院内カフェ の商品レビュー
人はちょっとした悩みをかかえていたり、病気に苦しめられたりしてなかなか生きていくのが難しい そんな中でもささやかな贈り物をもらったり、温かい言葉をかけてもらうと、心がぬくもりまた頑張ろうと思える。 そんな世界を描いたお話だった。
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院内カフェが舞台の小説というのが珍しくて手に取りました。 主人公のカフェ店員が売れない作家という設定も面白い。 街中のカフェと違ってお客様は患者さんやお見舞いに来た人、そして病院スタッフと限定されているものの、個性強めの常連客が。そんな常連客ウルメとゲジデント二人の関係は意外...
院内カフェが舞台の小説というのが珍しくて手に取りました。 主人公のカフェ店員が売れない作家という設定も面白い。 街中のカフェと違ってお客様は患者さんやお見舞いに来た人、そして病院スタッフと限定されているものの、個性強めの常連客が。そんな常連客ウルメとゲジデント二人の関係は意外でした。 親の介護が終わり、やっと自分のやりたい事が出来ると思った矢先に夫が難病で入院した主婦。彼女が壊れそうになるのはわかる気がします。静かなカフェは落ち着きますが、会話が丸聞こえなのは嫌ですね
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著者、中島たい子さん、どのような方かというと、ウィキペディアには次のように書かれています。 ---引用開始 中島 たい子(なかじま たいこ、1969年8月19日 - )は、日本の小説家、脚本家。 ---引用終了 で、本作の内容は、次のとおり。 ---引用開始 受診す...
著者、中島たい子さん、どのような方かというと、ウィキペディアには次のように書かれています。 ---引用開始 中島 たい子(なかじま たいこ、1969年8月19日 - )は、日本の小説家、脚本家。 ---引用終了 で、本作の内容は、次のとおり。 ---引用開始 受診するほど病気じゃない。入院するほど病んでない。けれど、どこか不安な私たちは、あのカフェで、病院の傍らにいることで、癒されている。過去にあそこで「何かが良くなった」経験があるからだ。『漢方小説』から10年。新たな舞台は総合病院のカフェ。ふた組の中年夫婦のこころと身体と病をえがく、カフェの醸し出す温かさが流れる長編小説。 ---引用終了 初読みの作家になります。 ・2005年、「漢方小説」で第132回芥川龍之介賞候補。 ・2006年、「この人と結婚するかも」で第133回芥川龍之介賞候補。 とのこと。 2年連続で芥川賞の候補にはなりましたが、受賞には至らなかったようです。 すんなりと受賞する方よりも、私には親近感が湧きますね。
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院内カフェに一歩入れば、彼らは「患者」でなく、私たちにとって「客」なのだ… 土日バイトの主婦、相田亮子は若いスタッフ村上君と接客に勤しむ。 亮子が(売れない)作家と知った彼は、仕事の合間にネタ話を披露。そんな穏やかな空気を一変させる事件が起こる。 カフェに常連客は付きもの。...
