ヒトリコ の商品レビュー
小学生から高校生までの間の少年、少女を描いた物語。 とある些細な事件がきっかけとなり、その後の人生が大きく変わってしまう様が違和感なく書かれていました。 登場人物たちの心情が凄く丁寧にかかれていて、それが人間のきれいな部分だけでなくズルい所や汚い所もかかれているところがよかった...
小学生から高校生までの間の少年、少女を描いた物語。 とある些細な事件がきっかけとなり、その後の人生が大きく変わってしまう様が違和感なく書かれていました。 登場人物たちの心情が凄く丁寧にかかれていて、それが人間のきれいな部分だけでなくズルい所や汚い所もかかれているところがよかったです。 登場人物の中にキュー婆ちゃんという方がでてくるんですが、なぜかその人だけ脳内再生するとジブリテイストでした(笑)
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あるきっかけで一人でいることを選ぶようになった女の子と、そんな女の子をほっとけない男子、それが気に食わない女子。 胸に秘めた想いと、これからいくらでも修復できる関係に青春を感じるストーリーでした。 ヒトリコという造語はあまりしっくりこなかった。
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私はひとり、ひとりで生きていくの。 ひりひりする。友人関係を煩わしいと思う気持ちもあるけれど、ヒトリコにはなれない。 合唱が大きなカギとして出てくる。合唱ってクラス行事としては、結構しんどいもの。優勝を目指して練習するうちに、まさに恐怖政治みたいになることもある。うまくクラス...
私はひとり、ひとりで生きていくの。 ひりひりする。友人関係を煩わしいと思う気持ちもあるけれど、ヒトリコにはなれない。 合唱が大きなカギとして出てくる。合唱ってクラス行事としては、結構しんどいもの。優勝を目指して練習するうちに、まさに恐怖政治みたいになることもある。うまくクラスがまとまったら本当にいいものができるけれど。歌うということ、声を出すということは、本当は楽しいことであるべきなのに。 一人の視点ではなく、語り手が交代することで、知り得ないそれぞれの話を読者だけがつなげることができる。それで、さらにひりひりと感じる。気持ちのねじれ、もつれ、でも声に出さない部分はわからないままで、やっていくしかないから。
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おもしろかったー 面白い話では全然ないんだけど ヒトリコちゃんがかっこよかったし 救われた感じがよかった 群れたり媚びたり阿ったりするのをひややかに見られるってかっこいけどまねできない ヒトリコちゃんを好きな男の子が切なくてたまらなかった。もうちょっとぐいぐいいっても(いけ...
おもしろかったー 面白い話では全然ないんだけど ヒトリコちゃんがかっこよかったし 救われた感じがよかった 群れたり媚びたり阿ったりするのをひややかに見られるってかっこいけどまねできない ヒトリコちゃんを好きな男の子が切なくてたまらなかった。もうちょっとぐいぐいいっても(いけないけど)と思ったけどヒトリコちゃんはドン引きしてたから 彼じゃなかったんだなーとは思う いい小説だったなー 読ませたい読ませたい!!!
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一字一句から目が離せなかった。すごく臨床感があって、自分が、その教室にいたような感覚を覚えた。においがする作品だと思った。 金魚のにおい、日都子が吐いたトイレ。 柿、茄子の味噌汁、鍋焼きうどん、カレー南蛮。 生々しい、体験。
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『ヒトリコ』になる前の日都子と『ヒトリコ』になってからの日都子は、自分のことしか考えなかった子供から周りの人々を見ることが出来る少女へと変わった。 それでも相手にズバリと痛いところを突いてしまうところが日都子なんだけど。 嘉穂の方が正直で理解出来た。好感度は低いけれど。 特に冬希...
