1,800円以上の注文で送料無料

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 の商品レビュー

3.8

463件のお客様レビュー

  1. 5つ

    90

  2. 4つ

    173

  3. 3つ

    114

  4. 2つ

    22

  5. 1つ

    8

レビューを投稿

2024/05/02

あるいは、という言葉の多用がひっかかりすぎる。 この時代ならばフィンランドまできっと本当に視察旅行をしたのだろう。羨ましい。

Posted byブクログ

2024/04/15

【だって夜の冷たい海を一人で泳ぎ切れたんだから】 高校生の頃に読んだ時は意味が分からず途中で読むのをやめてしまった。20代後半になって改めて読むと、まったく同感ということばかりになっていた。 人の人生と自分の人生が離れていく感覚を、私は5〜10年かけてゆっくり感覚的に体験した...

【だって夜の冷たい海を一人で泳ぎ切れたんだから】 高校生の頃に読んだ時は意味が分からず途中で読むのをやめてしまった。20代後半になって改めて読むと、まったく同感ということばかりになっていた。 人の人生と自分の人生が離れていく感覚を、私は5〜10年かけてゆっくり感覚的に体験したけれど、 多崎つくるは強制的に離されたことで人生の中のある一点として経験が残ってしまう。大人になってからその問題と向き合うので、感覚的なことが言語化されているところが読み応えがあった。

Posted byブクログ

2024/04/09

ここで終わるの?って思った作品でした。 村上春樹さんの本はノルウェイの森を読んで好きになったのですがノルウェイの森もあとちょっと何かが足りないそんな風に読み終えたあとに考えた事を思い出しました。 でもそんな風に思わせて、後の話はもしかして読者に考えさせるそんな事を狙っているのでは...

ここで終わるの?って思った作品でした。 村上春樹さんの本はノルウェイの森を読んで好きになったのですがノルウェイの森もあとちょっと何かが足りないそんな風に読み終えたあとに考えた事を思い出しました。 でもそんな風に思わせて、後の話はもしかして読者に考えさせるそんな事を狙っているのでは?と2作日目にして思いました。 両方の作品も共通して何処か客観的で本能的に生きているそんな主人公が出てくる事、そして女性の考えが魅力的であり、主人公が影響を受けている事が共通しており、伝えたい事や読ませたい場所は女性が語っている事が多く感じる。その上でこの作品を思い返すとやはり沙羅の言動には何か引っ掛かる事が多くあり、もう一度この作品を読み返したいと思いました。

Posted byブクログ

2024/04/07

高校生の時、運命に導かれるようにして出会った5人。綺麗な五角形のように完璧な調和を創っていた5人から突然つくるは追い出されることになる。絶望の底に長い間いたつくるは、とある年上の女性と出会うことで昔の過去と向き合うことを決意する。過去と向き合う事で新たな真実、それぞれの秘めていた...

高校生の時、運命に導かれるようにして出会った5人。綺麗な五角形のように完璧な調和を創っていた5人から突然つくるは追い出されることになる。絶望の底に長い間いたつくるは、とある年上の女性と出会うことで昔の過去と向き合うことを決意する。過去と向き合う事で新たな真実、それぞれの秘めていた思いなどが明らかにされていく。凄惨な現実、もう戻れない過去、それぞれの今などが明らかにされていく中で悲しみと後悔を感じながらも絶望の底から這い出していくという物語。 主人公が誠実な人物の作品はとても軽快に読み進めることが出来る気がする。小説の人物ほど自分について理解して、他人に対して思考したい。たった一度の人生だもの。

Posted byブクログ

2024/03/26

主人公の苦悩がうねうねしてて正確に理解しづらいが、人の苦悩とはそういうものかもしれない。 今の僕には非常に難しい作品だったと思う。

Posted byブクログ

2024/03/22

主人公・多崎つくるは高校時代に四人の親友(アカ・アオ・シロ・クロ)と多くの時間を共にしていたが、大学二年のときに理由もなく突如グループから追放されてしまう。つくるは大変なショックを受け、一時は自殺を考えるほどの失意に暮れていた。あれから16年。あるとき現在の彼女にその過去を打ち明...

主人公・多崎つくるは高校時代に四人の親友(アカ・アオ・シロ・クロ)と多くの時間を共にしていたが、大学二年のときに理由もなく突如グループから追放されてしまう。つくるは大変なショックを受け、一時は自殺を考えるほどの失意に暮れていた。あれから16年。あるとき現在の彼女にその過去を打ち明ける。彼女から今のつくるには、当時の喪失感や孤独感を未だに抱えていると指摘される。過去を乗り越えるため、つくるは真相を知るべく、巡礼に出向く。 ——— 村上春樹の作品で一番好きな1Q84と同じぐらい好きかも、と思えるような美しい作品だった。本作は420ページ一冊だけという他の村上春樹作品に比べると短い部類ではあるが、これが非常にちょうど良いボリューム感だった。また、過去の親友のもとへ一人一人訪ねて真相を聞き出すところが、さながらミステリー小説かのようなワクワク感があって面白かった。あとは、作中でフィンランドの舞台が登場したことで、もともとあった漠然とした行ってみたい欲が更に高まった。ヘルシンキ、ハメーンリンナ、自然豊かで楽しそう〜!一度は訪れてみたい!! それと、つくるが作中でやっていた、カティサークというお酒を小さなグラスで飲みながらの読書もしてみたい(影響されやすい)

