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明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち の商品レビュー

3.6

32件のお客様レビュー

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2024/02/07

まるで登場人物の回想を直接覗くような文章が大好きです。 澄川家の面々が幸せな家族を作ろうと励む姿に、家族とは?幸せとは?と考えさせられる内容で、ちょうど人生の岐路に立つ自分にとって、必要な時に出逢った必要な本でした。 この本は、私の人生のバイブル。

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2023/11/09

私の今までに似ている、と読者側が読みながら感情移入できるポイントを探していくような、占いみたいな印象を受ける小説。結局全員がママと曾祖母に似ている気がする。良くも悪くも家族だからかな。

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2023/05/21

"人を賢くするのは、人生経験の数でなく、他人事をいかに自分ごととして置きかえられるかどうかの能力に掛かっているのではないかと思う"という言葉が印象的だった。人の一生の中で経験できることは限られている。だからこそ本や映画、ニュースなどで想像力を育む事が大切なこと...

"人を賢くするのは、人生経験の数でなく、他人事をいかに自分ごととして置きかえられるかどうかの能力に掛かっているのではないかと思う"という言葉が印象的だった。人の一生の中で経験できることは限られている。だからこそ本や映画、ニュースなどで想像力を育む事が大切なことだと思った。 大切な家族が突然亡くなってしまう。残された家族の受け止め方もそれぞれにちがう。自分ならばどう感じるのだろうか。

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2023/03/01

明日、大事な人や自分が死ぬかもしれないという忘れがちな事実を、ずっと中心に据えて生きている人たちの話。 ラストは理解するというより、自分の中で解釈を作らないといけない。 とても良かったし、読み返して深く考えることのできる小説。昔読んでいた山田詠美作品とは一味違うが、彼女らしい節も...

明日、大事な人や自分が死ぬかもしれないという忘れがちな事実を、ずっと中心に据えて生きている人たちの話。 ラストは理解するというより、自分の中で解釈を作らないといけない。 とても良かったし、読み返して深く考えることのできる小説。昔読んでいた山田詠美作品とは一味違うが、彼女らしい節も健在で、そこがまた味わい深いと思う。

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2023/02/27

読者感想文に良さそうな本でした。 読みやすいしテーマ性があるし 感想が人によって変わりにくいかなぁと思う。 山田詠美さんとして読むと少し物足りない気はするけど 自分も歳をとったので、一緒に歳をとっていってる気がして 時の大切さを感じます。 これも成長ということで。

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2023/02/22

人間の複雑な感情とか心境をここまで鮮明に文章化できるってすごい。子供って本当、大人が思うよりいろんなことをよく見ているんだよね。ちょっと悲しくなりつつも、ひとりひとりが家族を想う心情が美しかったです。テーマがテーマなだけに気軽に読める話ではなかったけど、文章が綺麗でじっくり味わい...

人間の複雑な感情とか心境をここまで鮮明に文章化できるってすごい。子供って本当、大人が思うよりいろんなことをよく見ているんだよね。ちょっと悲しくなりつつも、ひとりひとりが家族を想う心情が美しかったです。テーマがテーマなだけに気軽に読める話ではなかったけど、文章が綺麗でじっくり味わいながら読めてよかったです。

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2022/04/27

ウクライナ侵攻の終わりが見えず、戦争と平和絡みで子どもと何か読もうと図書館に行き、絵本や児童書とはまったく別のコーナーでたまたまタイトルが目に飛び込んできたので借りて帰った。戦争の物語ではないけど、少し特別な家族の、少し特別な死を取り巻く話。 やっぱり山田詠美、面白いなぁ。きょう...

ウクライナ侵攻の終わりが見えず、戦争と平和絡みで子どもと何か読もうと図書館に行き、絵本や児童書とはまったく別のコーナーでたまたまタイトルが目に飛び込んできたので借りて帰った。戦争の物語ではないけど、少し特別な家族の、少し特別な死を取り巻く話。 やっぱり山田詠美、面白いなぁ。きょうだいの視点の各パートにそれぞれの味わいを感じつつ、今回心に残ったのは、家族ではない人の、(口ぐせの)「どってことない」も「ありがたい」も未来に対して使う言葉じゃない、という話。 あとは、人生経験そのものよりも、映画なんかをいかに自分のこととして捉えられるかがその人を形作るということ(表現は違うかな?)にも同意したい。これは今まさに起きている戦争と絡めて考えてみてもいいかも。

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2021/12/25

読みやすかったけど感想が難しい。 長男の不慮の死によって理想の家族の姿が失われてしまう。 『人を賢くするのって、(中略)他人ごとをいかに自分ごととして置き換えられるかどうかの能力に掛かっているのではないか』 『自分が死んだら、この人はどうなるんだろう、と思いを馳せる側の人間にな...

