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ゼンデギ の商品レビュー

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14件のお客様レビュー

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2015/10/26

内容はとても面白いが、SFに慣れがあることと、特に科学的に理解が必要で読むのに少し気力が必要でした。

Posted byブクログ

2015/09/04

子供が出てくるのはイーガン作品には珍しい? 論理の骨と皮だけでできてるような今までの作品とは少し違った印象を受けた。 そして結末は苦く鮮やか。 前半の流れも素晴らしい。 さすが。

Posted byブクログ

2015/07/06

いやあこれは意外。前作の「白熱光」がガチガチのハードさだったので、おそらくまたわからんだろうけど頑張って読むもんね!と鼻息荒く読み出したら、おっとっと、なんだか雰囲気が違う。若干途惑いつつ、そうだよ、ここのところ文系読者にはキビシイのが続いてたけど、人の心に繊細に分け入るドラマ性...

いやあこれは意外。前作の「白熱光」がガチガチのハードさだったので、おそらくまたわからんだろうけど頑張って読むもんね!と鼻息荒く読み出したら、おっとっと、なんだか雰囲気が違う。若干途惑いつつ、そうだよ、ここのところ文系読者にはキビシイのが続いてたけど、人の心に繊細に分け入るドラマ性の豊かさもまたイーガンの持ち味だったよね~とずんずん読み進め、本を置いた今はしみじみとした満足感の中にいる。やっぱりイーガンは最高だ。 何よりも意外だったのは、本作には度肝を抜くようなSF設定がないことだ。人間の脳をスキャンしてヴァーチャルな存在を作り出すというお話ではあるが、「ディアスポラ」でその突き抜けた形を差し出して見せたイーガンが、ここではその遙か手前、現実にかなり近い(のかな?)段階のテクノロジーを設定している。まあ、だからといってわかりやすいかというと、そんなことはまったくないわけだけど、読み出していきなりガーンと遠くへ連れ去られていく気分になる「ディアスポラ」や「白熱光」とは別タイプの作品だ。 また、舞台がイランで、第一部ではその政治情勢が重要な背景となっている。えーっとこの頃のイランってどうなってたんだっけ? 途中で本を置いて調べてから再開。そういう知識が絶対必要というのではないが、少し知ってた方が読みやすいと思う。 不幸な形で妻を亡くし、自分も病気で長く生きられないとわかった主人公(の一人)マーティンが、幼い息子の行く末を案じ、なんとかその助けとなってやりたいと願う。その切実な思いに泣けてくる。(もちろんこれはイーガンなのだからして、その愛情の捉え方も思弁的で、いたずらにセンチメンタルなものではなく、その抑制にぐっとくる。)最新テクノロジーにその願いを託そうとしたマーティンだが、やはり最終的に人の心を救うのは、現実の時間を共にし、記憶を共有する人なのだ。 ヴァーチャルな存在が持つ「意識」についても考察されているが、本作ではそこにはあまり深入りしていない。ただ、「記憶」というものが「意識」に不可欠なものであるという考えが示されていて、これには説得力がある。 もう一人の主人公はイラン人の女性科学者。父が政治犯として処刑され、アメリカへ亡命。その後イランへ戻り、ヴァーチャルゲーム「ゼンデギ」開発の現場にいる。テクノロジーによって祖国に貢献したいと強く願いながら、現実は思うに任せない。彼女のパートを読んでいると、技術開発というものが実に生臭いもので、いったん走り出した技術を「ほどほど」でとどめ置くことなど不可能なのではないかという気持ちになる。 とは言っても、イーガンは単純にテクノロジーの否定的な面を描いているのではなくて(もちろん)、第一部の民主化を求めるイランのデモの渦中、多くの人を救うのもまたテクノロジーだ。人間の幸福と技術的進歩の関係は、複雑に絡まり合っていて、そう一筋縄でいくものではない。このクールで複眼的な見方が著者の大きな魅力だと思う。 物語は、記者としてイランに赴任するマーティンが、持っていけないレコードをデジタル化するというエピソードから始まる。これが伏線だったのね。他にもいろいろありそうで、読み返すのが楽しみだ。

Posted byブクログ

2015/07/01

イーガンの最新作。原書は2010年に刊行。 思考実験を前面に押し出した普段の長編とは違って、今作はエンターテイメント性を強く感じられる仕上がり。ストーリーを進行させるモチーフも、割とベタなものを用いているのでは? 難を言えばもう少しエキゾチシズムを感じたかったことぐらいか。面白か...

イーガンの最新作。原書は2010年に刊行。 思考実験を前面に押し出した普段の長編とは違って、今作はエンターテイメント性を強く感じられる仕上がり。ストーリーを進行させるモチーフも、割とベタなものを用いているのでは? 難を言えばもう少しエキゾチシズムを感じたかったことぐらいか。面白かった。

Posted byブクログ