ニュータウンは黄昏れて の商品レビュー
かつて一世を風靡したニュータウンが年月を経て 様々な問題を抱えながらも 変わって行く様子が リアルに描かれてる それなりの年齢の私には 非常に身につまされる思いで 読み終えた。 ハッピーエンドでもなく 暗く終わった訳でもなく これからも考えていかなければならない 結末だった。
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いるいる、こういう人!(自分もか…)と想像しやすい理事会。議員になってしまったのは驚きだったけど、小説だし、羨ましい行動力! 高額な家を買う前にしっかり考えることが大切ですね。
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またまた垣谷美雨さん。 どれも面白いからね。 今回は、バブル真っただ中にニュータウンの分譲団地を買って、その後返済に大変苦しめられるというお話。 小説の中には書いてないけど、多摩ニュータウンの事だってわかるし、作者本人もその体験からこの小説を書いてるとあとがきにある。 私もちょうどバブル真っただ中に浜松で一戸建てを買った(建てた)が、東京は浜松の比ではないと思う。 私が大学の頃は聖蹟桜ヶ丘に住んでいたので、多摩ニュータウンも土地勘はあるが、やっぱり新宿、渋谷あたりに出るのは大変だったよ。 ちょうど多摩ニュータウンを建設中だったので、その後新しい路線が出来て多少は便利になったかもしれないけど。 都内の大地主の息子が出てくるが、これがどうしようもないボンボンで、お金に困っている人からすれば、つい引っかかってしまうんだろうな。 でも、この辺のくだりはちょっと怖い。 また、後編に一気に話が進むが、ちょっと希望が持てるような話なので救われる。 最近の映画やドラマ。 ストーリーに無理がある脚本とか、マンガを原作にしてるのとか、つまらない物が多いけど、垣谷美雨さんの作品を原作にしたら面白いドラマが出来ると思うんだけどなぁ。 人気俳優やアイドル使って視聴率稼ごうという安易なドラマや映画はやっぱりつまらないよ。
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駅から遠いニュータウン(団地)に住む人たちの悲哀物語。 自分もいわゆる公団に住んでいたので、その不便さたるやよく分かります。駅までバスで20分、しかも国道走るから渋滞に捕まることもしょっちゅうという、物語よりも劣悪なところ。両親もこんな想いを抱いて住んでいたのか(今も住んでるけど...
駅から遠いニュータウン(団地)に住む人たちの悲哀物語。 自分もいわゆる公団に住んでいたので、その不便さたるやよく分かります。駅までバスで20分、しかも国道走るから渋滞に捕まることもしょっちゅうという、物語よりも劣悪なところ。両親もこんな想いを抱いて住んでいたのか(今も住んでるけど)と思うと、なかなか胸が熱くなります。 奨学金を抱えたまま社会人になる辛さの一方、地主の金持ち坊ちゃんのロクでもなさがあったり、またそこにうまく乗っかる人もあり、人生色々だなーと思いました。 いつもの変な設定からのハッピーエンドという感じではなく、ちょっと深みのある終わり方で面白かったです。
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ニュータウンという概念をあまり意識してこなかったので新鮮な内容だった。自分がその世代ではないからか、バブル崩壊で負債が残るなどはピンと来ないテーマだった。
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今後も課題となる問題が溢れた小説。 マンションの建替え問題。空き家、高齢化、、解決しなければいけない問題は沢山。
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昔、家庭教師先のお母様が、バブルの頃に買った家だから金利が高いとよく愚痴っていた。大学生だった私はいまいちピンと来なかったが、頼子のような気持ちだったのかもしれない。 ニュータウン老朽化問題は社会問題だと思うが、きちんとメディアに取り上げられていない。一室をリノベーションして若者世代を呼び込むという対応策を取っているところもあるが、もっと国全体で考えるべき問題なのではないかと思った。 この話はただ団地住まいの主人公がローン地獄に苦しむ話ではなく、登場人物全員が時代に翻弄されながらも人生に向き合う話。そして黛の存在が良いスパイスとなり、一気読みできた。
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マンション買うのが恐ろしくなる本。 お金に苦しむのは読んでて辛くて時間がかかってしまった。 家は自分の居場所だから、マイホームに憧れているけど、無理して自分の自由を失うくらいなら、その時その時のニーズに応じた賃貸のほうが身軽でいいという考えに落ち着く。 人生、お金だけじゃない。
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この人の作品全般に言えることかもしれませんが、キャラクターに対して補正をかけることがないため、フラットにそれぞれのキャラクターの人生が描かれている。 以下、ネタバレあり。 みきこは、やっぱりお金がある人生、裕福な暮らしがしたいけど実際にそれを手に入れたともみの幸せを心から祝福...
この人の作品全般に言えることかもしれませんが、キャラクターに対して補正をかけることがないため、フラットにそれぞれのキャラクターの人生が描かれている。 以下、ネタバレあり。 みきこは、やっぱりお金がある人生、裕福な暮らしがしたいけど実際にそれを手に入れたともみの幸せを心から祝福できず。 ことりは、今の生活が十分に幸せであると、お金はある程度あればそれで良いという意識を持ち始めるが、やはりそれでもともみの暮らしへの羨ましさを隠せない。 ともみは、お金を持つということが自身のやりたいことへの近道であると割り切り、幸せを掴んだ。
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読み物としては面白かった! 垣谷美雨さん、何冊目だろう。。。 なんか、読み疲れ?した時はこの人でさらさらーと何も考えず楽しめる。でも、ただ読みやすいだけでなく、色々な社会問題を提起し、考えさせられる。 今回はバブル期に買ってしまったニュータウンの行く末と、その子どもたち、いわ...
読み物としては面白かった! 垣谷美雨さん、何冊目だろう。。。 なんか、読み疲れ?した時はこの人でさらさらーと何も考えず楽しめる。でも、ただ読みやすいだけでなく、色々な社会問題を提起し、考えさせられる。 今回はバブル期に買ってしまったニュータウンの行く末と、その子どもたち、いわゆるロスジェネを取り上げつつ、ストーカー問題も関わって昼ドラにしたら面白そう。 ニュータウンの悲哀と言えば多摩ニュータウンが必ず取り上げられる。 場所が、もう少し駅に近ければ、都心に近ければ状況は全く変わったんだろうな。 上手く代替わりしてるニュータウンもある。 いずれにせよ、バブルの頃購入した人は物件価格も、金利も、今では考えられない金額だったから、損は免れなかったんだろう。 子どもたちの世代で言えば、結果論としては朋美が一番羨ましいと感じるが、私はきっとあんなふうに割り切って、結婚まではできない。そこで言うと、三起子くらいが理想的。朋美と比べるとなんだか損した感じで書いてあったけど、充分良い生活を送っていると想う。 琴里は、実家がなんだかんだ東京だからお寿司屋さんのバイトでなんとかなってるけど、本当にキャリアを積もうと思ったら他にも道はあったはず。 あとがきで、垣谷さんのニュータウン購入と、その後の値下がりでの損害が実話だったと知り、なるほどリアルだなと思った。でも、その損害が今こうして小説のネタになり利益を生み出すのだから、人生って不思議。
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