読みやすかったけど感想が難しい。 長男の不慮の死によって理想の家族の姿が失われてしまう。 『人を賢くするのって、(中略)他人ごとをいかに自分ごととして置き換えられるかどうかの能力に掛かっているのではないか』 『自分が死んだら、この人はどうなるんだろう、と思いを馳せる側の人間になりたい』 という末っ子の千絵の言葉が印象的だった。

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2021/08/09

夫に捨てられた妻(ママ)と、その息子、娘。 妻を病気で失った夫(マコパパ)と、幼い息子。 ママとマコパパが結婚し、五人の新たな家族を作る。 その時、四歳だった弟創太でさえ、家族を演じなくてはいけないことをわかっている。 アメリカン・アンティークで飾られた大きな家。 家の中を磨き...

夫に捨てられた妻(ママ)と、その息子、娘。 妻を病気で失った夫(マコパパ)と、幼い息子。 ママとマコパパが結婚し、五人の新たな家族を作る。 その時、四歳だった弟創太でさえ、家族を演じなくてはいけないことをわかっている。 アメリカン・アンティークで飾られた大きな家。 家の中を磨き、飾り、子どもたちには手作りの料理、おやつを食べさせる母親。 やがて、両親のもとに新しい子ども、千絵が生まれる。 子どもたちの必死な努力により、澄川家は美しい、完璧な家族に仕上がりつつあった。 ママの「特別な存在」であった長男澄生の死と、父の事業の不調で、一家は暗転する。 この小説は、構造的な面白さがある。 私が今書いたような、この一家の来歴は、長女真澄の視点から語られる。 そして、今まさに進行していく一家の崩壊を語る。 一家でただ一人、家族の虚構性を引き受けられない、つまり、血縁の絆を信じている「ママ」の無意識の加虐性を指摘するのは、彼女だ。 この配役の妙に唸ってしまう。 一方、創太の物語は、そこから十五年ほど時間が経ってからのこと。 成人した創太から、どん底の澄川家の状況が語られる。 家計を支えるために、お金のかかるエスカレーター式の私学で進学するのを諦める真澄。 同じく公立高校に転出し、友人を得る創太。 澄生の死により、「ママ」の愛を得られると期待したものの、決してかなわなかった彼の悲しみは切ない。 一方、姉の真澄と、血のつながりはないマコパパの間に、紛れもない愛情を見出すのも彼だ。 妹、千絵の語りになる第三章は、さらにその後のこと。 妹の目から、姉が失いたくない大事な人を作るのを怖がっていることが明かされていく。 そして、もはや苦しい治療を続ける気持ちを失っている病んだ母親の中に、自分への愛情がたしかにあることを見出すのもこの娘だ。 最終章には、不思議な緊張感が漂う。 澄生の死から解放されるために、澄生の命日ではなく、彼の誕生日を祝うことにする一家の姿が描かれる。 彼の死に囚われているのは、ママだけではないからだ。 マコパパの事業も再生し、真澄は恋人と順調に関係を深めている。 そして千絵の結婚。 澄川家の再生が感じられるこのパーティは、どこかはかなくもろいもののようにも見える。 千絵の語りの中に出てきた『アメリカン・ビューティ』の、夥しいバラの花びらが浮かんだバスタブで絶命した男の姿を思い出しながら。 物語の幕切れの見事さについては、詳しくは書かないことにする。

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2021/04/27

子連れ再婚、人生で最も愛する人(息子)を失い酒浸りになる母。そんな母を愛し、彼不在の家でも、何とか母を壊さないよう心を砕き家庭を前に進めていく家族の話。終始、そんな母なら見限れば?と思ってしまった…山田詠美さんの描く家族関係はノーマルから逸脱してる。今作も設定がまず突飛だし、父弟...

子連れ再婚、人生で最も愛する人(息子)を失い酒浸りになる母。そんな母を愛し、彼不在の家でも、何とか母を壊さないよう心を砕き家庭を前に進めていく家族の話。終始、そんな母なら見限れば?と思ってしまった…山田詠美さんの描く家族関係はノーマルから逸脱してる。今作も設定がまず突飛だし、父弟妹が不倫沼の娘を相手の元へ走らせたりも。早くに兄が急逝し、その影響が人生を占めていた子ども達が、皆ちゃんと恋したり愛せたりできるの凄いなと思った。家族には色んな形があっていい。本自体はそんなにだが、たまにグッとくるフレーズがあった。

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