1,800円以上の注文で送料無料

英語化は愚民化 の商品レビュー

3.9

31件のお客様レビュー

  1. 5つ

    7

  2. 4つ

    14

  3. 3つ

    5

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    2

レビューを投稿

2015/08/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

英語化は愚民化 施光恒 母国語を捨て、外国語による近代化をはかった国で成功したものなどほとんどない。学問を英語で教えることにより、英語に時間をふんだんに割ける少数の特権階級だけが文化を独占することになってしまい、一般大衆と大きな格差と断絶が生じてしまうだろう。 モルレーは教育とは全世代までの伝統の蓄積にたって行われるべきものであり、まったく新しい基礎の上で成り立つものではない。 教育政策で変えていいものと悪いものがあるが、教育で用いる言語はもっとも変えてはならぬものと述べている。 近代化のプロセスで不可欠だったのが翻訳である。普遍と目された多様な外来の知を翻訳という作業を通じて各社会の既存の言語や文化のなかに適切に位置付ける。つまり、土着化さる。この翻訳と土着化は、言語的翻訳だけではなく、外来事物を解釈し、自分たちになじみやすいように、変容させ、それぞれの言語や文化のなかに適切に 位置付けられる。 日本人が英語が下手なのは。日本が近代化に成功し、英語を用いなくても生きていけるからである。 日本が目指すべき世界秩序は、それぞれの母語で豊かな人生を送る事ができることだ。 創造性は母語で思考する事によって磨かれる。

Posted byブクログ