なごり歌 の商品レビュー
「きっと今は、寂しい道なのよ」 時に人生は道に例えられる。 険しい道、平坦な道、曲がりくねった道、寂しい道。 楽しい道なんて少ないかもしれない。 それはよくよく目を凝らさないと見えないかもしれない。 陰に咲く花のように。 前だけを見ていたら気付けないもの。 ゆうらりと、時々...
「きっと今は、寂しい道なのよ」 時に人生は道に例えられる。 険しい道、平坦な道、曲がりくねった道、寂しい道。 楽しい道なんて少ないかもしれない。 それはよくよく目を凝らさないと見えないかもしれない。 陰に咲く花のように。 前だけを見ていたら気付けないもの。 ゆうらりと、時々よそ見をして、休み休み、歩いていこう。
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内容(「BOOK」データベースより) 昭和48年、小学校3年生の裕樹は県境に建つ虹ヶ本団地に越してきた。一人ぼっちの夏休みを持て余していたが、同じ歳のケンジと仲良くなる「遠くの友だち」。あなたの奥さまは私の妻なんです―。お見合い9回の末やっと結婚にこぎつけた仁志が突然現れた男にそ...
内容(「BOOK」データベースより) 昭和48年、小学校3年生の裕樹は県境に建つ虹ヶ本団地に越してきた。一人ぼっちの夏休みを持て余していたが、同じ歳のケンジと仲良くなる「遠くの友だち」。あなたの奥さまは私の妻なんです―。お見合い9回の末やっと結婚にこぎつけた仁志が突然現れた男にそう告げられる「秋に来た男」。あのころ、巨大団地は未来と希望の象徴だった。切なさと懐かしさが止まらない、連作短編集。 昭和小説の申し子とでもいうべき郷愁専門作家「朱川湊人」。ジャストの世代には甘酸っぱい時代の空気を胸いっぱいに吸い込ませ。その後の世代には昭和という時代への羨望を抱かせます。ネットも携帯電話も無い時代、今の人々が見ると不便極まりないと思うのでしょうが、どんどん時代が進んで行っているスピード感は昔の方が絶対にあったし、どんどん便利になっているという感覚でした。僕はもうちょっと後の世代なのですが、この時代の尻尾に属していたと思っています。 昭和賛美をするつもりはないです。何しろ高度経済成長真っ只中で、川は汚いし空気も汚い。煤煙で空はいつもぼんやりとした青で、人々の価値観も人よりも少しでも勝つ事を目指していたような気がします。 それでも人々は画面の前に縋りつく事も無く、近所の人々と交流してお互いに助け合い、商店には活気があふれて、頑張れば豊かになれるという希望がありました。多分に理想のフィルターが掛かっていますが、懐かしい時代だったなあと思い返します。 以前の「かたみ歌」は商店街、今回は団地です。マンモス団地という名前も懐かしいですね。色々な社会的問題は置いておいて、各々の心の中にある美化された昭和を想起させる、黄昏を感じさせる短編集です。こういう胸の奥に温めた密を滴らせるような物語を書かせたら天下一品です。
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朱川湊人さんの作品に出会ったのは 本作「なごり歌」の前の作品「かたみ歌」 でした。 前回は一つの商店街を 中心とした不思議な物語が オムニバス形式でのストーリーとして 確立しているんですが 全ての作品の登場人物が どこかで繋がってると言うところが ”世間は狭いね”と言う感じてと...
朱川湊人さんの作品に出会ったのは 本作「なごり歌」の前の作品「かたみ歌」 でした。 前回は一つの商店街を 中心とした不思議な物語が オムニバス形式でのストーリーとして 確立しているんですが 全ての作品の登場人物が どこかで繋がってると言うところが ”世間は狭いね”と言う感じてとても 好感を持てました 設定も「アカシアの雨がやむとき」が 流行っていた1960年代で 平成産まれの私が読んでも どこか懐かしく ノスタルジーを感じる風景を感じれます 本作は”3億円事件”の時効が成立する… と言う内容が出て来るので1975年辺りの とある団地で起きる不思議なお話しと そこに住む人たちを描いた物語です その時代の独特の感性や 不便であるがゆえの 人の暖かみが、じーーんわり 胸に染み渡ります 決して派手なお話しでは無いのですが まるでその時代に タイムスリップしたかのような 情景や、ストーリー その中でも 人と人が関わる上で ”今も昔も変わらない事もあるんだなー”と 優しい余韻の残る作品でした✨
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昭和40~50年代の団地、住んではないけど、懐かしい。個々の短編の話が連動してるんだけど、ちょっとややこしかった。
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昭和40年代後半から50年代にかけて、マンモス団地を舞台にした7編からなる連作短編集です。 全て優しさと哀しさ、ちょっぴりの不思議感に満ちた、まさにこれぞ朱川湊人ワールド。個人的には「ゆうらり飛行機」が好きですね。
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色々な運命を背負い、色々な生き方をしてきた人達が寄り集まっていた"アノ頃"の団地を舞台に切なくホロ苦い話が取りまとめられた連作短編。本作で恐らく著者が言いたいのは、『人生生き急ぐのでは無く、時には息を抜き空を見上げ、過程そのものの美しさや素晴らしさを感じるのも...
