への敬意、惑うことへの心持ち、そして悲しみのとらえ方。 心に残る多くの言葉に出会えた。 読んでいる最中、周りがしんとするような静寂さをこの本自体が持っているように感じる。 「たとえ一点の作品がなくても君は君の人格と生活の態度に因って高邁なる芸術家であった」 一番響いた言葉。そういう風に生きたいと思う。
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いいですね。悲しみの秘義は、誰もが宿している詩情を、書くことの秘義を通して、読み手に託され、孤独をつかむ。ひがしちかの装画がすばらしい。ブックリストもいい。
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自分には少し難しかったけど美しい本でした。悲しみは『悲し』だけでなく『愛し』『美し』と書くこともできるそうです。悲しみのなかにあるいろんな感情を感じることが確かにあります。その気持ちを大切にさまざまな想いを味わいながら生きていきたいと思える一冊でした。
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読む前からそんな予感がしていたけれど。 この本は、きっと何度も読み返したくなる。 忘れられない光景、大切な人々の顔が浮かぶ。 25のエッセイ、ひとつひとつが「私」のこころのありかに静かに響く。
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悲しみに、美しみに、絶望しみに。 孤独のうちに。 目を養うよう努めなければ。 なんとなれば、いまは,,,。
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