吉原春情絵巻 恋に命を捧げまし の商品レビュー

吉田珠姫(著者),サマミヤアカザ

2019/03/21

良かったです。

実は、このシリーズの続編を先に読んで、初巻が後になってしまったのですが、まったく支障はありませんでした。
続きの巻が左源太の視点で語られているの対し、初巻は紅緒の視点で語られています。

吉原の外芸者の子紅緒は母亡き後、直参旗本の滝口家に引き取られ、嫡男として大切に育てられました。
しかし、紅緒に懸想した大名糸井の奸計により、養父が陥れられ切腹させられてしまいます。

父の敵を討つために、自ら古巣の苦界吉原に身を落とすことにした紅緒と、滝口家に姉を買いに来た女衒の左源太の運命的な出逢い。
更には、左源太が実は時の将軍の落胤だという秘密。
ラストは、自らを囮にした紅緒が糸井の卑劣な手に堕ちそうになった危機一髪のところ、左源太が登場します。
左源太は、愛する者のために、意に添わず将軍となることを決意し－。

読了後の感想としては、続きの巻よりコチラの方が良かったです。
引っかかるところがなく、すらすらと読めました。
まるで、時代劇を見ているようで、江戸期の吉原遊廓の雰囲気がよく出ていたと思います。