悲しみの秘義 若松英輔エッセイ集 の商品レビュー
エッセイ一編が5,6ページ程だし、書かれている言葉も平易で読みやすいのだけど、ゆっくりゆっくりと咀嚼するような感じで読んでいった。 この本を手に取った時、私自身が深い悲しみに支配されていた。それは著者が経験されたものとは種類は異なるけど、読んでいて共感できる部分も多かったし、少し...
エッセイ一編が5,6ページ程だし、書かれている言葉も平易で読みやすいのだけど、ゆっくりゆっくりと咀嚼するような感じで読んでいった。 この本を手に取った時、私自身が深い悲しみに支配されていた。それは著者が経験されたものとは種類は異なるけど、読んでいて共感できる部分も多かったし、少しだけど「自分はこれでいいんだ」と思えた。深く言葉が突き刺さると言うより、著者の人柄にそっと包まれていく感じ。じわっとくる。また読もうと思う。
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若松英輔の本の中では、読みやすい。 でも深い。 絵本のように何回も手に取って見ていきたいです。 若松英輔さんのサインが書いてあって それだけでも嬉しい買い物でした。 こちらは単に本屋さんでかったのではなく、手渡しで貰った本なので心に残るかたちとなりました。
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0143 2019/09/19読了 私はまだ大切な人を亡くすなどの深い悲しみは味わったことないけど、そういう時にこの本のような言葉たちがあるといいなと思った。 昔の人たちには和歌が死んだ人にも届くはずだという考え方があったのは初めて知った。 本の中に何度も出てくる、書き手だけでは...
0143 2019/09/19読了 私はまだ大切な人を亡くすなどの深い悲しみは味わったことないけど、そういう時にこの本のような言葉たちがあるといいなと思った。 昔の人たちには和歌が死んだ人にも届くはずだという考え方があったのは初めて知った。 本の中に何度も出てくる、書き手だけではなく読み手も創造的である、というのはなるほどなと思った。読まれることによって作品は完成する。
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誰にも、記憶や心の奥の奥に柔らかく濡れている部分がある。日常ではその部分にうまく蓋をかぶせたり箱の中に隠したり、何重も扉を重ねたりして、他人にも自分にも見えないようにしまってある。あるいは、自分の奥底にそんなものがあったことを、本当に忘れているのかもしれない。 なのに、若松さんの...
誰にも、記憶や心の奥の奥に柔らかく濡れている部分がある。日常ではその部分にうまく蓋をかぶせたり箱の中に隠したり、何重も扉を重ねたりして、他人にも自分にも見えないようにしまってある。あるいは、自分の奥底にそんなものがあったことを、本当に忘れているのかもしれない。 なのに、若松さんの文章を読むと、その存在を思い出す。というよりも、言葉が滲みて、その部分に届いてしまう。水を得たその部分は、干からび死にかけていた状態から息を吹き返し、私に、私はここにいると訴えてくるのだ。難しい言葉は何ひとつ使わないのにもかかわらず、なぜこうも、まさにその部分を語ることができるのか。 苦しくもなり、愛おしくもなる。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「悲しみ」について、私は、できるだけ少ないほうが良いと思っていた。 「悲しみ」につながる出来事や経験は、できれば出会いたくないと思う。 しかし、若松英輔さんの著書「悲しみの秘儀」を読むと、「悲しみ」の価値が分かる。 「悲しみ」を知るからこそ、「喜び」が分かるということだ。 「悲しみ」につながる経験を、積極的にしようということではない。 人生の中で、予期せぬ出来事は、少なからず起こる。 耐え難い気持ちになったり、心に傷がついて、それがトラウマのように残ることもある。 「悲しみ」を転換して、「喜び」に変えることはできないだろう。 「悲しみ」は「悲しみ」として存在し、その存在があるからこそ、別の感情をよりいっそう強く感じとれるということだと思う。 本書の中で、若松さんは、恩師の井上洋治神父の遺稿を紹介している。 『宗教は考えて理解するものではなく、行為として生きて体得するものです。たとえてみれば、山の頂上にむかって歩んでいく道であるといえましょう。人は二つの道を同時に考えることはできても、同時に歩むことは決してできません』 この遺稿では、「宗教」について言及しているが、「宗教」を「生きることの意味」と言い換えてもよいだろう。 若松さんは、恩師の遺稿を受けて、 『人生の意味は、生きてみなくては分からない』と書いている。 人生において、自分が歩くことができるのは、たった一つの道である。 頭の中では、「あんな人生」「こんな人生」と複数の道を描くことができるが、 実際の人生は、たった一つだ。 どんな人生なのか。自分で生きてみるしかない。
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以前イベントで若松さんのお姿を見たとき、 なんともいえないやさしさ、やわらかさを感じたのを覚えている。 この本もとてもやさしい、やわらかい。 開く、ページをめくるひとつひとつがやわらかい。 わたしは死別を体験するのが嫌すぎて、 生まれてこなきゃよかったと思うことがある。 そうい...
以前イベントで若松さんのお姿を見たとき、 なんともいえないやさしさ、やわらかさを感じたのを覚えている。 この本もとてもやさしい、やわらかい。 開く、ページをめくるひとつひとつがやわらかい。 わたしは死別を体験するのが嫌すぎて、 生まれてこなきゃよかったと思うことがある。 そういう気持ちを毛布で包んでくれるような本だった。
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若松英輔 「悲しみの秘儀」 良書。生きる力が湧くエッセイ集。文章に 悲しみを乗り越えた人の 優しさ を感じる引用した本の言葉を借りて、著者の心の声を伝えている。 人生について *生きるとは 人生とは何かを問うことではなく、人生からの問いに応えること *人生には悲しみを通じてしか...
若松英輔 「悲しみの秘儀」 良書。生きる力が湧くエッセイ集。文章に 悲しみを乗り越えた人の 優しさ を感じる引用した本の言葉を借りて、著者の心の声を伝えている。 人生について *生きるとは 人生とは何かを問うことではなく、人生からの問いに応えること *人生には悲しみを通じてしか開かない扉がある *絶望のあるところには必ず希望が隠れている 心を開くとは 他者を迎合することではない〜自らの非力を受け入れ、露呈し、変貌を切望すること
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「誰かを愛しむことは、いつも悲しみを育むことになる。」 たしかにズシンと射抜かれたような気持ちになっているのに、それを言葉にできない。。 静かに自分と話をしたいとき、また読むことになる本だと思う。
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◆きっかけ 俵万智さんの書評(https://allreviews.jp/review/813)を読んで読みたくなって。2018/3/21
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はじめての大失恋のあとしばらくしてこの本に出会う。きっと巡り会うタイミングだったのだ。電車の中でも涙がこぼれた。とてもとても心の深く染み込みときに突き刺さる言葉。コトバ。万葉集の時代から、人類はコトバで表現してきたのだな。嗚呼、わたしもコトバに救われる。
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