院内カフェに一歩入れば、彼らは「患者」でなく、私たちにとって「客」なのだ… 土日バイトの主婦、相田亮子は若いスタッフ村上君と接客に勤しむ。 亮子が(売れない)作家と知った彼は、仕事の合間にネタ話を披露。そんな穏やかな空気を一変させる事件が起こる。 カフェに常連客は付きもの。 黄緑のヤッケを着たウルメは日曜の夕方になるとやってくる。今日も「本日のコーヒーS」を注文した。白衣姿で体毛の濃いゲジデントもカプチーノMで長居をするので、本当の医師なのかどうか疑わしい。 クスッと笑える癒し系小説だろうと油断していたようだ。カフェで妻の朝子が、入院中の夫にソイラテをぶちまけるその瞬間まで… 人はそれぞれ悩みや不安を抱えて生きている。親の介護でストレスを溜めこむ朝子の言葉に身がつまされる思いがした。 「親孝行という、愛情と義務感が入り交じった言葉を支えに、これからも続けていくしかない」 両親を看取り、自分の人生を始めようとした矢先、今度は夫の孝昭が病気で入院することになった。 非常時ほど、その人間の本質が出る。 パートナーとの価値観のずれを感じた朝子が、虚しさからソイラテをぶちまけた思いはよくわかる。夫に初めて書いた朝子の手紙文に思わずウルっとなった。 私も病院のカフェのような立ち位置に自分を置くことができるだろうかと考えてしまった。 不妊で悩む亮子もどこかで気持ちに折り合いをつけようとしている。 逃げ場を作って病と闘わなければいけない小さな子もいる。 「この世は理不尽なことだらけ。病だけでなく、罪もないのに犠牲になる子供はあとをたたない」 孝昭は、やっと逃げずに病気と向き合う決心ができたようだ。妻のおかげで!! クリスマスイブに起きた最高に「いい話」に心がほっこり温かくなるラストがとても良かった。
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179ページの「自分が病めるときも、人を愛せるか?」という言葉に、軽く衝撃を受けました。 心身の不調や先の見えない治療という中にあって、他者を思いやり愛するという事は、とても難しい事のように感じました。 登場時には「げー」っと思わせられたゲジデントですが、読み進めていくと印象が変わって、胸の内に秘めた医者としての矜持を垣間見るようでした。 とても面白かったです。
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病院内のカフェを舞台とした群像劇。病気という高いハードルを、カフェという空間の敷居の低さがカモフラージュしている感じ。ほっこりと温かく、しかもサラッと軽く読める。「病める時も人を愛す」のは、病んでいる相手を愛すのか、病んでいる状況でも人を愛すのか。なぜか人は、自分は(今後も)健康...
病院内のカフェを舞台とした群像劇。病気という高いハードルを、カフェという空間の敷居の低さがカモフラージュしている感じ。ほっこりと温かく、しかもサラッと軽く読める。「病める時も人を愛す」のは、病んでいる相手を愛すのか、病んでいる状況でも人を愛すのか。なぜか人は、自分は(今後も)健康であると信じているものだ。
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我が家の近くの大学病院も、数年前にホテルのロビーのようにきれいになり、チェーン店のカフェがあるので、そこをイメージしながら読みました。 店員の動きや会話を読んでいると、こんなふうに働きたいなあなんて思ったり、病気や客として訪れた夫婦の事情など、暗くなりがちな話もテンポよく読めまし...
我が家の近くの大学病院も、数年前にホテルのロビーのようにきれいになり、チェーン店のカフェがあるので、そこをイメージしながら読みました。 店員の動きや会話を読んでいると、こんなふうに働きたいなあなんて思ったり、病気や客として訪れた夫婦の事情など、暗くなりがちな話もテンポよく読めました。
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院内カフェは、病院の中にある(おそらく全国チェーンの)カフェで、病院でも日常でもない場所です。客と店員、客同士、相手の名前を知り合う関係ではない中で、相手を思う少しの気持ちに励まされました。私自身も病院の中で、病院でも日常でもない場所と言えるところで働いているので、自身の仕事をが...
院内カフェは、病院の中にある(おそらく全国チェーンの)カフェで、病院でも日常でもない場所です。客と店員、客同士、相手の名前を知り合う関係ではない中で、相手を思う少しの気持ちに励まされました。私自身も病院の中で、病院でも日常でもない場所と言えるところで働いているので、自身の仕事をがんばろうと思いました。
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院内カフェを訪れるお客さんや 院内カフェの店員さんなどさまざまな視点から 描かれた物語。 親の介護に疲れ、旦那さんが難病になってしまった朝子さんの視点から描かれたお話が好きでした。 誰も悪くないからこそ、 どうしていいかわからないやるせない気持ち。 自分の気持ちをどう伝えたらいいか、 わからなくなるときって誰しもあると思います。 自分がいっぱいいっぱいだからこそ、 どうしたいのかも分からなくなって つらくなるのかなと感じました。 それぞれに悩みを抱えて生きているんだと 改めて思えた作品でした。
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カフェに勤めている人たちは少なからず「あの人たちはどういう人たちだろう」などと詮索しているのかな 人には「居場所」が必要
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