Posted byブクログ

2024/03/16

村上春樹の作品は初めてだった。 色々なことがモヤっとしてしまうのでおすすめはできないかな...。文章は読みやすくて続きが楽しみになる作品でした。

Posted byブクログ

2024/03/08

色彩を持たないと思い込んでいる多崎つくる。 死に追い詰められるぐらい心に深い傷を負い、年上の彼女に導かれながら立ち直っていく様子が描かれていて、読了後は心に少しの清涼感が残った。 ただ、灰と緑がどう関連しているのか、自分には読み取れなかった。時間をおいて再読してみたいと思う。

Posted byブクログ

2024/03/01

【残った伏線】 シロを襲った悪霊 灰原?かなぜ去ったのか 緑川?の手提げ袋や、特定の色の人に死を引き渡すこと サラがつくるを最後に選ぶか 【感想】 設定が凄く好きでスラスラ読めた。 緑川の「特定の色」が、シロを殺した?と勝手に考えながら読み進んだが、意外と関係無かった。 シロが...

【残った伏線】 シロを襲った悪霊 灰原?かなぜ去ったのか 緑川?の手提げ袋や、特定の色の人に死を引き渡すこと サラがつくるを最後に選ぶか 【感想】 設定が凄く好きでスラスラ読めた。 緑川の「特定の色」が、シロを殺した?と勝手に考えながら読み進んだが、意外と関係無かった。 シロが「5人の関係維持に耐えれなく、つくるをレイプ犯に」がすんなり理解できなかった。 つくるの自己評価低すぎ。

Posted byブクログ

2024/02/29

まずタイトルと設定と主人公の名前が本当に好きすぎる。「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」。 アカ、アオ、シロ、クロ、と多崎つくるの、かけがえのない5人組。突然それが無くなった日。死ぬことだけを考えた時期。1人で海を泳ぎ切って生き抜いた日。 大学生になってからの灰田(彼もま...

まずタイトルと設定と主人公の名前が本当に好きすぎる。「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」。 アカ、アオ、シロ、クロ、と多崎つくるの、かけがえのない5人組。突然それが無くなった日。死ぬことだけを考えた時期。1人で海を泳ぎ切って生き抜いた日。 大学生になってからの灰田(彼もまたグレー。)との日々。そして大人になってからの沙羅との出会い。 彼女の助言によりかつての色のメンバーのもとを訪ね歩いていく。真実を知り、自分について、人生について考える。 リストの「巡礼の年」の楽曲。 多崎つくるが自分で見つけた答え。 分厚いようだけどサクサク読めて、最後は爽やかに読み終えた。多崎つくるくんのことをすごく好きになってしまう。君はもっと自信と勇気を持っていいんだよ、と。 5人でなら実現された「完璧」は、ずっと続くわけがなくて、それに気付いてそれに耐えられなくて心のバランスが崩れてしまったシロの気持ちが分からなくもない。いや分からんけど。感受性が人一倍豊かならなおさら、終わることが怖くて、変わることが辛い。今が幸せであればあるほど明日が怖い、幸せに慣れない人。自分でそのバランスを崩すために、リンクがいちばん弱っていた多崎つくるにレイプされたと嘘をついた。その弱さと、嘘だと分かりながら多崎つくるを追放した他の3人の弱さ。 ただ誰がどんなに足掻いても崩れるものはいつか崩れるわけで、多崎つくるが抜けた後の4人はそれはそれでダメだった。 多崎つくるの見る性的な夢は、シロとクロと、さらに灰田が関わってくるのもよく分からない。自分の中の性的欲求が夢として出てくるんだろうけど、どういうことなんでしょう。性的欲求は誰にでもあるからな。 村上春樹のひらがな4文字返しかっこよすぎる。「あるいは」。 p22 最初に沙羅会ったとき、どこかから延びてきた匿名の指先によって、その背中のスイッチがしっかり押し込まれた感触があった。 恋に落ちたことをこうやって表現できる村上春樹すき。 p285 シャワーを浴びて服を着替えたときにはもう夕方になっていた。しかし窓の外は真昼のように明るかった。空にはくっきりと白い半月が浮かんでいた。まるで使い古された軽石みたいに見えた。誰かが空に放り投げ、それが何らかの理由でそのまま留まったのだ。 空に浮かぶ月をこうやって表現する村上春樹すき。 p420 すべてが時の流れに消えてしまったわけじゃないんだ。 僕らはあのころ何かを強く信じていたし、何かを強く信じることのできる自分を持っていた。そんな思いがそのままどこかに虚しく消えてしまうことはない

Posted byブクログ