母性 の商品レビュー
17歳の高校生の自殺未遂をきっかけに展開されていく物語。かなり重たく考えさせられる。 語り手によってこんなにも解釈が違ってしまうのかと思う。 母と娘でなぜこんなにも思いはすれ違ってしまうのだろうか。
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湊かなえ作品を読んで具合が悪くなりたい、と思った時にちょうど良い。作中人物の言動を読み進めていくと、読者自身の価値観が浮き彫りになってくるように感じた。閉鎖的な田舎や母と娘のベタベタした関係性に心当たりがある人ほど、この物語がどう決着をつけるのか気になってしまうのではないか。子を...
湊かなえ作品を読んで具合が悪くなりたい、と思った時にちょうど良い。作中人物の言動を読み進めていくと、読者自身の価値観が浮き彫りになってくるように感じた。閉鎖的な田舎や母と娘のベタベタした関係性に心当たりがある人ほど、この物語がどう決着をつけるのか気になってしまうのではないか。子を産めば母親になれるわけではないと、嫌というほど理解させられたように思う。
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湊さんのこの手の作品が好きだなあ〜 イヤミスというか、読後感がスッキリしない感じ。 これぞまさに「湊かなえワールド」! 話し手によって同じ出来事に対して全く違うことを言い、捉え方や価値観の違いをまざまざと見せつけられる。 最後の結末を信じるか信じないかは読者に委ねられてるんだろ...
湊さんのこの手の作品が好きだなあ〜 イヤミスというか、読後感がスッキリしない感じ。 これぞまさに「湊かなえワールド」! 話し手によって同じ出来事に対して全く違うことを言い、捉え方や価値観の違いをまざまざと見せつけられる。 最後の結末を信じるか信じないかは読者に委ねられてるんだろうな。 そこの余地を残すのも湊さんの作品の魅力の一つだと思う。
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互いの視点から同じ出来事を伝えていても一方の受け止め方は、もう一方の受け止め方は全く異なる。相手に対する重すぎる思いがあるのにそれが相手には伝わらない。信頼できない語り手と信頼できない語り手のお話。最後の場面が「母性について」という今までとは違う形で話は終わっている。ゾワっとする終わり方。どちらの話を信頼すると決めても最後あの形には落ち着かないと思うので、どちらの視点も捻じ曲がった主観であったのだろう。最後の語りは真実だとしても恐怖を感じる。(あの状態から大円団ぽくなっていたのは作品中常に娘がおかしくなっていたから)。真実じゃないとしても恐怖を感じる(最後の場面は妄想や理想)最後の一文で恐怖をとても感じたのはもう何が真実なのかがわからないからだと思う。主観の話を聞いて、それをどう受け取るかは人次第ということなのかもしれない。
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ちょっと想像していた話と違った…。 母からの視点と子からの視点、180度違うのかと思ってたけど…そうでもなかった。 このくらいのすれ違いな想いは、実はよくあることじゃないのかなと思ってしまった。
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母に不器用に接されても、どことなく母を愛していて、愛されたいとも思っている娘に自分を重ねてしまった。 女には二種類ある。母と娘。ルミ子は、誰かの娘で いたい、庇護される立場でありたいという思いが強 く、内なる女性を排除してしまう「娘」側の女だったが、自分の母は、母側の人間だった...
母に不器用に接されても、どことなく母を愛していて、愛されたいとも思っている娘に自分を重ねてしまった。 女には二種類ある。母と娘。ルミ子は、誰かの娘で いたい、庇護される立場でありたいという思いが強 く、内なる女性を排除してしまう「娘」側の女だったが、自分の母は、母側の人間だったとふと思わせた。 ルミ子と清佳、それぞれの視点によって物事の捉え方が異なっているのも、私が母に対しての愛するあまりの緊張が母にとっては母を嫌がっているように捉えられてしまった切ない過去を思い出した。 結局、「母性」とは何なのか。私には分からなかったし、備わっているとも思えなかった。そして今、愛とは何かを必死に考えたり、愛されたい欲が強い自分が「娘」側な人間な気がして苦しい。 しかしルミ子と自分の母を比較したとき、母はちゃんと「母」で、不器用ながらも僕を愛したことに気づけたのは、とても幸せだと思った。確かに世の中は「家族」という言葉を神聖化しすぎているが、家族とあまり上手くやれなかった自分が、家族は悪いものではない気付かされる本だった。
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湊かなえさんの作品ですごくハッピーエンドな方ではないかと感じた。 致命的に狂ってる人はおらず、少なくとも表向きではよくある話の展開だがそれを渦巻く人間漢検が徐々におかしくなっていっているのが面白かったです。 桜を中絶したあたりで読むのがあまりに辛かった。
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タイトルの通り【母性】について考えさせられる。 母性とは、女性に生まれつき備わっているものなのか、それとも我が子を育てていく過程で備わるものなのか。もしくは一生母性を持ち合わせないことは、人間としての欠落を表しているのか。
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新潮文庫の100冊の中にあったので手に取った1冊。 何が真実で何が嘘なのか、え、え、結局何だったのというくらい最後は今までのことがなかったかのようにあっさりと終わったなと感じました。 最後の解説を読んで、なるほどこれはどっちが正しいとか正しくないとかそう言うことで読む話ではない...
新潮文庫の100冊の中にあったので手に取った1冊。 何が真実で何が嘘なのか、え、え、結局何だったのというくらい最後は今までのことがなかったかのようにあっさりと終わったなと感じました。 最後の解説を読んで、なるほどこれはどっちが正しいとか正しくないとかそう言うことで読む話ではないんだと思いながらも、母性って結局何だったんだろうなと思いました。 すっきりとした終わり方ではなく、もやっとする終わり方だと個人的には思いました。 ただ、作品としてはとても面白かったです。
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2人の娘の名前がそれぞれ一度も明かされていない事に途中で気付き、ぞっとした。 歪んだ愛に恐怖や違和感を感じるのではなく、それを当たり前の愛だと信じて疑わずに育ってきた母親、そしてその娘、2人とも救われずにすれ違いながら時だけが経って行く、その描写が怖かった。
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