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施設で育った子どもの自立支援 の商品レビュー

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4件のお客様レビュー

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2024/01/13

児童養護施設で育った子どもたちにどういった背景があるのか、また施設を出た後どういった暮らしになるのかが、非常にリアルにまとめられている。 両親の死別や病気といったやむを得ない事態に加え、虐待、ネグレクトで施設入りする子供たち。世の中にはまだ施設に入るべきだが、入ることができてい...

児童養護施設で育った子どもたちにどういった背景があるのか、また施設を出た後どういった暮らしになるのかが、非常にリアルにまとめられている。 両親の死別や病気といったやむを得ない事態に加え、虐待、ネグレクトで施設入りする子供たち。世の中にはまだ施設に入るべきだが、入ることができていない子どもも多い。 施設に入れたとしても、まだ施設によって運営方針は大きく異なり、子どもの将来を真剣に考えて、導いてくれる施設もあれば、とにかく生活で精一杯であり、早く施設から出ていってほしいという雰囲気の施設もある。 現状、多くの子どもが18歳での退所を余儀なくされるが、大学進学率は低く、働きながら1人で生活していくが、いきなり社会に放り出された高卒の子どもたちがまともに生活できるはずもなく、すぐに退職して非行に走ったり、風俗店に勤めたりしてしまっている。 またそうした子どもたちは人生に自暴自棄になり、希死念慮に苛まれるが、そうした子どもたちを支える仕組みは現状ない。 こうした現状に立ち向かう作者たちだが、作者の1人、大森先生は残念ながら施設の卒業生により殺害されてしまった。謹んでご冥福をお祈りする。

Posted byブクログ

2021/12/26

読んでよかったー!! 社会的養護のもとで育つ子どもたちが抱えさせられる問題や、支援する方々が大切にしていることについて知れます。 社会的養護に関心のある方、子どもと関わる方、ぜひ読んでみてください。

Posted byブクログ

2020/11/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

児童養護施設はどんな役割を担っているのか、今後の課題は何か、そこで育った子どもの想いはどんなか。 そんなことが書かれていて、児童養護施設のことを知るのにとても分かりやすい内容だった。 そこで育った子どもたちは、家庭の事情で親と生活が出来ない。そんな彼らが心に傷を負ったり、大人を信用できなくなったり、といったことはなんとなくわかっていたが、幸せの意味が分からないという話には、衝撃を受けた。 著者の一人、大森氏の言葉に激しく同意する。 「社会全体が、子どもの権利を守ることに真剣になり、必要な支援を当たり前に提供する。他人事ではなく、自分のこととして考えられるようにする。よく考えてみれば、それは自分たちのためにも必要なことだとわかるはずです」 何かするというよりも、他人事と考えないことが一番大切なのではないだろうか。

Posted byブクログ

2018/11/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

先日講演を聞いた子供の家施設長、早川悟司さんらによる共著。虐待などを受けて施設で育った子どもたちが抱える困難なエピソードと、それに対するかかわりのヒント、後半には子供支援の現場で働く共著者3人の思いがまとめられている。 エピソード中心で読みやすい(当事者が直接書いているわけではないと思われる)。親への思い、学力問題や中退、進学、就労、性の問題、自殺願望、借金、犯罪…。社会的に「問題」となる行動の中に潜む本人の思いや生い立ちが、苦しさとともに伝わってきて心にしみる。 ・意図的に養育放棄する積極的ネグレクトと、経済的理由などにより結果的におこる消極的ネグレクト。特に日本はひとり親家庭の貧困率が高く、不安定就労、長時間・夜間就労によりネグレクト状態を招きやすい。 ・施設から里親へのシフトが議論されているが、日本では諸外国に比べ施設も少ない、里親も少ないのが現状。親族里親がカウントされていない。施設か里親かよりも、学校や地域との継続性を重視し柔軟な支援体制を。

Posted byブクログ