幼児教育の経済学 の商品レビュー
ヘックマンの論文と、それに対する専門家のコメント、その反論。さいごに解説と日本版。 家族の関わりの重要性。 裏付けはこれから。 C3033
Posted by
帯は詐欺 教育に関するエビデンス本。 主に幼児教育の効果について書かれている。 本書の特徴として反対意見も掲載しててそれに対する反論といった形式をとっている。 まだまだ研究途上分野、データも不足してると言わざるをえないので相当興味を持った人でないと読む意味は少ないかも。
Posted by
教育図書館OPAC: http://nieropac.nier.go.jp/webopac/BB16331925
Posted by
就学前の教育を受けた子と受けてない子では就学時点から学力に差があり、その差は忍耐力や協調性や自発性といった、学力やIQ以外の非認知能力の差によるもの。 非認知能力は生後すぐから就学前の時期(特に3〜4才)に適切な教育(刺激)を受けて発達するが、適切な教育を与えられない貧困家庭の子...
就学前の教育を受けた子と受けてない子では就学時点から学力に差があり、その差は忍耐力や協調性や自発性といった、学力やIQ以外の非認知能力の差によるもの。 非認知能力は生後すぐから就学前の時期(特に3〜4才)に適切な教育(刺激)を受けて発達するが、適切な教育を与えられない貧困家庭の子どもに公費で教育を行うと、成長してからの職業訓練よりも所得や社会的成功の率が上がる。 したがって、社会保障費や犯罪発生にかかるコストをあらかじめ抑えて納税率も上げることができる。 ということを研究によって導いたヘックマン教授の提言とそれへの反論、さらにその反論をまとめたもの。 前提として「就学前の幼児教育は大事」は基本的には誰もが同意していて、本書の外でも脳科学の研究結果などから現在は常識となっているが、「それを国の政策として大規模公平に行うべきか」「それで効果が他の政策よりも大きくあるのか」が論点。 (自分とこの)幼児にいついくらかけて何をするといいか、ではない。 幼児教育の有無が人生に重要だと知らない家庭で育つ子に幼児教育を誰がどうやって施すか、経済的な効率性の面から考えて、という話。 ヘックマン教授の書いてることには、親や家族が教育するのが大事という主張も含んでいるが、血の繋がった母親が、というよりは、義父母や親戚、里親なども含む家庭の養育者が、くらいのことなんだろうと思うのだけど未確認。
Posted by
賛成、反対の論文をまとめるという形式はほかにあまりなく、面白い試み。 内容は概要説明に感じ、入り口としてはよい書だと思う。
Posted by
「エコノミストが選ぶ経済図書ベスト10」第7位 『幼児教育の経済学』と『「学力」の経済学』はエビデンスに基づく教育政策の重要性を説く書。土居丈朗・慶応大教授は後者について「勘と経験に頼りがちな教育の問題を、科学的な根拠に基づきわかりやすく説明した良書。行き過ぎた『平等主義』が格...
「エコノミストが選ぶ経済図書ベスト10」第7位 『幼児教育の経済学』と『「学力」の経済学』はエビデンスに基づく教育政策の重要性を説く書。土居丈朗・慶応大教授は後者について「勘と経験に頼りがちな教育の問題を、科学的な根拠に基づきわかりやすく説明した良書。行き過ぎた『平等主義』が格差を拡大させたり、教員の給与アップが子供たちの意欲や学力向上に必ずしもつながらなかったりすることが示されている」と推奨する。
Posted by
子供の非認知的スキルを育てることが大事という根拠となったヘックマン教授の話と、それへの反論を多く掲載し、かつヘックマン教授の再反論をまとめた本。 確かにこうしてみると、ヘックマン教授の調査も結果から導かれたようにも思う。とはいえ非認知的スキルのある程度の重要性、また子供の貧困を改...
子供の非認知的スキルを育てることが大事という根拠となったヘックマン教授の話と、それへの反論を多く掲載し、かつヘックマン教授の再反論をまとめた本。 確かにこうしてみると、ヘックマン教授の調査も結果から導かれたようにも思う。とはいえ非認知的スキルのある程度の重要性、また子供の貧困を改善することは多くの学者も同意しているようだ。 結論は読んだ人に委ねられている。そういった意味で、教育経済学といった分野もまだまだ途上にあるのだと思った。
Posted by
著者の主張と、それに対する専門家の意見と、再反論という構成。1冊で多種多様な考えに触れられて便利だな。しかし、こういう社会実験ができるのがアメリカって感じだ。
Posted by
斜め読み。 外国の方が著者ということで、若干読みにくさがあった。 見た目は読みやすそうなのだけど。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
幼児教育は公平性がある。将来の社会保障コストを低下させられるから費用回収効果が高い。そんなお話。わかるわ。 少子高齢化社会で、日本はどこまで教育を犠牲にできるのか。 昭和までは日本では慣習という道徳が人間関係を縛っていたからなんとかなっていた。しかし、いよいよ無理だ。人と人のつながりが薄い世の中になったのだから、どうにかするっきゃない。 「綿密に設計された計画は想定した効果を上げられず、立ち消えに終わる」という記述が一番良かった。 まさにそうである。フレキシブルな政策こそがもっとも効果的である。 あまりに計画を固めすぎると、当初あった目的が形骸化して、計画を計画通り進めることが大事だという誤解が発生する。手段が目的化するという失敗だ。 大事なのは「目的の達成」そのためには手段は変更可能にしておくことが大事。不測の事態にも対応できる人間こそ「できる人間」である。 今の日本にそれを理解できている人はどれだけいるかなー。 そういうことを幼児教育で教えていくべきだよな。失敗してもいいけれど、どう修正するかを重要視する。そんな教育。
Posted by