空白を満たしなさい(上巻) の商品レビュー
死んだ人間が短期間生き返るというミステリアスな展開が面白かった。生き変えた元旦那とセックスした奥さんはその後、妊娠したのだろうか? どんどん生き返ったら地球はどうなるのだろう?、いろいろ問題提起があり楽しかった。
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さくさく読み進められる 作品世界がが独特なシチュエーション設定で面白い。 真実と自分の認識とが異なる、入れ替わってるという疑念が生まれる、気づくというのが面白い。 また佐伯という印象は悪いが、誰の中にも存在する必要悪、世間悪という感じがしてよく表現されている。 死ぬことは...
さくさく読み進められる 作品世界がが独特なシチュエーション設定で面白い。 真実と自分の認識とが異なる、入れ替わってるという疑念が生まれる、気づくというのが面白い。 また佐伯という印象は悪いが、誰の中にも存在する必要悪、世間悪という感じがしてよく表現されている。 死ぬことは無くなること。まだ意味が理解できたとは言えないが、残されてた人の気持ちを考えると的確に表しているのではないかと思った
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
上下巻通しての感想として。同著者の新書の『分人とは何か』を以前読んだときのことを思い出した。ゴッホの肖像画の話は、まさしく自分が絵画鑑賞をする際に思う部分がある。同じ人物がそれぞれ違う人のように見える。しかし、いずれもニセモノはおらず、すべて自分であるというところ。絵を描く人が自身をそのように描くということは、誰しもが、この本で記載のあるような「分人」を期せず併せ持っているのだと思う。あの人に対する自分。あちらの方に対する自分。親しい友人に対する自分。いずれも本物ということになる。 伊勢物語を引用する部分において、出家=社会的な分人を消すこと と捉える点もまた興味深かった。並大抵の覚悟ではできないようなこと。本当の自殺に至らずに済んだ人が多くいたのでは、という考え方にもなるほどと思う一方で、なぜこうした考え方があれだけ大河ドラマなどで出家の図が描かれているにもかかわらず、世間一般に浸透していかないのかとも思えてくる。 ======= 「世間は、傷ついた人の心がすっかり癒えてしまうことなど、絶対に許しませんからね。グジュグジュ、グジュグジュ、いつまでも膿んだままで、一生苦しみ続けるべきだと、まあ、呆れるほど陰湿に思い込んでますよ。表面上、明るく振る舞っているならかわいげもある。けど、本当に明るく生きるだなんて以ての外だ。なんて薄情な女なんだ。自分にも責任があるとは思わないのか、とね(佐伯)」(p.332)
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まず単純に、言われてみれば、人が死んで生き返ると、家族が喜んで全て元に戻るということじゃないんだなぁ...とに思う。死亡保険金、団体保険でチャラになったローン、失効した免許、もう居場所がない職場。 そして自殺を受け入れ捨てられたと傷ついている家族。社会は自殺した人の家族に、自殺し...
まず単純に、言われてみれば、人が死んで生き返ると、家族が喜んで全て元に戻るということじゃないんだなぁ...とに思う。死亡保険金、団体保険でチャラになったローン、失効した免許、もう居場所がない職場。 そして自殺を受け入れ捨てられたと傷ついている家族。社会は自殺した人の家族に、自殺した人の家族、という役割を押し付ける。 本人だけは受け入れられず。
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主人公がまさかの黄泉がえり!? 妻から聴かされる衝撃の事実!? 『あなたは自殺したのよ』 自分が自殺したとは思えない中、主人公の周囲の人達は自殺を受け入れていた・・・ 主人公は自分の死を受け入れることが出来ず自分を殺した犯人を探すことになるのだから・・・ 下巻が楽しみ...
主人公がまさかの黄泉がえり!? 妻から聴かされる衝撃の事実!? 『あなたは自殺したのよ』 自分が自殺したとは思えない中、主人公の周囲の人達は自殺を受け入れていた・・・ 主人公は自分の死を受け入れることが出来ず自分を殺した犯人を探すことになるのだから・・・ 下巻が楽しみです。
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話の展開が随分とゆっくりだー、と前半は感じていたのですが、それは長い溜めであったようで… 後半はページをめくる手が止まりませんでした。 カフカの「変身」では、主人公が虫になった理由は取り扱われていませんでしたが、こちらの小説では、主人公の身に起こった奇跡にじわじわと触れていくよう...
話の展開が随分とゆっくりだー、と前半は感じていたのですが、それは長い溜めであったようで… 後半はページをめくる手が止まりませんでした。 カフカの「変身」では、主人公が虫になった理由は取り扱われていませんでしたが、こちらの小説では、主人公の身に起こった奇跡にじわじわと触れていくようで、とても新鮮でした。 これまで平野さんの小説は何となく避けてきましたが、26歳になった今なら読めるようです。笑 下巻だけでなく、他の小説にも今後触れていけると思うと、とても楽しみです。
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人は自分自身ですら、その全てを理解することができないのかもしれない。自分が自覚していない分人(?)があるのかもしれない。もしかしたら、無意識に、自分も自殺してしまうかもしれない…。 平野啓一郎の小説(ここ数年の)を何冊か読んだが、心がギュッと握られるような苦しさを感じることが多い...
人は自分自身ですら、その全てを理解することができないのかもしれない。自分が自覚していない分人(?)があるのかもしれない。もしかしたら、無意識に、自分も自殺してしまうかもしれない…。 平野啓一郎の小説(ここ数年の)を何冊か読んだが、心がギュッと握られるような苦しさを感じることが多い。その点が、心地よく読める他の小説とは違った魅力なのかもしれない(この感じが苦手な人もいるかも)。 下巻の内容が気になる…!
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分人の考え方に共感できそうだったので読んでみたけど、その説明に至るまでのキャラ紹介?の段階で挫折しました、、 マチネの終わりにを書いたひとと同じとは思えないくらいの幅、ある意味すごいなぁと思うけどちょっと今の自分には読み進められる心のスペースがなかった、、 ので上巻途中で心折れ...
分人の考え方に共感できそうだったので読んでみたけど、その説明に至るまでのキャラ紹介?の段階で挫折しました、、 マチネの終わりにを書いたひとと同じとは思えないくらいの幅、ある意味すごいなぁと思うけどちょっと今の自分には読み進められる心のスペースがなかった、、 ので上巻途中で心折れてしまったけど、 読める日がくることを祈って一旦忘れようと思います
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なかなか最後に行き着くのに困難だった。 なんとか読み終えたという感じだ。 設定が苦手。 こんな本を読むことを読書と言うのかも。 ずいぶん前でレビューは忘れた。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
(後半にネタバレあり)会社の会議室で目覚め、帰宅した主人公は、妻から「あなたは3年前に死んだ」と告げられる。同じように生き返った人々は世界中にいるらしいが原因はわからない。自殺とされているが、殺されたのだという記憶から犯人を追ううちに、、、。 というだけなら、よくあるミステリーだが、「私とは何か」で「分人」という概念を提唱した作者が、概念だけでなく、実際にこういうことだという事例をうまく小説で表現した感じ。自分という人間は分割できない一個人ではなく、様々な性格や人格が混ざった分人の集まりでできており、その分人が互いに影響を与え合っている。良い影響なら良いのだが、中には認めたくない残虐・卑猥・尊大な自己もなくはないわけで、分人同士の対立が閾値を超えたり、一方を消し去りたいという思いが強すぎると自傷行為や自殺に繋がる。数年前に落ち込んだ時のことを思い出すとこの考え方はとてもよく理解できる。分人の存在は簡単には消せないので、納得して、上手く付き合って生活するのが良い。
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