あなたを選んでくれるもの の商品レビュー
素晴らしく映画的。 フリーマガジンに変なものを「売ります」と出品している人たちにインタビュー、見えてくる本当にいろいろな人生のあり方、絶望の形。著者のスランプも相まって、pathetic な気持ちになってくるけど、最後の出会いが奇跡を運んで、救われる。 日本でもメルカリの出品者に...
素晴らしく映画的。 フリーマガジンに変なものを「売ります」と出品している人たちにインタビュー、見えてくる本当にいろいろな人生のあり方、絶望の形。著者のスランプも相まって、pathetic な気持ちになってくるけど、最後の出会いが奇跡を運んで、救われる。 日本でもメルカリの出品者に取材していったらこんな経験できるかしら。いやいや、かなり殺伐としそう…
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個々に出てくる人は全くの無関係。「売ります」のコーナーに投稿しているという以外ではなんの共通項もない。孤立し、大きな大義=物語のために生きていない。まぎれもなくポスト近代の物語だが、村上龍の『ライン』とは真逆の方向性である。人を信頼する、ときに迷惑なほど、無垢さをもっている。 ...
個々に出てくる人は全くの無関係。「売ります」のコーナーに投稿しているという以外ではなんの共通項もない。孤立し、大きな大義=物語のために生きていない。まぎれもなくポスト近代の物語だが、村上龍の『ライン』とは真逆の方向性である。人を信頼する、ときに迷惑なほど、無垢さをもっている。 最後のジョーで、ミランダは動かされてしまう。 その小ささに、生きる意味を感じるとは人間とはなんと愛おしい存在であろうか。
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映画監督、パフォーマー、小説家といろんな顔を持つミランダ・ジュライのフォト・ドキュメンタリー。 フリーペーパーの売買広告で出逢った人々にいろいろインタビューしていく。 ミランダの正直さ、観察眼と洞察力、そして独特のユーモアのセンスに感銘を受けつつ、人々のかけがえのない、他には過去...
映画監督、パフォーマー、小説家といろんな顔を持つミランダ・ジュライのフォト・ドキュメンタリー。 フリーペーパーの売買広告で出逢った人々にいろいろインタビューしていく。 ミランダの正直さ、観察眼と洞察力、そして独特のユーモアのセンスに感銘を受けつつ、人々のかけがえのない、他には過去にも現在にも未来にも存在しないたったひとつの人生に愛しさを覚えた。 ラストの章が特に感動的。 最後のある人物の言葉のあたたかさと切なさに胸がきゅうっとなった。
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いや、まあ、ほら、こういうのが、売れてもいいんじゃないかなあ。 ただ、岸本さんの翻訳は本当に素晴らしいと思います。
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確かに最後は感動的ではあるが、全体としては物足りなかった。もっと一人ひとりに深くつっこんでほしい、というか。
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胡散臭い自己啓発本みたいなタイトルだけど、中身はインタビュー集に近い内容。 自身の人生設計に悩みはじめた35歳の女性ライターが、状況を打破する答えを探すために見ず知らずの人たちにインタビューを行い続けるというもの。 著者は映画監督マイク・ミルズの嫁。インタビュー相手を冷静に観...
胡散臭い自己啓発本みたいなタイトルだけど、中身はインタビュー集に近い内容。 自身の人生設計に悩みはじめた35歳の女性ライターが、状況を打破する答えを探すために見ず知らずの人たちにインタビューを行い続けるというもの。 著者は映画監督マイク・ミルズの嫁。インタビュー相手を冷静に観察し、そこから得たものを元に、自分自身にフィードバックしていく様子は正直で人間臭くて良かった。 執筆時の筆者と年齢も境遇も重なるところがあるので、このタイミングで読めて良かった。人生において残された時間が少なくなるなかで、自分は何を指標にし、どこに進んでいくべきなのか。中年を目前にして焦ることもある。そんな気持ちを少し冷静にしてくれる一冊だった。 これらのインタビューを経て完成した映画『ザ・フューチャー』も観てみたい。
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小説かと思って読んだら、インタビュー集でした。 ミランダ・ジュライと色々な面白い人生を抱えた人たちとの、なんとなくズレているようでつながっていて、でもやっぱりズレてる、みたいなやりとりが絶妙。 ことばを拾うセンスに脱帽する。 他人や自分自身を見つめる著書の視点の暖かさと観察眼にほ...
小説かと思って読んだら、インタビュー集でした。 ミランダ・ジュライと色々な面白い人生を抱えた人たちとの、なんとなくズレているようでつながっていて、でもやっぱりズレてる、みたいなやりとりが絶妙。 ことばを拾うセンスに脱帽する。 他人や自分自身を見つめる著書の視点の暖かさと観察眼にほれぼれする。 また全編通して実は自分自身のスランプ物語だったという、トホホ加減もミランダ・ジュライっぽい
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以前、「ザ・フューチャー」という不思議感のある 映画を観た。その監督が作家と知りこの本を読んでみた。 内容は一言でいえばフリーペーパーに売買広告を出している人へのインタビュー集となるけれど、 どの人物にも濃い時間が流れていて圧倒される。 読み終わってタイトルの次のページにある 「...
以前、「ザ・フューチャー」という不思議感のある 映画を観た。その監督が作家と知りこの本を読んでみた。 内容は一言でいえばフリーペーパーに売買広告を出している人へのインタビュー集となるけれど、 どの人物にも濃い時間が流れていて圧倒される。 読み終わってタイトルの次のページにある 「ジョー・パターリックと奥さんのキャロリンに」 という言葉が胸にしみて、記憶が新しいうちに、 もう一度映画を観ておきたいと思うので 数日中にTSUTAYAに行きます!
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物を持ってる人、それを手放そうとしている人の、その物と自分との関係性、馴れ初めなどの話を、本人から聞いたインタビュー&写真集。それぞれの人の世界、宇宙がそこにはある。人には大した問題でもなく、というかそもそも関係ないわけだが、あるべくしてそこにあるように思えてくる。身の回...
物を持ってる人、それを手放そうとしている人の、その物と自分との関係性、馴れ初めなどの話を、本人から聞いたインタビュー&写真集。それぞれの人の世界、宇宙がそこにはある。人には大した問題でもなく、というかそもそも関係ないわけだが、あるべくしてそこにあるように思えてくる。身の回りを見回して、自分が大切にしてきた物を見やって、こいつとはどんな関係があったのか思ってみるのも面白いかも。物があなたを選ぶ、という視点の転換も鮮やか。
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すごく感銘をうけた。 著者の方の生きて行き方に、共感と、一種の憧憬を感じて。 ドキュメンタリーが、フィクションも追いつかないくらいの意外性をもってふくらんでいく。 その時、著者の感じた、率直な意見(結局聞きたいのは自分に正直なひとの意見)で、起こった出来事がストーリーになっていく...
すごく感銘をうけた。 著者の方の生きて行き方に、共感と、一種の憧憬を感じて。 ドキュメンタリーが、フィクションも追いつかないくらいの意外性をもってふくらんでいく。 その時、著者の感じた、率直な意見(結局聞きたいのは自分に正直なひとの意見)で、起こった出来事がストーリーになっていく。 うまく言えないけどここに書かれてあることを大切にしたい、しなくちゃと思った。
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