キングを探せ の商品レビュー
四重交換殺人。 面識のない者達が集まり、それぞれが殺したい者を殺させる。面識がなければ、怨恨の線は薄れて、自らのアリバイは確保できる、が... 初めて読む著者だが、正統派ミステリという感じでした。起伏に乏しいというか、しっとりしてるな。
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2020/03/06読了 #このミス作品15冊目 最初に出された答えをただなぞるだけ と思いきや、 終盤で一気に展開が変わるのが見事。 文体に反して内容は緻密で 手戻りも多かったがそれもミステリの良さ。
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○ 総合評価 ★★★☆☆ 〇 サプライズ ★★★☆☆ 〇 熱中度 ★★★☆☆ 〇 インパクト ★★★☆☆ 〇 キャラクター★☆☆☆☆ 〇 読後感 ★★★☆☆ 「夢の島」,「イクル君」,「カネゴン」,「りさぴょん」。ニックネームで呼び合う全くの赤の他人の4人による交換殺人。その交換殺人に,法月警視と綸太郎のコンビが挑む。講談社ノベルス版のカバー袖には,「匿名かつ離散的な都市型犯罪を相手に,圧倒的データ不足に悩まされながら,仮想ロジックを積み重ねて未詳の犯人「キング」をあぶり出そうとする名探偵」とある。まさに,そういう作品。交換殺人による犯罪小説パートと,法月親子による謎解きミステリパートからなる。 まず,最初に描かれるのは,夢の島によるイクル君の伯父の殺害部分。かなりリアルな犯罪の様子が描かれる。このパートのポイントは,イクル君の伯父がタンス預金を守るために偽札を用意していたこと。夢の島はこの偽札の一部も持って帰り,脅迫を受けた際に振込に使おうとしたことが,夢の島の事故死と交換殺人の判明につながっていく。 離散的な都市型犯罪である見ず知らずの4人による交換殺人。犯罪のタイプ的に,名探偵に与えられる情報は圧倒的不足してしまい,名探偵が謎を解くことは困難。しかし,夢の島の交通事故とイクル君の伯父が残していた偽札から,複数の犯罪がつながり,法月は交換殺人の存在を知る。 物語全体の仕掛けとしては,そもそもタイトルがミスディレクション。キングを探せというタイトルながら,キングは存在しない。4人が交換殺人に利用したトランプは,エース,ジャック,クイーンとジョーカー。カネゴンとりさぴょんは,法月がキングが存在すると勘違いしている点を利用して,交換殺人が成立していないと見せ掛ける。夢の島の妻は自殺をしていた。「自絞死」。物語の最中で,夢の島を恐喝していた恐喝者の恐喝のネタ,自分の兄がしたように,夢の島の妻も自絞死だったのでは…という話が,真相だった。イクル君は,カネゴンとりさぴょんにより口封じのために殺害されていた。 法月綸太郎作品らしい,地味ながら堅実なミステリ。大技,力業はないが,細かい伏線がちりばめられている。力業はないといったが,交換殺人をしていた4人に「キング」がいない,いたのは「ジョーカー」という点は意外性があった。この作品の最大のインパクトである。しかし,その明かし方がそれほど効果的ではない。そもそも法月綸太郎の作風が意外性よりロジックの完成度を重視しているからだと思われるが,キングが存在せず,ジョーカーが存在していたこと,警察の勘違いを利用して生き残っていたカネゴンとりさぴょんの二人が罪を逃れようとしていた。そのことを見抜いた法月綸太郎が犯人を追い詰めるところが終盤にしっかりと描かれている。これはこれで面白くないわけではないが,意外性を効果的に演出できていない。 よくできた作品なんだけど,傑作とまで思えなかったのは,意外性がそこまで感じられなかったからだろう。こういう作風が好みではないのが難点。法月綸太郎の作品はどれもこのような雰囲気で,アベレージは高いが,作風が好みでないからか,読後,少し物足りなく感じてしまう。トータルの評価は★3で。
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このシリーズを読むのは久しぶりだ。今回は倒叙ミステリだった。 四重の交換殺人の謎に挑む法月親子。 叙述トリック的なところは少しずるい気がしたけれど、きれいに騙されてしまったので、とても楽しく読めた。 星5つ。
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【キングを探せ!】 交換殺人と気づくには、流石の法月倫太郎も偶然に助けてもらわなければならない。 しかし、その後の論理、理詰め、そして驚愕の「キング」! やられた、!
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4人の男性が交換殺人の計画に練るシーンから始まる。さて、誰が誰を殺害するのか…?はじめは順調かと思われた計画。やがて予定外の事が起きて綻び始める。倫太郎の豊かな想像力によって違う方向に流れる推理を横目に、一気に最後まで読むと…あちこちに張り巡らされた伏線が、いちいちツボにはまる。...
4人の男性が交換殺人の計画に練るシーンから始まる。さて、誰が誰を殺害するのか…?はじめは順調かと思われた計画。やがて予定外の事が起きて綻び始める。倫太郎の豊かな想像力によって違う方向に流れる推理を横目に、一気に最後まで読むと…あちこちに張り巡らされた伏線が、いちいちツボにはまる。タイトルがイカしてるね!面白かった。
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2018年6冊目。 最初何だか密室殺人ゲームみたいだなーと思ったら4重交換殺人というなかなかアクロバティックな話。 完全にそう思わされていたから後からえーってなったけど、細切れに読んでいたからか途中でこんがらがってしまった。 これは一気読みすべき作品だと思う。 そして、やっぱり好きだわ法月父子のやり取りw
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内容的にはありえない偶然の繰り返しで犯罪が成立してるけど、それを読者が見ぬくのは中々難しい。最初の時点で先入観を持たせられるので、最後の種明かしで自分が思い込みをしていたことに気付く。 結局一番得をしてるのは、あの人の友人のあの人だったな。
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うーん。 悪くないけど、インパクトに欠ける気がする。 本格ミステリ、っていう感じがしない... 倒叙ものは難しいです
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このミス2013年版8位。四重交換殺人という今までになかったパタンを扱った本格ミステリー。設定が斬新だけど、しっかりと事件が構成されている上に、それらが語られる順番が良く練られており、事件が発生する過程、解決していく過程がそれぞれ楽しめる。フーダニット(誰が犯人か)に加えて、何が...
このミス2013年版8位。四重交換殺人という今までになかったパタンを扱った本格ミステリー。設定が斬新だけど、しっかりと事件が構成されている上に、それらが語られる順番が良く練られており、事件が発生する過程、解決していく過程がそれぞれ楽しめる。フーダニット(誰が犯人か)に加えて、何が起こっているのかという興味が続く。テンポの良い展開で一気読みできる娯楽小説の最高峰です。パズル的な複雑さがあるんだけど、解決していく手順で丁寧に説明されていくのでわかりやすい。普通はトリックが優れている良くできた小説でも、面倒くさいので、小説読みながらページを戻ったりしてまじめに推理する気にはならないのだけど、この小説はちょうど自分のレベルに合っていて真相の推理とかしながら読んだ。少し、ご都合主義的なところは気になるけど娯楽小説としてはまあ良いのじゃないでしょうか。タイトルもグッドです。
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