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あなたを選んでくれるもの の商品レビュー

4.2

60件のお客様レビュー

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2018/03/20

「君とボクの虹色の世界」のミランダ・ジュライが、インターネットの網目からこぼれ落ちたオフビートな人たちと出逢い、話す。初めから相当な「引き」の強さを発揮するけれど、最後にたぐり寄せたミラクルには本当に鳥肌が立った。これ大好きだ。

Posted byブクログ

2017/04/18

映画の脚本に行き詰まり、現実との接点を見失いかけていた ミランダ・ジュライが、「ペニーセイバー」(売ります買いますというやつね)に広告を載せてる人たちに電話をかけては取材に行くという、まあいちおう、ノンフィクションの部類でしょうか。 彼女が出会う人々は、トランス中のMTFだったり...

映画の脚本に行き詰まり、現実との接点を見失いかけていた ミランダ・ジュライが、「ペニーセイバー」(売ります買いますというやつね)に広告を載せてる人たちに電話をかけては取材に行くという、まあいちおう、ノンフィクションの部類でしょうか。 彼女が出会う人々は、トランス中のMTFだったり、足首にGPSをつけてるヤクの売人だったり、写真の切り抜きで想像の家族を作っている引きこもりの青年だった李、とんでもなくぶっとんだキャンピングカーの住人だったりと、驚くべき人たちなのだが、どこか小説の登場人物たちのような感じがするのは、ややロマンチックなトーンで撮影された写真のせいだけどもなく、おそらくは、他人と話しているときでも実はつねに自分とだけ会話しているようなミランダの文章のせいなのでしょう。 現実の世界に触れたいんだといいつつ、実は自分の中から一歩も外に出て行かない感じが、言葉は悪いけど自意識過剰な中二病っぽく、それでいて最初からカメラマンと助手を連れていって取材費も払うあたりも、ちゃっかりしてる感じもあって、まあ結局いつものミランダ・ジュライだよね。 と思っていたら、最後に思いがけない展開に。たしかにこのジョーという人物はほんとに魅力的。そして彼が亡くなったあとに登場する彼の奥さんが話してくれるエピソードがまた、いい。 これでミランダが現実世界と向き合うようになったというわけではなく、たぶんちょっぴり触れ合い方が変わったんだろう。まあこういうぶっちゃけかたも彼女の描きだす世界の中にあるといえばそうなのだけど。それにしてもここに書かれた人たち、怒らなかったかしらねえ。

Posted byブクログ

2017/03/10

感動系?と思いきや、著者が取材相手に容赦ないとこ(すぐ帰りたがったり、もらいたての手作りスイーツをいくらも離れてないガソリンスタンドのごみ箱にぶっこんだり…)がダイスキすぎる。著者が監督した映画もみたい。

Posted byブクログ

2016/12/04

『断片的なものの社会学』岸政彦を読んだ後に購入した1冊。一つ一つは何てことない個々人のインタビューの集まりなんだけれど、ぜひ最後まで読んで欲しい。 その全てが愛おしくなる。

Posted byブクログ

2016/09/16

ペニー・セイバーというフリーペーパーに掲載された広告から、広告掲載主へ取材を申し込み、実際に掲載物やなぜ売ろうと思ったのか、などインタビューをしていくというお話。ネットだけの世界からは出会うことは決してなかっただろう人々の生活、抱えてる問題、夢など、人が好きな著者だからこそできた...

ペニー・セイバーというフリーペーパーに掲載された広告から、広告掲載主へ取材を申し込み、実際に掲載物やなぜ売ろうと思ったのか、などインタビューをしていくというお話。ネットだけの世界からは出会うことは決してなかっただろう人々の生活、抱えてる問題、夢など、人が好きな著者だからこそできた企画だっただろう。自分が見えている世界だけが世界ではないという当たり前のことを改めて感じさせてくれた本だった。

Posted byブクログ

2016/08/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ある映画のメイキング物として設定されたフィクションではないか、という疑念が最後まで抜けず。最後のエピソードもよくある話にしか思えなかった。

Posted byブクログ

2016/08/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

映画監督による一般人へのインタビュー集 フリーペーパーで売られているものが多彩であり そしてそれらを売っている人も多彩でした 映画に出てもらうことになったジョーの良さ、 著者がとても心を動かされたというところが 最初はあまり伝わってこなかったのが残念 ジョーがいなくなってからは彼の良さが伝わってきました インタビュー部分よりも著者の独白部分が面白かったかも

Posted byブクログ

2016/07/01

フリーペーパーに売買広告を出す人たちへのインタビューはそれぞれの暮らしを知って気持ちがやさしくなる。でもすごく好きな一冊ではあるけども、ミランダ・ジュライの感覚は少し正直過ぎる部分も感じた。

Posted byブクログ

2016/06/11

フツーの人たちの、強烈な個性。 それらに感化された著者は、中々進まなかった脚本を書き終わり、映画を完成させる。 何ということのない日々の美しさが尊い。

Posted byブクログ

2016/06/03

人に歴史あり、という言葉は良い意味で使われるけど、ここに出てくる人たちの歴史は暗くて重くて過剰で、それなのに悲惨なほど地味で、読んでいるうちだんだんと胸が苦しくなってくる。何よりも、自分の人生がまた誰かから見ればそうなのだという事実が迫ってくる。 それでも全員が自分の過ごした時...

人に歴史あり、という言葉は良い意味で使われるけど、ここに出てくる人たちの歴史は暗くて重くて過剰で、それなのに悲惨なほど地味で、読んでいるうちだんだんと胸が苦しくなってくる。何よりも、自分の人生がまた誰かから見ればそうなのだという事実が迫ってくる。 それでも全員が自分の過ごした時間を信じている。それが惨めで切なくて、この世界の多くの人の真実。 突飛なインタビューをやり遂げた著者の行動力と観察力がすごい。パソコンの前から立ち上がり、身をもって体験することでしか得られないもの。「ググればわかる」という危うい思い込みを粉砕する「生身」の底力。

Posted byブクログ