1,800円以上の注文で送料無料

ニュートリノで探る宇宙と素粒子 の商品レビュー

4

6件のお客様レビュー

  1. 5つ

    0

  2. 4つ

    5

  3. 3つ

    0

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2018/05/18

素粒子がいっぱいあってややこしい ニュートリノは衝突しないので検出が難しいからでっかい観測装置作ってひたすら待つというのは面白い ニュートリノ軸で天文学や地球物理学など様々な研究があるのは重要性が分かる

Posted byブクログ

2016/10/15

梶田先生直筆。内容はカミオカンデ以降のニュートリノ研究の最先端の話だが、ライブ感もあるし、非常にわかりやすいのに、データも適切に掲載されていて、説明のための誤魔化しが一切ない。科学書籍のありかたとしても、素晴らしい書物である。

Posted byブクログ

2016/06/03

物理学は理論と実験の両輪が必要なわけだが、梶田先生は実験寄りの立場なのでカミオカンデに水を張るのに研究者や院生が総出でゴムボート出して作業したとか、南アフリカの元金鉱が地下1000メートルまで掘り下げられた(この金欲のものすごさ)壮大な跡地をカミオカンデと似た実験場にしているとか...

物理学は理論と実験の両輪が必要なわけだが、梶田先生は実験寄りの立場なのでカミオカンデに水を張るのに研究者や院生が総出でゴムボート出して作業したとか、南アフリカの元金鉱が地下1000メートルまで掘り下げられた(この金欲のものすごさ)壮大な跡地をカミオカンデと似た実験場にしているとか純粋な物理理論の解説よりは身近で具体的な説明が多くてわかりやすい。 とはいっても理論の部分は相当に難しくて別に解説署を先に読んでおいた方がいいかもしれない。

Posted byブクログ

2016/03/08

専門的な用語も噛み砕いて、一般読者に届く内容にしてくれている。非常に冷静で沈着な筆致。 ニュートリノ振動を理解するための肝である「混合角」は量子力学になじんでいないと辛いかも。 ・太陽の寿命は100億年と長いのは、最初の核融合に反応しにくいニュートリノが関わっているため。 ・...

専門的な用語も噛み砕いて、一般読者に届く内容にしてくれている。非常に冷静で沈着な筆致。 ニュートリノ振動を理解するための肝である「混合角」は量子力学になじんでいないと辛いかも。 ・太陽の寿命は100億年と長いのは、最初の核融合に反応しにくいニュートリノが関わっているため。 ・ニュートリノが姿を変える → ニュートリノの時間は進む → ニュートリノは光よりもゆっくり進んでいる → ニュートリノには重さがある:特殊相対性理論から。 ・一番重いニュートリノの質量は電子の1000万分の1。 ・シーソー機構。非常に重い未知の粒子の仮定。大統一理論との関連。ニュートリノがマヨナラ型(粒子と反粒子は同じ粒子。違う粒子はディラック型)であることが前提になっている。

Posted byブクログ

2016/11/23

2015年、ニュートリノの質量の存在を示すニュートリノ振動の発見によりノーベル賞を受賞した梶田さん自身によるニュートリノ研究の最前線の解説である。むろんかなり難しい話なのだが、深く理解された方による説明だからこそできる比較的平易な言葉で書かれており、専門家でなくても理解できる内容...

2015年、ニュートリノの質量の存在を示すニュートリノ振動の発見によりノーベル賞を受賞した梶田さん自身によるニュートリノ研究の最前線の解説である。むろんかなり難しい話なのだが、深く理解された方による説明だからこそできる比較的平易な言葉で書かれており、専門家でなくても理解できる内容になっている。ニュートリノが質量を持つという結論が、「ニュートリノが姿を変える → ニュートリノの時間が進む → ニュートリノは光よりもゆっくり進んでいる → ニュートリノには重さがある」というロジックの説明には納得。 実験ならではの苦労話(電子増幅管が壊れたこともあった)やカミオカンデの完成前の写真なども多数あり、この本ならではというところが随所にある。 著者はノーベル賞まで取りながらも、最初に「ニュートリノ研究に足を踏み入れて30年以上になりますが、まだまだ知らないことや、あやふやな知識があります。もしかすると細かい部分に間違いがあるかもしれません」などと断り書きを入れる。そこには著者の性格、もしくは実験物理学者としての慎重さがにじみ出ているように思う。また、実験物理学と理論物理学という同分野の両輪における互いの遠慮と尊重の精神が、この言葉には表れているのかもしれない。 それにしても、三種のニュートリノの質量や混合角などが実験をしないと確定できない、しかも予想されたものとかなり大きく違う、という事実は理論物理学の方面からは、どこか不完全さを感じるところなんだろうと思う。ダークマターもダークエネルギーもその正体がわかっていない。逆にニュートリノの実験が「大統一理論の世界の情報を運んできているのかもしれません」というように、実験を説明するための理論を構築することが求められているのかもしれない。 陽子の崩壊を捉えるために設計されたカミオカンデが、当初はノイズであったニュートリノの検出に使われ、ちょうど超新星爆発が起きるタイミングで観測を行っていたという偶然により超新星爆発によるニュートリノ生成を検出することになり、その後のニュートリノ実験の中心となり、小柴さん、梶田さんという二名のノーベル賞受賞者を生むこととなった。科学の発展に偶然が関わることはよくあることだが、それまでの苦労や工夫と行動を読むと、パスツールの「Chance favors the prepared mind」ー 幸運はよく準備された心を好む - という言葉を思い出した。 日本は実験宇宙物理学に強く、関連する科学者が著者としていくつかの解説本を出している。興味がある人はたとえば以下に挙げた本も併せて読まれるとよいかと。 『すごい実験 ― 高校生にもわかる素粒子物理の最前線』のレビュー http://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4781606245 『宇宙背景放射──「ビッグバン以前」の痕跡を探る』のレビュー http://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4087208079

Posted byブクログ

2016/02/12

このレベルの内容を、この平易さで書けるのはすごい能力だと思います。 科学的な発見は、あとから見ると、当たり前のように思えることが多いのですが、実際には、発見に至るまでの間に、様々な試行錯誤があるわけで、そのあたりの点についても、梶田先生の経験が丁寧に書かれた本です。 これ...

このレベルの内容を、この平易さで書けるのはすごい能力だと思います。 科学的な発見は、あとから見ると、当たり前のように思えることが多いのですが、実際には、発見に至るまでの間に、様々な試行錯誤があるわけで、そのあたりの点についても、梶田先生の経験が丁寧に書かれた本です。 これからニュートリノや素粒子、宇宙論を勉強してみたいと考えている人には、入門書としておすすめできる1冊です。

Posted byブクログ