ジヴェルニーの食卓 の商品レビュー
原田マハさんはどうしてこうも芸術家の人となりを描き出すのが上手なのだろう。それぞれの芸術家の、作品に向かう姿勢や周囲との関係などを描くことで、アートに対する興味を自然と湧き立たせてくれる。世界史や美術の授業でただ作品と作者を暗記するだけだった学生時代の自分に読ませてアートの面白さ...
原田マハさんはどうしてこうも芸術家の人となりを描き出すのが上手なのだろう。それぞれの芸術家の、作品に向かう姿勢や周囲との関係などを描くことで、アートに対する興味を自然と湧き立たせてくれる。世界史や美術の授業でただ作品と作者を暗記するだけだった学生時代の自分に読ませてアートの面白さを教えてあげたら、もっと豊かな学生時代を送れたような気がする。
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その魂を絵筆に込めた画家たちを、虚実織り交ぜて描いた短編4編。「タンギー爺さん」は変化球だが、他3編は、生死や現実から目を背けることなく彼から彼女らを切り取った絵画そのもの。標題作でそっと落涙...。“読む美術館”のキャッチコピーは伊達じゃない。
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いづれも名前は聞いた事があり、作品も直接では無いにしろ何処かで目にしたことのある4人の印象派と呼ばれる画家の人生の一部を知ることの出来る話。ここで描かれている作品はどんなものだろう?と性分で、スマホを片手に作品を調べずには読み進められませんでした。伝記程では無いにしても、雑学とし...
いづれも名前は聞いた事があり、作品も直接では無いにしろ何処かで目にしたことのある4人の印象派と呼ばれる画家の人生の一部を知ることの出来る話。ここで描かれている作品はどんなものだろう?と性分で、スマホを片手に作品を調べずには読み進められませんでした。伝記程では無いにしても、雑学として読んでおいて損は無い書籍です。
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読んでる内にきれいな情景が広がってきて 細かい表情も目に浮かぶし気持ちも伝わってくる! マティス、ドガ、セザンヌ、モネについて もっともっと知りたくなる!好きになる!
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
切り紙をするアンリ・マティス、バレリーナを描くエドガー・ドガ、パリを離れたポール・セザンヌ、ジヴェルニーで睡蓮を描くクロード・モネ。 印象派や野獣派を代表する画家たちが、彼らを取り巻く第三者の視点から描かれていく作品。 もし彼らの作品を鑑賞する機会があるなら、この作品は是が非でも読んでおくべきだろう。 フィクションとはいえ、彼らの生活や作品背景を追体験できる最高の作品である。 歴史的事実との齟齬や作者の想像上の出来事は含まれるが、事実に忠実なだけの簡素で歯抜けの説明文など足元にも及ばないほど彼らを身近に感じられ、親しみを持てるようになる。 一方、作品単体で見ると面白みは少々薄れる。第三者が作家を賞賛することに終始しており、物語の起伏に乏しい。 本作は、画家たちの作品鑑賞とセットで読んでこそ本来の価値を発揮する稀有な小説だ。
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天才画家の視点ではなく、その周りにいた人たちの目線で話は進んでいくので、いかに彼らがすごかったかがひしひしと感じられました。 どのお話も描写が綺麗でとても読みやすかったです。フランスは個人的に行きたい国でもあったのでよりフランスに行きたいと強く感じました。 題名にもなっている...
天才画家の視点ではなく、その周りにいた人たちの目線で話は進んでいくので、いかに彼らがすごかったかがひしひしと感じられました。 どのお話も描写が綺麗でとても読みやすかったです。フランスは個人的に行きたい国でもあったのでよりフランスに行きたいと強く感じました。 題名にもなっているジヴェルニーの食卓も面白かったですが、1つめのお話の美しい墓という話が個人的には好きでした。 美術作品を調べながら読むとより楽しめました。また原田マハさんの美術シリーズ、読んでみたいと思います。
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マティス、ドガ、セザンヌ、モネを中心に描かれる四つの短篇集。 印象派って、絵もいいんだけど、確かにアトリエでモデルを見ながら描くのではなく、外に飛び出して自由に描くスタイルもよかったんだなと感じました。 特に最後のモネの話が好きだったのですが、モネの絵のような、光りがさしたり陰っ...
マティス、ドガ、セザンヌ、モネを中心に描かれる四つの短篇集。 印象派って、絵もいいんだけど、確かにアトリエでモデルを見ながら描くのではなく、外に飛び出して自由に描くスタイルもよかったんだなと感じました。 特に最後のモネの話が好きだったのですが、モネの絵のような、光りがさしたり陰ったり、でも最後には淡い光で終わる内容が美しかったです。
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1年前くらいに読み終わった。 初めて原田さんの本を読んだ。 表紙と題名に惹かれたため、あらすじを読んでおらず画家の名前が頻繁に出るなと思いながら読んだ。 1番初めのマティスの話が好きだった。
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原田マハさんのアートミステリーが好き。こちらはミステリー要素がないので少し物足りない印象が残ったものの、新しい時代を切り拓いたマティス、ピカソ、セザンヌ、モネら印象派たちの矜持と作品への想い、情熱が垣間見れる短編集だと思います。
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ジヴェルニーの食卓 原田マハさん 【読みおえて】 著書の魅力は、やはりキュレーターである原田マハさんが描いた世界であること。 そして、巻末のとおり、参考文献を巧みに引用しながら、当時の世界を描いていること。 そう、まるで、今、ここの世界で起こっでいるような臨場感が読み手に降りて...
ジヴェルニーの食卓 原田マハさん 【読みおえて】 著書の魅力は、やはりキュレーターである原田マハさんが描いた世界であること。 そして、巻末のとおり、参考文献を巧みに引用しながら、当時の世界を描いていること。 そう、まるで、今、ここの世界で起こっでいるような臨場感が読み手に降りてくる。 偉大な画家たちは、結果として、いま、偉大である。 しかし、当時の画家たちは、ただ、絵画を通じて、純粋に世相に訴えたかっただけである。 描きつづけることの苦難との戦いが見えてくる。切実である。 ------------ 「ジヴェルニーの食卓」 モネ。 モネが愛したアトリエの庭。 モネが弟子をひとりもとらず、そのモネを支えた義理の娘の回想録である。 晩年、両目の手術を行う。 それでも、なお、モネがアトリエに向かいつづけた。 モネは、アトリエの庭に何をみていたのか? ------------ 「タンギー爺さん」 セザンヌ。 セザンヌが貧してした時代。 画材の提供をしていた画廊があった。 その画廊の娘の回想録である。 画廊は、セザンヌをはじめ若い新進気鋭の画家を積極的に支援をしていた。 画材の無償提供である。 代わりに、いつ売れるかわからない絵画と交換する。 娘が、画廊オーナーの父が、なぜ、それほどまでにセザンヌを推していたのか?回想する。 ------------ 「美しい墓」 アンリ・マティス。 マティスの側で給仕していた女性の回想録である。 恍惚の一日。 それは、マティスの晩年に、親友のピカソが昼食に訪れた日のことである。 マティスが、ピカソの見送りときに、渡したものとは? マティスの弔問にピカソが訪れなかった理由とは? ------------ 「エトワール」 ドガの物語である。 『14才の小さな踊り子』。 生前には評価されなかった作品。 この作品の制作現場に立ちあったアメリカ/女性画家の回想録である。 ドガは、この作品で世界に何を説いたかったのか?
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