『ヒトリコ』になる前の日都子と『ヒトリコ』になってからの日都子は、自分のことしか考えなかった子供から周りの人々を見ることが出来る少女へと変わった。 それでも相手にズバリと痛いところを突いてしまうところが日都子なんだけど。 嘉穂の方が正直で理解出来た。好感度は低いけれど。 特に冬希、あんなエキセントリックな母親に育てられながらもこんな好少年によく成長してくれたなと感心。 『ヒトリコ』の日都子、『ヒトリコ』にしてしまったきっかけの元同級生たち、それぞれの成長が苦く切なく爽やかに描いてあって、粗削りなもののインパクト大な良い作品だった。
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某書店でオススメされていたのとタイトルと表紙に惹かれて購入し、まったりのほほんと読破ー! 何とも学校の閉鎖的な空間とその中で繰り広げられる様々な人間模様が描写されており、主人公のヒトリコと同じような境遇にいた自分にとっては所どころ感情移入しながら読んでおりました。最終的に、金魚...
某書店でオススメされていたのとタイトルと表紙に惹かれて購入し、まったりのほほんと読破ー! 何とも学校の閉鎖的な空間とその中で繰り広げられる様々な人間模様が描写されており、主人公のヒトリコと同じような境遇にいた自分にとっては所どころ感情移入しながら読んでおりました。最終的に、金魚事件の元となる転校生の男の子によって起こされる物事や刺激によりヒトリコが徐々に心を開いていくさまが印象的だった。ハピエンでよかったです。
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TSUTAYAの単行本コーナーで見かけて、『ヒトリコ』→『屋上のウインドノーツ』の順に読了しました。 作者の二本立てのデビュー作はいずれも霞ヶ浦を望む地方の高校が舞台。『ヒトリコ』の主人公はピアノ教室に通い、『ウィンドノーツ』の主人公は吹奏楽部で活動するということで音楽つながり...
TSUTAYAの単行本コーナーで見かけて、『ヒトリコ』→『屋上のウインドノーツ』の順に読了しました。 作者の二本立てのデビュー作はいずれも霞ヶ浦を望む地方の高校が舞台。『ヒトリコ』の主人公はピアノ教室に通い、『ウィンドノーツ』の主人公は吹奏楽部で活動するということで音楽つながりもあります。いずれも学校生活や友人関係のなかで他人からも自分自身からも疎外されてしまった主人公の感情的な再生とか社会的な再統合とかの物語で、さらっと読めます。 中高生の学校生活というのは現代小説の主題としてありふれているけれど、視界いっぱい畑と田んぼが広がっていたり朝靄の先に湖を望むなんて地理(?)は舞台としてめずらしい気がします。2つの物語の主題となる高校生の主人公たちの友人関係やその葛藤の根源がいずれも幼稚園や小学校のころからの因縁であるのも、そういう地方都市周辺の農業地帯のやや流動性の低い社会を背景にしているからこそなのかなとも。
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担任に金魚殺しの濡れ衣を着せられ、孤立しヒトリコになってしまった日都子。手のひらを返すかのようにヒトリコを無視する友人たち。そのどちらの気持ちも丁寧に描かれている。「関わらなくてもいい人とは関わらない」と言い切る凛とした強さが悲しい。怪獣のバラードが似合う前向きなラストだった。
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小学5年の時に担任の生成から濡れ衣を着せられひどく叱責され、そして仲良しだった友だちにも裏切られ、ひどいいじめを受けた日都子は、"みんな"に加わることをやめ、ヒトリコとして過ごすことを決めた。 彼女の支えはピアノとピアノを教えてくれるキュー婆ちゃん。 語り手...
小学5年の時に担任の生成から濡れ衣を着せられひどく叱責され、そして仲良しだった友だちにも裏切られ、ひどいいじめを受けた日都子は、"みんな"に加わることをやめ、ヒトリコとして過ごすことを決めた。 彼女の支えはピアノとピアノを教えてくれるキュー婆ちゃん。 語り手が入れ替わりながら話が進んでいく。 思春期の子供達の葛藤や閉塞感に胸がギュっと掴まれるよう。 日都子がいじめにあっても強く居られたのは、殆ど描写されてはいないけど、自立した母娘の健全な関係があったからかもしれないと、ふと思う。 途中、誰のせりふか分からない部分があったり、少し迷子になりつつも、全体として伝わってくるものがある作品だと感じた。 合唱と怪獣のバラードのテーマが上手く作用してる。 背筋をピンと伸ばして凛とピアノを弾く日都子の姿、ピアノを弾きながら歌う彼女の澄んだ声が目の前に浮かんでくる。
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