色々な運命を背負い、色々な生き方をしてきた人達が寄り集まっていた"アノ頃"の団地を舞台に切なくホロ苦い話が取りまとめられた連作短編。本作で恐らく著者が言いたいのは、『人生生き急ぐのでは無く、時には息を抜き空を見上げ、過程そのものの美しさや素晴らしさを感じるのも大事だよ』ではないだろうか。♪人生は〜紙飛行機〜と某朝ドラの主題歌を僕が口ずさんでしまった様に、作中にもラジオから流れたり、口ずさんだりして出てくる当時の流行歌がノスタルジックに拍車を掛ける。絶妙なシンミリ感と優しさの本作。やっぱり朱川湊人はいい。
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昭和の子供の頃のことを思い出して ちょっと感傷的になりながら読んでいました。 巨大団地という特殊な場所で いろいろな人たちの思いが重なり、すれ違い、通り過ぎる 朱川さんの小説も好きだな
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巨大団地を舞台にした懐かしさ一杯の、連作短編集なのだけれど、読み出して最初の話「遠くの友達」に出てくる「雷獣」に驚いた。 ついさっきまで読んでいた山本周五郎の短編集「人情裏長屋」で仲の良い籠かきの喧嘩の原因になったのものひとつが「雷獣」だったのです。 二つの作品に関係がある訳では...
巨大団地を舞台にした懐かしさ一杯の、連作短編集なのだけれど、読み出して最初の話「遠くの友達」に出てくる「雷獣」に驚いた。 ついさっきまで読んでいた山本周五郎の短編集「人情裏長屋」で仲の良い籠かきの喧嘩の原因になったのものひとつが「雷獣」だったのです。 二つの作品に関係がある訳ではないのですが面白い巡り合わせでした。
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巨大団地が未来と希望の象徴だった昭和の時代。今を生きる人と過去の人、そして不思議な生き物『雷獣』。必然と偶然の交流がさわやかな感動をよぶ連作短編集。 お気に入りは「ゆうらり飛行機」。速さや高さを求めることなく、ゆっくりゆっくり、全部ゆっくりとその道を進もうと、主人公を諭す老人の言...
巨大団地が未来と希望の象徴だった昭和の時代。今を生きる人と過去の人、そして不思議な生き物『雷獣』。必然と偶然の交流がさわやかな感動をよぶ連作短編集。 お気に入りは「ゆうらり飛行機」。速さや高さを求めることなく、ゆっくりゆっくり、全部ゆっくりとその道を進もうと、主人公を諭す老人の言葉から奇跡が起こる。子を持つ親なら感涙です。 そして、「今は寂しい道」の『今は寂しい道ーこの道を歩き通せば、きっと、また会える』って言葉が美しい。全編通して優しい昭和ノスタルジーに浸れる作品。
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『かたみ歌』の続編ということで期待して読んだけど。。。 『かたみ歌』を読んだのは2008年。もう7年も経つとすっかり話は忘れちゃってます。でも、舞台も違えば(商店街と団地)登場人物も違うようで、同年代(昭和)を描いた事と、タイトルくらいでしょうか。 朱川さんと言えばどうしてもノ...
『かたみ歌』の続編ということで期待して読んだけど。。。 『かたみ歌』を読んだのは2008年。もう7年も経つとすっかり話は忘れちゃってます。でも、舞台も違えば(商店街と団地)登場人物も違うようで、同年代(昭和)を描いた事と、タイトルくらいでしょうか。 朱川さんと言えばどうしてもノスタルジックなソフトホラーというイメージなのですが、どうも私にとって当たりはずれのある作家さんらしく。この作品も私の世代としてはノスタルジーは強く感じ、そこは良いのですが、人物の心象などがどこか説明的な気がして、情緒として伝わってこないような気がします。
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