ぼくが本を読まない理由 の商品レビュー

ジャネット・ダージン(著者),小寺敦子(訳者),ジェイク・タージン

2018/12/03

本を読むことより、大切なことがあるんだ。

主人公デレクは、楽しい夏休みを前に、〈夏休みの読書リスト〉なんかを示されてうんざり。偶然見つけた古い新聞記事の謎を解く方が絶対面白いのに。でも、夏期講習で出会った先生に、ある方法を提案されて、それなら、と読み始める。父さんの仕事、母さんの思い、デレクが夏休みに学んだことは。

なぜ本を読むのか、の問いは、人には物語が必要だから。〈夏休みの読書リスト〉は、自分にとって必要でなくても、自分の人生という物語を読むのは、興味深いこと。大事なのは想像力。本を読むときも、生きるのにも、必要なのは、想像力。とぼけた感じの絵が面白かった。

2017/01/08

漫画は好きだけど、本を読むのはキライな12歳の少年の夏休みのお話。

「ヒーロー級の活躍をする犬の話、障害を乗り越えて生きる少年と、その少年を助けるワザを身につけた素晴らしいサルの話、おぼれて死んだ少女と、あとに残された友だちの話…」

ひと夏に盛りだくさんの物語。本を読まなくても自分自身が物語。
少し重たい自分の過去を知って、真実を明らかにしたり、ウマの合わなかったクラスメイトと意外な瞬間に打ち解けられたり、12歳の少年が自分自身についてとてもよく考えながらちゃんと答えを見つけられている。

挿絵がとてもかわいいのだけど、これを描いたのが14歳の少年というのも驚いた！
珍しい横書きで挿絵もかわいく、本がニガテな人でも楽しく読める本だと思う！

2016/04/12

読書嫌いのデレクは、夏休みの本を読んで感想文を書く宿題にがっくり。そのうえ、獣医のお母さんとアニメーションのイラストレーターのお父さんは二人とも忙しくて、夏休みにどこへも行けそうにない。そんなデレクは、屋根裏から古い新聞記事を発見。その内容を調べていくうちに、自分が覚えていない自分の幼いころの大事件を知る。
これがきっかけで、デレクと両親は祖母を訪ねて旅行に行くことになるのだが、デレクの本当の目的は…？

自分の知らなかった自分の過去を知り、驚くデレク。その過去を確認しながら、苦手な読書を自分なりのやり方で乗り越えていく。

マンロー・リーフのようなイラストで、わからなかった言葉をメモしていくデレク。はじめは、それが何になるのかわからなかったけれど、自分の弱点を乗り越えていくウマイ方法になっていて面白い。

2016/03/05

ぼくが読む本はまんがだけ。読みたくもない本を3冊も読む宿題なんて冗談じゃない。本を読ませようとするお母さんから逃げて屋根裏部屋に上がったぼくは、昔の新聞記事をみつけた。どこかの女の子がおぼれて死んだという記事。なんでこんな記事をわざわざとってあるんだろう？僕はこの謎を解くことにしたんだけど…。横書きでイラストがちりばめられ、ふざけた本かと思ったら意外にシリアス。謎に導かれるようにストーリーが進んでいきます。