ジヴェルニーの食卓 の商品レビュー
フランスに行きたくなる。 個人的には短編小説があまり好きではないため他の作品と比べて評価は低くなるが、相変わらず絵画の見方、ルーツを教えてくれる素晴らしい作品。
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初めて読んだ原田マハ作品。短編集で読みやすく、彼女の作品の中で最もお気に入りです。この本を持参しジベルニーへ向かったら、スイス在住の女性もこの本を持って来ていました。 フランスの子供向け作品でよくある、伝記風小説のジャンルを日本に広めた、とも言えます。
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印象派の4人の巨匠、マティス、ドガ、セザンヌ、モネ。4つの物語から成る短編集。 語り手は、それぞれ画家の身近にいた女性たち。 原田マハさんならではの想像力で語られる物語は、鮮やかな色に満ちている。 《うつくしい墓:アンリ・マティス》 白いマグノリアの花にマティスとの縁を繋がれた...
印象派の4人の巨匠、マティス、ドガ、セザンヌ、モネ。4つの物語から成る短編集。 語り手は、それぞれ画家の身近にいた女性たち。 原田マハさんならではの想像力で語られる物語は、鮮やかな色に満ちている。 《うつくしい墓:アンリ・マティス》 白いマグノリアの花にマティスとの縁を繋がれた若い家政婦、マリアが語る物語。 たった六ヶ月マティスの側に仕えたことが、マリアの一生を決定づける。 親交のあったピカソが、戦時下にあっても変わらず明るく穏やかな絵を描く マティスに畏敬の念を抱いていた、と語られていて興味深い。 マティスの死後、マリアがマグノリアの花を手にピカソのもとを 訪れるシーンは、ピカソの深い情愛を感じさせる。 《エトワール:エドガー・ドガ》 この物語では、ドガが作成した踊り子の彫像が中心に話が進む。 ドガの描いた踊り子たちの境遇に胸を打たれた、せつない作品。 《タンギー爺さん:ポール・セザンヌ》 セザンヌの帰りを待ちわびる画材店主、タンギー爺さん。 タンギーの娘が、セザンヌに宛てた手紙として綴られる。 売れない芸術家たちの絵を引き取って絵具や画材を提供し続け、 ゴッホが絵具代の代わりに肖像画を描いたことで知られる人物。 タンギー爺さんは印象派展を見て以降、 これから出てくる芸術家を支えて生きることを決める。 そして、一番伸びる画家は『リンゴの絵』を描いたポール・セザンヌだと感じた。 「この画家は誰にも似ていない。ほんとうに特別です。 いつか必ず、世間が彼に追いつく日が来る。 わしの命があるうちにその日が来るといいんだが」 信念を貫き、貧しくとも幸せに生きたタンギー爺さんの想いを通して、 セザンヌの絵が色鮮やかに語られる。 《ジヴェルニーの庭:クロード・モネ》 本のタイトルになっている章。 義理の娘ブランシュが「先生(モネ)」について語る。 モネは、室内ではなく光あふれる風景の中を『アトリエ』と呼び、 精力的に各国を旅して仕事をする。 40代半ばで、ジヴェルニーの地に出会って歓喜したモネ。 「素晴らしい土地を見つけた。そこには光が、光だけが見えた」と手紙に綴った。 モネは、ジヴェルニーにお気に入りの家と庭を造って生涯を過ごす。 三十代で日本の浮世絵と出会い、すっかり心を奪われたモネ。 ジヴェルニーに日本的な情緒あふれる睡蓮の浮かぶ「水の庭」を作り、 すべての客人を案内したという。 晩年、睡蓮装飾画の完成に向けて苦悩を乗り越えたモネの姿が清々しく語られる。
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マティス、モネ、セザンヌ、ドガ。画家たちを支えた家族や助手や支援者たちの目線で進むアート短編集。 特にたゆたえども沈まずを読んだ後だから、タンギー爺さんの話が良かったな。 どの話にも共通していたけれど、画家たちの側には必ず、1番のファンとして支え続けた人たちがいる。自分の作品を愛...
マティス、モネ、セザンヌ、ドガ。画家たちを支えた家族や助手や支援者たちの目線で進むアート短編集。 特にたゆたえども沈まずを読んだ後だから、タンギー爺さんの話が良かったな。 どの話にも共通していたけれど、画家たちの側には必ず、1番のファンとして支え続けた人たちがいる。自分の作品を愛し、待ち焦がれてくれる人が側にいるからこそ、彼らは苦境の中で渾身の作品を作り続けられたのかもしれない。
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画家たちの当時の生活や作品の世界に想いを馳せてうっとりしてしまう一冊。 どれもお手伝いや一時の恋人、娘など、有名な巨匠たちに近い存在の目線で描かれるので 巨匠たち本人の気持ちを想像しつつ、自分もその周りの1人な気分になってきます
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美術に詳しくない私でもさらさら読めた。 時代も、国も、環境も、全てが自分とは違うのに、その環境の中に立っているようだった。そして、文字を読んでいるだけなのに鮮やかな絵画が見えて、実物が見てみたくなった。 有名な画家たちの作品を描く情景や作品に込められた想いを、画家本人ではなく...
美術に詳しくない私でもさらさら読めた。 時代も、国も、環境も、全てが自分とは違うのに、その環境の中に立っているようだった。そして、文字を読んでいるだけなのに鮮やかな絵画が見えて、実物が見てみたくなった。 有名な画家たちの作品を描く情景や作品に込められた想いを、画家本人ではなく身近にいる人の立場から描いていて、より美術に興味を持つことができた! こんな画家の想いを踏まえて実物の絵画を見たら、見たことのある作品でも今までとは違った絵に見えてくるんだろうなあ。
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マティスとマグノリアのマリアのストーリーが1番すき。マティスの人柄もとても魅力的でマグノリアの花に込められた意味も素敵。これだけで一冊だったら星5つけてたくらいよかった。モネの話も良かったけど。印象派を少しは勉強してみたいと思った。
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一瞬を永遠にするために一瞬を描き続ける ってどんな気分なんだろう そういうのを羨ましいなとおもう フィクションだということを忘れてしまうくらい鮮明な描写と周りにいる女性からの目線から語られる物語がとても心地よかった
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美術に詳しくなった気になれる。 緩やかな田舎や、静かな町で熱を帯び、震える芸術家たちの魂。と、それに関わる女性の愛おしい話。
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印象派の背景についてあまり知らなかったとき、全然読み進められなかった。印象派について色々学んだ今、とても面白く読めた。印象派あまり知らない人も楽しく読めるのかなあ。
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