ジヴェルニーの食卓 の商品レビュー
マティス、ドガ、セザンヌ、モネを中心に据えた短編4つ。 先に読んだ「たゆたえども沈まず」が劇的だったのと比べ、どれも穏やかできれいにな話にまとまっている。 物語は、画家のすぐそばにいた人物の目線で書かれ、読むうちに自分もその画家をよく知っているような錯覚に陥る。 特に表題の「ジヴ...
マティス、ドガ、セザンヌ、モネを中心に据えた短編4つ。 先に読んだ「たゆたえども沈まず」が劇的だったのと比べ、どれも穏やかできれいにな話にまとまっている。 物語は、画家のすぐそばにいた人物の目線で書かれ、読むうちに自分もその画家をよく知っているような錯覚に陥る。 特に表題の「ジヴェルニーの食卓」は自分自身がその場にいて、素晴らしい食卓についているかのような思いで読んだ。 もう、25年も昔、母と観光で訪れたジヴェルニー。あのお庭があんなにも素晴らしかった理由、室内がとても明るく、窓から差し込む光で眩しいほどだった理由、そして大きな食卓にたっぷりと用意されたであろう美味しそうなご馳走。思い出に残っているジヴェルニーとストーリーがリンクして胸がいっぱいになった。
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有名な画家のプライベートや、絵が書かれた背景などが分かれば、その絵画を見るときの印象が変わってくる。 原田マハさんは、小説という形で、絵画を鑑賞するときの新たな手法を作り上げて下さった。 有名な画家も、一人の人間だったんだ、と親近感も湧いてきた。 無性に美術館に行きたくなる、そん...
有名な画家のプライベートや、絵が書かれた背景などが分かれば、その絵画を見るときの印象が変わってくる。 原田マハさんは、小説という形で、絵画を鑑賞するときの新たな手法を作り上げて下さった。 有名な画家も、一人の人間だったんだ、と親近感も湧いてきた。 無性に美術館に行きたくなる、そんな小説でした。
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世界で最も著名な芸術家4人の生涯の一端を、その近くに居た人物の視点から見るという体験を味わ合わせてくださる小説です。全部で4つの短編になっています。彼等の本当の生涯までは現在分からないのでしょうが、少ない資料とその作品から、ここまで生き生きと蘇らせる著者の想像力に引き込まれてしま...
世界で最も著名な芸術家4人の生涯の一端を、その近くに居た人物の視点から見るという体験を味わ合わせてくださる小説です。全部で4つの短編になっています。彼等の本当の生涯までは現在分からないのでしょうが、少ない資料とその作品から、ここまで生き生きと蘇らせる著者の想像力に引き込まれてしまいました。本書を読んで、それぞれの芸術家に対する興味や親近感を、もっとこの芸術家を知りたいという衝動を得ることができました。 どんなすごい芸術家にも、その私生活はあり、俗な部分はある。その俗な部分がまた、その人物像がとても素敵で、だから芸術家なのだと読んで教えられたように思います。
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いいものを読ませてもらった。 フランス印象派、ドガ、セザンヌ、モネの生活と、20世紀のフォーシズムのマティスを追った短編集。1話が時系列から外れるが、この本を読んで再度登場人物の作品を見てみた。絵とこの小説を照らし合わせて見てると、フランスの風景が、風が感じられて心地よい気分にな...
いいものを読ませてもらった。 フランス印象派、ドガ、セザンヌ、モネの生活と、20世紀のフォーシズムのマティスを追った短編集。1話が時系列から外れるが、この本を読んで再度登場人物の作品を見てみた。絵とこの小説を照らし合わせて見てると、フランスの風景が、風が感じられて心地よい気分になった。
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“印象派の巨匠4人の美の謎を色鮮やかに描き出した短編集。 モネ、マティス、ドガ、セザンヌという4人の印象派の巨匠たちの、創作の秘密と人生を鮮やかに切り取った短編集。ジヴェルニーに移り住み、青空の下で庭の風景を描き続けたクロード・モネ。その傍には義理の娘、ブランシュがいた。身を持ち...
“印象派の巨匠4人の美の謎を色鮮やかに描き出した短編集。 モネ、マティス、ドガ、セザンヌという4人の印象派の巨匠たちの、創作の秘密と人生を鮮やかに切り取った短編集。ジヴェルニーに移り住み、青空の下で庭の風景を描き続けたクロード・モネ。その傍には義理の娘、ブランシュがいた。身を持ち崩したパトロン一家を引き取り、制作を続けた彼の目には何が映っていたのか。(「ジヴェルニーの食卓」) 語り手は画家の身近にいた女性たち。美術史や評伝から見えてこない画家の素顔や心情が、キュレーターの経験がある作家の想像力によって色鮮やかによみがえる。”―内容紹介より。 ◇うつくしい墓 ◇エトワール ◇タンギー爺さん ◇ジウェルニーの食卓
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フィクションかノンフィクションかわからなくなるような小説。 一話につき一人、計四人の画家のお話。 マティス、ドガ、セザンヌ、モネ ドガの話だけはちょっと苦手 あとはとても良かった 原田マハさんの作品を読むのはこれで2作目 表現の仕方が好きかもしれない、他の作品も読んで見たいと...
フィクションかノンフィクションかわからなくなるような小説。 一話につき一人、計四人の画家のお話。 マティス、ドガ、セザンヌ、モネ ドガの話だけはちょっと苦手 あとはとても良かった 原田マハさんの作品を読むのはこれで2作目 表現の仕方が好きかもしれない、他の作品も読んで見たいと思った。
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初、原田マハ。基本的にくどいので他の短編のダラダラ感が否めなかったが、『ジヴェルニーの食卓』はよかった。ことばが美しい色彩や光となって届いてくる。
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国立新美術館での印象派展に向けて読んだ本。 原田マハさんの美術の知識と、美術関連ものでない本との書き方の違いは同一人物とは思えないほど。 登場人物や登場する絵は史実にも残っているものであって、知識も増えておもしろい。楽園のカンヴァスとは異なり現在に生きる人の登場はなくまるで美術史...
国立新美術館での印象派展に向けて読んだ本。 原田マハさんの美術の知識と、美術関連ものでない本との書き方の違いは同一人物とは思えないほど。 登場人物や登場する絵は史実にも残っているものであって、知識も増えておもしろい。楽園のカンヴァスとは異なり現在に生きる人の登場はなくまるで美術史を読んでいるようだった。 繊細な短編集だった。少しでも触れると壊れてしまいそうな 小説。
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画家に対する思いが非常に良く伝わってくる。原田マハならではの創作だと思う。どこまでがフィクションなのかはどうでもいい。それぞれの絵に向き合いながら、作家の人生を追いかけていくような作品。
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原田マハさんの短編集。4人のフランス人画家について、史実をもとに書かれたそうだ。 画家は、日本人にもおなじみの、モネやドガなどなので、作風をイメージして読みやすい。 個人的には、一人称の思い出し語りや、書簡という形式があまり好きではない。もちろんそうでない作品もある。本書は、有名...
原田マハさんの短編集。4人のフランス人画家について、史実をもとに書かれたそうだ。 画家は、日本人にもおなじみの、モネやドガなどなので、作風をイメージして読みやすい。 個人的には、一人称の思い出し語りや、書簡という形式があまり好きではない。もちろんそうでない作品もある。本書は、有名画家たちの周りにいた人からの視点で書かれている。 印象派絵画の、あのふんわりとした色彩に包まれているようで、文章は清々しい。
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